[永久保存版] 音楽探索に役立つ最強の『プレイリストのリスト』を作ってみた #Spotify編 #2023年12月版 #17個
永久保存版なんて自分で言うな、というツッコミがまず飛んできそうなタイトルをつけてしまいましたが。いつでも私が見返して、半永久的にチェックして(必要に応じて更新したいな)という意思表明と捉えていただければと思います。 #2023年12月時点
簡単に自己紹介
こんにちは、こんばんは、Minimal Order(ミニマル・オーダー)です。
日頃はAbleton LiveやFenderのエレアコ、Spliceなどを用いて音楽を制作しています。仕上がった音源は、SpotifyやApple Musicなどに公開しています。
2023年には、Spotifyプレイリストでのキュレーションも開始しました。
執筆の背景
日々、音楽制作者あるいは1人のリスナーとして日々音楽を浴びています。闇雲に、気楽に聞いているモードにもなりますが、時に「インスピレーションを求めて音楽を聴いているモード」になります。
特に、後者モードのコントロールは難しくて、気を抜くと前者とまざり、
「自分の好きなアーティストばかり聴く」
「自分の好きなジャンルばかり聴く」
「慣れた言語圏の曲ばかり聴く」
「知ってる媒体で辿り着ける音楽ばかり聴く」
といった状態になってしまいます。
もちろん1リスナーとして聴く分にはそんな細かいこと気にする必要はないのですが、音楽制作者のエクササイズと言う意味ではリスクです。
よって、改めて自分が張っているアンテナの向きを自省・調整するために、「自分の音楽探索ソース」について改めて整理してみました。特に「新しい才能との出会い」や「衝撃的な新曲との出会い」を求めたプレイリストです。似たような悩みを持つ方の参考になれば幸いと思い、記事化しました。
繰り返しにはなりますが、今回集めたのは比較的「新しい作品、新しいアーティストの探索」に適したプレイリスト群なので「歴史を遡って名曲を探訪する」目的には向いていません。
「プレイリストのリスト」の想定活用シーン・人
インスピレーションが欲しいすべてのジャンルの音楽制作者・演奏者
イベント(ホームパーティーや結婚式など)のBGMに拘りたい方
人とは違うセットを組みたい、引き出しを増やしたいDJの方
新しい才能を探したい音楽ブロガー/ライターの方
前提や制約
タイトルは強気な文になっていますが、私がどうニュートラルな編集を目指しても、万能なプレイリストは作れません。どうしても個性・先入観・趣味趣向が混ざってしまいます。それでもなお、最善を尽くした内容が今回の企画です。
その他、音楽と出会える大事な機会はたくさんあります。本記事に以下のような貴重な内容は含まれていない点も強調しておきたいと思います。
(これでも氷山の一角だと思います
友人知人から教えてもらう音楽
BandcampやAudius、Soundcloud、Beatport、YouTube動画などその他音楽配信サービスで見つけられる才能
レコードショップでの偶然の出会い、店員さんからの直接のオススメ
クラブイベント、コンサート等々での偶然の出会い
音楽関係の本に書いてあるオススメ (例 https://amzn.to/3XLfitU )
本気で作りましたので、私にとって初のnote有料公開を試させてください!
