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平和とは何か

「平和とは何か」とは、ずいぶんと大きな問いですが、たまにはそういうことを考えてみてもいいんではないでしょうか。ま、年末ですし。

辞書による「平和」の意味は、「戦争や紛争がなく、世の中がおだやかな状態にあること」(広辞苑)となっています。

ちなみに、平和構築活動をしている非営利団体、International Alert の定義によると、「平和」とは、

  • 暴力の恐れや脅威を感じることなく、また、立法上のみならず実際の生活においても、いかなるかたちの暴力も容認されることなく、すべての人が安全に暮らせる。

  • すべての人が法の下において平等であり、司法制度が信頼でき、公平かつ効果的な法律が人々の権利を守るべく機能している。

  • すべての人が政治的意思決定に参加することができ、政府が国民に対して責任を担っている。

  • すべての人が、豊かな暮らしに必要な基本的なもの(食料、清潔な水、住まい、教育、医療、適切な生活環境など)に公平かつ平等にアクセスできる。

  • 性別、人種またその他のアイデンティティに関わらず、すべての人が、就労・生活する機会が平等に与えられている。

と、このような状態を指します。

平和と言うのは、築き上げるもの

International Alert による定義にならうと、平和というのは、要するに、基本的人権が侵害される恐れがなく、そして、その実現のために、国家が正常に機能し、尽力している状態、と言えます。

とすると、世界各国、現状を見回してみると、「平和な国」といえる場所はかなり少ない気がします。

あと、たとえ平和な国・地域であっても、そこに住むひとりひとりの個人レベルでは、心配事や苦難にあって、心の平安がない、という人も多いかと思います。

さらに言うと、「平和よー、心配ごとは別にないしー」と思っている人も、実は現実を直視せず、問題を看過しているだけ、という可能性もあります。

なにも悲観的になれ、と言っているわけではありません。むしろ、悲観論は建設的な言動をさまたげることのほうが多いので、良くありません。

認識すべきことは、戦争がなかったら平和、というような、そんな単純なものじゃないということです。

もし、現在、自分は内的・外的に平和な状態にない、と感じているなら、何が問題かを見据えて、改善に向けて行動する必要があります。

一方、自分は平和な状態にある、と思えるなら、まずは、その恵まれた状態に感謝しましょう。そして、平和でない国や地域、また、心の平安を欠いている人々に、何をしてあげられるかを考えましょう。

平和を実現する働きの一端を担うには、なんらかの行動を要します。

"It isn't enough to talk about peace. One must believe in it. And it isn't enough to believe in it. One must work at it."(「平和を説くだけでは充分ではない。人は、それを信じなければならない。そして、信じるだけでは充分ではない。平和のためには実行しなくてはならない。」)

エレノア・ルーズベルト (Eleanor Roosevelt: 第32代アメリカ合衆国大統領フランクリン・ルーズベルトの妻で人権擁護活動家)の言葉です。