Dua Lipaの楽曲"New Rules"の制作プロセスをプロデューサーIan Kirkpatrickが解説
こんにちは。今年も各所で音楽を配信します。Minimal Orderです。
2022年、あっという間に2月です。
はじめに
今回は、マガジン「一流アーティストから盗む!音楽制作ソフト操作術」の企画で、Dua Lipaの楽曲"New Rulesをピックアップ。
同楽曲のプロデューサーIan Kirkpatrickによる制作プロセスの解説動画を抄訳してご紹介します。制作にはCubaseが使われているようですが、TIPSはソフトを問わずに活かせるものばかりでした。
題材の曲: Dua Lipa - "New Rules"
まずは今回の題材、New Ruleをどうぞ。
(ついこの間出たと思ったらもう5年経つのか。。)
楽曲制作の解説動画
チャンネルSol Stateの企画で2021年10月に公開されたのが、New Rulesの制作秘話。制作担当のプロデューサーIan Kirkpatrick本人が語っています。
Dua Lipa以外にもSteve AokiやChromeo、Ellie Goulding、Selena Gomezなどを手掛ける超引っ張りだこのプロデューサーです。
今回は、こちらの動画で触れられている内容をかいつまんで、気になったところを抄訳し、ご紹介します。
気になったところをいくつかピクアップ
ノイズは邪魔とは限らない
まず驚くのは、0:40あたりの話題。アコギを叩いてリズムの部品を作っているのですが、その際背後に「会話の音」が入ってしまうんですね。
でも、この会話をノイズとみなして取り直しとか排除しないんです。
むしろ、ビートを組み立てていくにあたって生々しい、人間味のあるアクセントとなるので、積極的に受容しています。
ビート加工の過程では、音を複雑に散らすエフェクトとして鉄板のクリスタライザーが登場しています。
SAUSAGE FATTNERの威力すごいな
2:20~くらいで、ベース音を野太くするためにエフェクトを使っています。それがこちらのSAUSAGE FATTENER。
耳馴染みだけはあったのですが、こんなにもわかりやすくインパクトがあることを初めて知って驚きました。
望む音を作るためには重ねまくることもある
3:15~あたり。欲しいシンセの音色に近づける為に、同じフレーズを複数のシンセで鳴らしたものを重ねています。
まさに音のミルフィーユ!
加えて、5:27~のパートでは再び音を重ねる話に触れています。
特に、なんとなくではなく「目的を言語化して各レイヤーの役割を決める」のって大事だなと思いました。
パートによってKickの音色使い分けている
New Rulesの制作では「歌が引き立つように」という意識が通底していて、随所でその工夫が垣間見れます。Kickの音色の使い分けもその好例でした(6:20~)。
これ、私自身うたモノの曲を作ったことがなかったので全然意識できていませんでした。「主役を引き立たせるために、各音色が適切に仕上がっているか」かつそれを「パートごとにも意識する」のはインスト曲でも大事なことだなぁ。
ドラムのフィルイン描画の緻密さよ
ドラムのフレーズをズタズタに切って、並べ替えたりしたものを9:38頃から紹介しているのですが、緻密さがすごい。
ただこの作業、DTMerにとってはめちゃくちゃ楽しいんですよね。
好みのフレーズができた瞬間はとても気持ちいいです。
オーバープロデュースには気をつけよう
曲の作り込み過ぎにはどう注意すればよいの?という質問に対する回答、「リスナーに情報を浴びさせすぎないように」というのは大事な視点だなと思いました。
さいごに
以上、今回はDua Lipaの楽曲"New Rules"を題材に、その制作プロセスと思考法をご紹介しました。
このシリーズは以下のマガジンに収録されています。今後も投稿を重ねますので、同様のテーマにご興味がありましたら是非フォローしてみてください。
出典
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