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カメラ選びと「GAS」。

今年も残すところあと2週間ちょっととなりました。今年もせっせとカメラ関連の散財をしてきました。新しいカメラを買ってしばらくの間は楽しくて満足するのですが、残念ながら完璧なカメラというのはこの世には存在しないようで、しばらくすると不満点が見つかり、その不満をどう解決するか、解決してくれるカメラはないものかと永遠と探し続ける毎日です。きっとカメラ好きの皆様も同じような経験をされたことがあるのでは?と勝手に推測します。

欧米のカメラ系YouTuberの間ではこの現象を「GAS」と呼んでいるようです。GASとは「Gear Acquisition Syndrome」の頭文字を取ったもので、和訳すると「ギア獲得症候群」となります。つまり、次から次へと新しいギアを買いたくてしょうがない心理状況を指します。そう、今の僕で、おそらくあなたのことでもあります(笑)。

これまで色々なカメラを使ってきてつくづく思うのは、1台で全てができるカメラはこの世にない!ということです。カメラメーカーはうまく住み分けをしており、他社と被らないような製品開発を上手にされているように思います。そしてそのマーケティングタクティクスの罠にまんまと引っかかっているのが僕です。

極論を言ってしまえば、日中の明るい時間帯に撮影するのであればカメラなんてどれでもいいと考え始めています。それはあくまでカメラから出てくる画に限定した話です。光がたっぷりある環境であればマイクロフォーサーズであろうがフルサイズであろうが十分鑑賞に耐えうる写真が(スキルとセンス次第で)撮れると思っています。

ところが、暗所での撮影だったり、動きものの撮影だったり、ボケ味やシャープさ、それこそ撮影体験のクオリティなんかに着目し始めたら最後、カメラ沼の口が大きく開き始めます。カメラなんかどれでもいい!とはいえず、散財生活の始まりとなるわけです。ご愁傷様です。

結局はどこで妥協するかを考えざるを得なくなります。例えば、

  • フルサイズが欲しい→重いのは我慢

  • 軽いカメラが欲しい→画質は妥協

  • 高画質なカメラがいい→高価格は仕方なし

  • かっこいいカメラを持ちたい→中身は二の次

といった具合になる場合が多いです。もちろん、これらに反するカメラが出てくることもありますが、どこかに何かしらの不満点が残されているのです。その理由はきっと一昔前のアメ車販売にまつわる考え方と同じなのではないかと思います。つまり、完璧なカメラを作ってしまうとそれ以外のカメラは売れなくなってしまうから、そういう製品は作らないということです。あえて壊れたり不満が残るカメラを作ることで次世代のカメラ産業の活路を残すことになり、カメラ会社存続の意義を作りだすことになります。なんだか腑に落ちない考え方ですが、資本主義社会では仕方ないのかもしれません。

最近になって僕がカメラ選びにつまづくときに考えるようになったのは「カメラよりレンズ」という点です。どんなにカメラが良くてもレンズがショボくては良い画は撮れないと思っています。また、使いたいレンズがあればそのカメラシステムに移行することも辞さない姿勢になりつつあります。

そこで冒頭の写真のレンズのお話になります。オリンパスのM.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PROレンズは僕が今持っているギアの中で最も気に入っているレンズの一本です。高い解像度、手ブレ補正の卓越さ、サイズ感、高倍率、防塵防滴性能など、今のところ不満がみつかりません。マイクロフォーサーズを使いたいからというよりはこのレンズを使いたいからマイクロフォーサーズシステムを使い続けています。このレンズは本当に買ってよかったです。おそらく今後も手放すことはないのではないかと現時点では思っています。現実では、です笑

このレンズには満足しているものの、Olympus OM-D EM-1 Mark IIIには100%満足してはいません。メニュー項目が使いにくかったり、バッテリーがすぐになくなるというのは我慢できますが、最も不満なのは高感度耐性です。フルサイズカメラの高ISO時のノイズ性能を知ってしまうとマイクロフォーサーズの高感度性能には満足できなくなります。明るいレンズを使うことである程度は改善するかもしれませんが、やはりフルサイズのシステムとの差はかなり大きいです。だからマイクロフォーサーズシステム以外にフルサイズも必要ということになります。ミニマリストには厳しい事実です。

かといってマイクロフォーサーズには他システムにはない利点が多くあると日々感じています。コンピュテーショナル性能や強靭な手ぶれ補正などがあげられますが、最たるものはやはり前述の12-100mm F4.0 IS PROレンズの存在があります。色々調べましたが、他システムでこのレンズのアドバンテージを上回れるものは未だ見つかっていません。

そんなこんなでGASを患った僕はマイクロフォーサーズのカメラボディをアップグレードすべきかどうか夜な夜なネットを彷徨うのでした・・・。OM-1 Mark II, LUMIX G9Pro2などにやや興味を示し始めています。マイクロフォーサーズの利点をカバーできる他システムはまだみつかりません。ああ、もぅ。



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