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ミニマリズムのすゝめ

ミニマリズムは何かを成し遂げるための手段であって、ミニマリズムが目的になってはならない。

私の中のミニマリズムとは、何かを最大化するために何かを最小化する手段だと考えている。もし、ミニマリズムを目的としてしまったら、ミニマリズムを達成した後には何も残らなくなってしまう。
何かを最大化するために何かを最小化するとは、例えば、「本を読む時間を確保(最大化)するために、物を少なくして片付けの時間を減らす(最小化)」ということ。

エッセンシャル思考という本では、「より少なく、しかしより良く」という言葉が紹介されている。
ミニマリズムの本質をついていると思う。

ミニマリズムという思想はもともと、芸術の分野が起源であり、2010年頃から海外でミニマリズムを生活に取り入れたミニマリストとという生き方が広がってきたそうだ。

具体的に、ミニマリストになることのメリットとデメリットについて私なりの考えをまとめてみよう。

ミニマリストのメリット

1. お金と時間に余裕が生まれる

まず、自分にとって必要最低限のものだけで生活できるようになるため、買い物が減ることで支出が減り、お金に余裕が生まれる。
また、買い物をする時間や、物をメンテナンスする時間も減り、結果的に自分の時間が増える。
そして、不用品を売ることで手元のお金も増え、無駄な物にお金を使ってしまっていたという気づきも得られるだろう。

時間とお金についてーー
学生の時は時間は無限にあり、対してお小遣いは少なくお金は有限という感覚があったと思うが、実際は

時間は有限であり、お金は無限である。

お金は無限というのは、自分の行動次第でいくらでも増やせるという意味で、対して、時間は1日24時間と皆等しく限られている。

街中では、ほとんどの人がスマホ片手にゲームやSNSに時間を浪費しているのではないだろうか?
例外として、ゲーム開発やSNSで得た情報を仕事で使うなど、自分の影響の輪の中で行動していれば時間を投資している場合もあるかもしれないが、自分の影響の輪の外の関心の輪ばかりに注力している人が多いのではないだろうか。

影響の輪と関心の輪の話は、7つの習慣という本でも紹介されているが、私たちが注力すべきなのは影響の輪の中の事がらのみである。
自分が影響を与えることの出来ない関心の輪の出来事、例えば、新型コロナウイルスの感染者の数や日々のニュースにばかり目を向けていると、反応的になり、主体性を持って物事に取り組めなくなるだろう。

少しミニマリストの話から脱線してしまったが、企業広告や周りの人が勧めている(関心の輪)からと言って必要のないものに時間やお金を費やすよりも、自分にとって必要なもの(影響の輪)にフォーカスして生活をしていく方が、金銭面でも時間の面でも余裕が生まれるのではないだろうか?

2. 空間的にも精神的にも余裕が生まれる

これは自分にとって必要なものだけで生活するため、部屋にゆとりが生まれ、空間的にも余裕ができる。
Appleストアに行ったことがある人なら分かると思うが、Appleストアの陳列も物と物の空間を意識しており、開放感を感じられるように設計されている。

また、物が減ることで精神的な余裕も生まれる。これは、視覚情報が減ることで判断する回数が減り、決断疲れが減るからである。

人は1日に3.5万回も何かを判断していると言われている。
例えば、着る服を自分の一番お気に入りの服のみに厳選してそれを着回す(私服の制服化)ことで、毎朝の判断が減り、本当に必要な判断にエネルギーを注げるだろう。

最近はスマートフォンでも電車でも外を見渡せば、ニュースや広告などの自分にとって必要のない情報(いわゆるノイズ)を目にすることが多い。
人の多い場所に出かけた時にどっと疲れるのも、決断疲れの一種と言えるかもしれない。

ただでさえ、外はノイズで溢れているので、せめて家の中はノイズを減らして、ゆとりのある生活を取り入れてみてはいかがだろうか?

