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船旅から帰ってきた女の子
みなさんこんにちは、ミニマリストのKAZです。
365日リュックひとつで世界中を旅しながら、日々身軽な暮らしを探求しています。
さて今回は「船旅から帰ってきた女の子」と言うテーマでお話していきたいと思います。
僕は22歳の時、世界一周の船旅に出かけ、はじめての世界一周を果たしました。そのおかげで船を通じてたくさんの縁に恵まれました。その出会った人達というのは、船の中で出会った人達はもちろん、これから船に乗るという人達も多くいました。
今回紹介するのは、まさにこれから乗船しようとしている1人の女の子。
彼女はKさんと言いました。
Kさんとはコールセンターで知り合いました。そのコールセンターは「世界一周の船賃を稼ぐ!」という名目で集められた特殊な空間だったのですが、みんな目的が同じなだけにすぐに仲良くなれました。
僕はそのコールセンターのすぐ近くにアパートを借りていたため、そのメンバー達がよく遊びにきたものです。なぜならそのアパートは「超」がつくほどの極狭アパートで、壁を含めて4畳しかありません。みんな来る度に面白がっていましたね。
Kさんも一度だけ他の友人と一緒に遊びにきたことがありました。しかしその時に彼女は僕の部屋を見てこう言ったのです。
「私にはこんな狭い部屋、絶対住めない!」
そりゃそうでしょう。こんな狭すぎる部屋、普通なら発狂します。刑務所よりも狭いですからね。荷物だけで部屋が埋まってしまいかねません。Kさんの意見こそ、ごくごく普遍的なものでしょう。
しかしその時には、僕はすでにリュックひとつのミニマリストになっていましたから、全然問題はありませんでした。(あ、ちなみにその部屋に2人で住んでいました笑)
話題は調理器具に移りました。この部屋にある唯一の調理器具は、底の深いフライパンひとつ。コーヒーなどのお湯沸かしはもちろん、パンを焼いたり、鍋をしたりとあらゆる調理をそのフライパンでこなしていました。そしてその半年間、一度だって不便に感じたこともありません。
しかしKさんは続けて「料理で使ったフライパンでコーヒーのお湯を沸かすのが無理!コーヒーに匂いが付いちゃうじゃない。」と言っていました。
そう言われた時はじめて「ああ、そういう考えもあるのか!なるほど、一理ある。」と思ったくらい、すっかりミニマリズムにどっぷり浸かっていました笑。
(ちなみに文字に起こすと棘のあるセリフに見えるかもしれませんが、嫌味さは全くありません。信頼関係が築けている上での会話なので、Kさんとは最後までとても楽しい時間を過ごしていました。)
そんなやりとりがあったすぐ後に、彼女はとうとう世界一周の船旅に出かけて行きました。僕よりもずっと前からコールセンターで頑張り、念願の世界一周の切符を手に入れた彼女を心から尊敬し、素敵な船旅になりますようにと強く願ったものです。
そしてそれから時はすぎ、約100日間かけて船は無事に戻ってきました。途中トラブルはあったものの(よくあること)、みんな漏れなく満面の笑み。その顔を見ればどれだけ充実した船旅だったのかが十分伝わってきます。そしてそこにはKさん姿も。
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