半分ほど無料、半分ほど有料で公開してみます。
プレイリストのリストの見取り図
情報収集に役立つプレイリストをまとめていると、いくつかに分類できることがわかってきました。
音楽サービスのプレイリスト
レコードショップのプレイリスト
ニュースメディアのプレイリスト
DJや音楽キュレーターのプレイリスト
レーベルのプレイリスト
それぞれの得手不得手を考えながら探索すると、実りの多い出会いが待っていると思います。以下、私見であり仮説です。
各情報ソースの得手不得手
音楽サービスのプレイリスト
◎いいところ: アルゴリズムでとりまとめられている事が多いので、声の大きい人の意見がブーストされない。いわゆる"音楽好き"しか使わないであろうエッジの効いたサービスであればあるほど、集約された楽曲もエッジが立っている
▲気をつけるポイント: 多数決の原理が働きやすいので、上澄みだけ希釈された内容だと、ポップチャートと変わらないものもあるので注意。レコードショップのプレイリスト
◎いいところ: 音楽大好きなスタッフが編纂しているので、「新鮮」で「良い」音楽がちゃんとまとまっている。
▲気をつけるべきポイント: いい意味でもレコードショップには「色」があるので(テコ入れしているジャンルなど)。それぞれのレコードショップの趣味趣向そのものをとらまえる努力が必要音楽メディアのプレイリスト
◎いいところ: 超音楽マニアな執筆陣が大人数で力を合わせているので、縦横無尽に様々な音楽を編纂している。質も高い。驚きも多い
▲気をつけるべきポイント: レコードショップ同様に「ライターの色」「メディアの色」が出るので、特定の音楽メディアだけをフォローして聴き続けるのは(視野を広げたい人にとって)危険。ピッチ○ォークとかDJや音楽キュレーターのプレイリスト
◎いいところ: 音楽の造詣を深め、世に発信することを生業としているので、定常的にプレイリストを共有してくれる
▲気をつけるべきポイント: 個性が出やすいので、その魅力と制約を理解した上で情報ソースとして取り込むのが吉レーベルのプレイリスト
◎いいところ: 質とスピード。リリースと同時に登録される。
▲気をつけるべきポイント: 偏り。所属アーティストの曲をフィーチャーすることが多いので、プレイリストの特性を確認しておくと吉。とはいえ、「時流にのったイケてるレーベル」というのもあるので、取捨選択して情報収取源に組み込むとよさそう
★ここからが「プレイリストのリスト」★
1. 音楽サービスのプレイリスト
The Last.fm Hype Chart by Last.fm [68曲]
ユーザーの視聴履歴をあらゆるサービスを横断して記録し、参加者間でシェアできるプラットフォームLast.fm。そんなLast.fmがトレンドのアーティストやトラックを編纂したプレイリスト。
・曲数:68曲程度
・更新頻度:隔週程度
「Last.fm?あぁ、そんなサービスあったな」という方も「なにそれ?」という方も登録しておくと間違いないプレイリストです。
Most Posted Artists by Hype Machine [3曲]
あらゆる信頼できる耳の早い音楽メディアで紹介されている音楽を、束にして厳選して提供してくれるのがHype Machine。
乱暴に言うと、100の音楽メディア(Pitchforkとか)を個別にチェックせずとも、濃縮還元されたプレイリストにたどり着くことができます。現在は有償サポーターに向けて完全版のプレイリストを共有しているようです。
Spotifyでは、3曲の抜粋版を定常的に更新されています。
・曲数:無償の場合3曲
・更新頻度:随時
Hot or Not by Submithub [30曲]
音楽制作者が相互に楽曲をレビューしあったり、音楽メディアやレーベルに楽曲を提出・評価・採用してもらうためのプラットフォームがSubmithub。
同サービスには「Hot or Not」という、提出楽曲を音楽制作者同士が
「イけてるかイけていないか相互評価する」という企画があるのですが、そのリアルタイムランキングが集計されるのがこちらのプレイリスト。
・曲数:30曲
・更新頻度:72時間
アーティストがアップした曲がピアレビュー(相互評価)された結果が、即刻反映される故のフレッシュさや、曲を作っている人による評価という視点のユニークさがプレイリストをユニークたらしめていると思います。
5年後、10年後のヒットメイカーが混ざっているなんてこともザラなのではないでしょうか。
2. レコードショップのプレイリスト
レコード会社ではなくレコードショップのプレイリスト。どちらにも個性・色はありますが、「自社に所属するアーティストを売る」という引力から比較的自由なのはおそらくレコードショップだというのがポイント。
BIG LOVE RECORDS [30曲]
noteにてピックアップされた楽曲を2022年の年間ベストとしてプレイリストに編纂されています。まだまだ出会ったことのないアーティストもてんこ盛りだったので、今後のプレイリストも楽しみです。
Phonica Recommended by Phonica Records [77曲]
厳密にはPhonica Recordsはレーベルも持っているようですが、素敵なプレイリストなので、含めることにしました。
ジャズ、ソウル、ハウス、テクノなどのジャンルを取り揃え、インディペンデントな音楽を紹介。以下はクラブでのプレイに特化したプレイリスト。
Rush Hour Store by Rush Hour [109曲]
Rush Hourは、1997年に創業したオランダのアムステルダムにあるレコードショップ。ハウス、テクノ、ジャズ、ファンクなど幅広いジャンルの音楽を取り扱っています。
特に、オリジナル盤やレア盤が多く取り揃えられているのが特徴で、自分たちのレーベルからも音楽をリリースし、世界中のDJたちから支持されています。オンラインショップも運営しており、世界中から音楽を購入することができます。そんなRush Hourによるセレクションが以下のプレイリスト。
・曲数:109曲
・更新頻度:不定期更新(最終更新は2022年7月)
Rough Trade Recommendation by Rough Trade [17曲]
1976年に創業されたロンドンのレコードショップ。インディーロックやポストパンク等々幅広いジャンルを扱う。
レーベルも運営し、バンドの発掘やプロモーションにも力を入れているので完全に視点はニュートラルではないかもしれませんが、新旧入り交ざる聴き応えあるプレイリストを提供。
・曲数:17曲
・更新頻度:毎週月曜(たまに遅延?)