ミニマリストのデメリット

1. 良いものを追求しすぎることがある

これは一見、物を減らすと矛盾しているように聞こえるかもしれないが、少しでも自分の生活の質(quality of life:QOL)をあげるために、時間とお金を使い込んでしまうかもしれない。

実際、私自身もQOLを追求しすぎるがあまり、無駄な買い物をしてしまったことが何回もある。
だからこそ、次買う時はより慎重になる。
このフィードバックを繰り返していくことで、自然と上手な買い物の仕方を習得できるかもしれない。

2. ごく稀に手放して後悔することがある

物を手放すことで、後で必要になる物がある時があるかもしれない。しかし、私の感覚的には100個手放したうちの1個あるかないかくらいの頻度だ。
手放してしまっても、必要になれば買えば良いだけで果たして、使うかどうかわからない物のためにスペースを確保して家賃を払う必要があるだろうか?

手放したら手に入りづらい、比較的高額な物やアルバムなどの思い出のものは、触れてみてときめくかどうかで判断して、どうしても手放せないものは一旦、一時保管箱などに入れて、定期的に見直してみると次第に手放す基準が分かるようになると思う。
この、ときめくかどうかを手放す基準にする方法は、後述する近藤麻理恵さんの本に詳しく書かれているので、是非一読をおすすめしたい。

前の項と重複するところもあるかもしれないが、手放して失敗したとしても、金銭的なダメージは大きくなく、むしろ手放す基準がハッキリしてくるのではないだろうか。

3. おすすめの書籍など

 ・ エッセンシャル思考
    断る勇気を持って、大事なことにフォーカスしよう。より少なく、しかしより良く。エッセンシャル思考の例としてクローゼットの片付けを挙げており、分かりやすい一冊。選択肢を捨てるかどうか迷ったら、また、お金を払ってでも欲しいかを基準に考えてみると良い。

 ・ 7つの習慣
    人が主体的に生きる上で必要な7つの原則について書かれた名著。特に影響の輪と関心の輪について考えるだけでも、迷った時の判断基準になると思う。反応的な人間にならず、主体性のある人間になろう。そして、最優先事項を優先する。当たり前の事であるが、最優先事項が10個も20個もないだろうか?

 ・ 手ぶらで生きる
    ミニマリストのしぶさんの著書。もともと物が多いマキシマリストだった著者がどうしてミニマリストになったのかが書かれている。好きではなく大大大好きな物を選ぶ。好きでも嫌いでもない物で囲まれるより、大大大好きな厳選した物に囲まれて暮らす方が気分も上がるだろう。

 ・ 人生がときめく片付けの魔法
    アメリカでKondoという動詞が作られたほど、片付けの影響を与えた近藤麻理恵さん著書の本。片付けはカバンなどのスモールスペースからと言われる中、家の中全てを一気に片付ける、いわゆるショック療法的な片付けをおすすめしている。ときめく物たちだけに囲まれて生活するのは、とても楽しいことですよね。

 ・ 月10万円でより豊かに暮らすミニマリスト整理術
    私が一番、影響を受けた、ミニマリスト Takeruさんの2作目の著書。1作目は人生論の話で2作目は片付け方法や思考法について書かれている。どちらも非常に参考になるが、お部屋をキレイにしたい方は具体的な手法が書かれている2作目の方が読みやすいかもしれない。毎日、2本Youtubeに動画を投稿されているので、興味がある方は是非。

 ・ News Diet
    ニュースで報じられる99%は、あなたが影響を及ぼせる範囲外のことである。こちらも、7つの習慣と同様に、自分の影響の輪の中の事柄に集中しようと主張している。ニュースは私たちを受け身にし、世の中に無関心になる。一見、逆の様に思われるかもしれないが実際、ニュースを見る事で自分の無力感を感じてはいないだろうか?一度、ニュースから離れることで得られた時間を自分の影響の輪の中に活用してみてはいかがだろうか?

 ・ デジタル・ミニマリスト
    こちらもNews Dietと同様にSNSがもたらす影響について述べられており、SNS依存を脱却する具体的な方法が提案されている。物だけでなく、情報も断捨離したい方は一読をおすすめしたい。

物が少ないだけがミニマリストではないと思う。ある人にとっては必要のない物が別な人にとっては必要な場合もある。自分なりになぜミニマリストになりたいのか、目的を明確にして、自分なりのミニマリズムを追求していきたい。

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