3. 音楽メディアのプレイリスト
雑誌やウェブメディアの編集者が編纂しているプレイリスト。
ユーザーの視聴統計ではないので、各メディアの特徴が出やすいのが特徴。
何をピックするかによって偏りは生じるので、メディアの特徴・強みを意識する必要があります。
例えば、クラブミュージック、エレクトロニック・ミュージックにのはResident Advisor。ざっとみた感じ、一つのプレイリストを頻度高く更新するのではなく、プレイリストを量産してくれるタイプ。
参考までに、アジアにスポットライトを当てたものをピックしておきます。
繰り返しにはなりますが、Resident Advisorのプレイリストは一つを定期的にチェックするのではなく、ぜひ横に探索(別のプレイリストをチェック)してみてください。
Spotlight On Asian Artists by Resident Advisor [50曲]
・曲数:50曲
・更新頻度:おそらく更新完了(プレイリストが量産されるスタイルです)
The Best, Right. Now. by Before The Data [28曲]
HillyDillyなど2010年代にイケてる音楽メディアを運営していた人たちが立ち上げたのが新鋭メディアBefore The Data。
活動は一言でいうとこちら。
・曲数:28曲
・更新頻度:毎月
Charlie Tee's new stars of drum 'n' bass 他複数 by Mixmag [23曲]
Mixmagは、DJやクラブシーンを中心にハウス、テクノなどのジャンルをカバーしている音楽メディア。 1977年に創刊され、イギリスを拠点にグローバルに展開。
DJのインタビューや最新のクラブイベントのレポート、最新アルバムのレビューなどを提供しています。特に、ハウス、テクノ、グラインドコアなどのジャンルに精通したエディターが選び抜いた音楽を紹介することで、クラブシーンに精通したリスナーにとって魅力的なメディアとなっています。
Spotifyには、アーティストやDJを各ジャンルの案内役として招聘し、プレイリストを公開しています。
・曲数:23曲
・更新頻度:上記プレイリストはおそらく作成完了。同じ形態で、複数のジャンルのプレイリストが量産されていくスタイル
triple j Unearthed Best New Music by triple j [59曲]
オルタナティブミュージックに特化したオーストラリアのラジオ曲tripe jによるプレイリスト。Unearthedという名の通り「なんじゃこの才能は!?」という出会いに溢れています。
FlumeやChet Fakerのヒットに加速をつけたのもおそらくこの局。
・曲数:59曲
・更新頻度:2週間に1回程度
4. DJや音楽キュレーターが公開しているプレイリスト
DJのプレイリストたちがいいのは、それぞれに「個性・優れた嗅覚」があるにもかかわらず、「自分の曲を売り込むための曲が混ざらない」という点(仮説です)。
とはいえ、DJと見せかけて実はプロデューサー/トラックメイカーでもある、ってのはザラなので、そのプレイリストの特徴は把握する必要がありそうです。あと、本業がプロデュースだったりもするので、必ずしもプレイリストの更新頻度は高くありません。
Giles Peterson on Spotify
例えば、ロンドンのDJ・プロデューサーGiles Peterson。
・各種プレイリストは不定期更新
Disclosure's Record Bag by Disclosure [1,210曲]
プロデューサーでもあるDisclosureがDiscordコミュニティで募った楽曲たちを披露するプレイリスト。古今東西のダンサブルなものが集結していて興味深いです。
・曲数:1,210曲
・更新頻度:ほぼ毎週
5. レーベルのプレイリスト
音楽制作会社が作るオススメのプレイリストたち。リストアップしているもの以外にも、Warp Records、Domino Records、Kitsune、Sahel Sounds、Anjunadeep、Rhythm Section International、Soulection、Ninja Tune、R&Sなど数多くのレーベルがプレイリストを提供しているため、厳選が難しいのも特徴。
Vinyl Factory HQ playlist by The Vinyl Factory [23曲]
The Vinyl Factoryは、プレス工場や雑誌、アーティストやミュージシャンのためのキュレーターを兼ねるレコードレーベル。
Spotifyにはスタッフたちが愛聴している楽曲たちをまとめたプレイリストが公開されています。(リストには、自身のレーベルや姉妹レーベルのPhonica Recordsに所属するアーティストも含みます)
・曲数:23曲
・更新頻度:最終更新は2022年12月 *執筆時点
Elsewhere Winter 2022 by Elsewhere [32曲]
Elsewhereは、Yuko Zamaによって2018年設立されたUSのレコード・レーベルです。レーベルの目的は、アーティストの純粋な魂によって制作され、深い感動を与え、長い時間にわたって聴き続けたいと思わせる素晴らしい音楽を見つけ、リリースすること。
同レーベルはSpotifyにアーティストがキュレーションする形で複数のプレイリストを定常的に公開しています。(例: Kelvyn Colt )
下記は例外として、Elsewhereの名のもとに作成された季節のプレイリスト。
・曲数:32曲
・更新頻度:上記プレイリストは更新完了
Future Classic: Office Radio
FlumeやFlight Fascilitiesなどを擁するオーストラリアのレーベル。
自社オフィスでかけているラジオ(というコンセプト?)で、イケてる音楽を編纂しています。
・曲数:53曲
・更新頻度:不明
XL Play by XL Recordings [76曲]
1989年に設立されたイギリスのレーベルXL Recordingsによるプレイリスト。出自は、ダンス・ミュージックのレーベルですが、トム・ヨークやAdeleの作品がリリースされていることからも分かる通り、プレイリストのジャンルは幅広い。チームメンバーによって毎月更新されています。
・曲数:76曲
・更新頻度:毎月
Warp Selections - A Weekly Mixtape
UKの老舗レーベルWARPによるプレイリスト。毎週アップデートしてくれるのが嬉しいところ。
当初は電子音楽レーベルとしてスタートしましたが、近年はバンドでもなんでもユニークでエッジの効いたサウンドならジャンルを問わず集めている印象です。
曲数 : 30曲
頻度 : 毎週
その他、探索すると面白いSpotifyプレイリスト
音楽を探索している友人が公開しているプレイリスト
ご友人が公開されているSpotifyをチェックすると、音楽の発見のみならず、会話のきっかけにもなりますね。
その他Blendという機能もオススメ。
面白そうなフェスが公開しているプレイリスト
行く行かないにかぎらず、音楽イベントが公開しているプレイリストもその年、その季節が反映されたものに仕上がっており、聴き応えあるでしょう。
好きなアーティストが公開しているプレイリスト
自分が好きなアーティストが公開している、なるべくそのアーティストの楽曲でなく、そのアーティストの「お気に入り」が詰め込まれたプレイリストのことです。
もちろん、アーティストによって色が違うので、とっつきやすいご自身の好きなアーティストところから芋づる式にたぐり寄せていけば良いと考えます。
real good shit
Kygo: Palm Tree Picks
Asgeir's Listening To Now
番外編1. 音楽探索アプリを使う
Spotifyという範囲でタイトルをつけましたが、その外にも少し言及したいと思います。
たとえば・・・
古今東西の音楽を探索できるアプリRadiooooo
世界各国の1900年代から現在に至るまでの楽曲が集まっています。特に、キュレーターによる良質な選曲がなされているので、質はバッチリ。
詳しくは以下の記事をどうぞ
おわりに
以上、新しい才能、驚き、衝撃的な音楽に出会うための、最強のプレイリストのリストを作ってみました。
最後に、私自身のキュレーション(プレイリスト)も貼っておきますので、気になったテーマがあれば、ぜひフォーローのほどよろしくお願い致します。
Daydream Driver ~太陽が心地よい、ドライブのお供に~
Vocal Velvet ~ふと、足も手も止めて聞き入ってしまう美声を~
今後も更新・増強していきますのでよろしくお願い致します。
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