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日本の韓国報道がおかしい

世界のあちこちで選挙続きなので、今回もまた選挙の話題です。
韓国で大統領選挙が行われましたね。

私はイギリスに住んでいるので、どうしても欧米のことに関心が向きがちで、正直言ってアジアのことはあまり知りません。

でも当然のことながら、結果はニュースを通して知っています。次期韓国大統領は、文在寅(ムン・ジェイン)氏に決まりました。さしあたっては、妥当な方が選ばれたんではないでしょうか。

英語圏のニュースによると、
英ガーディアン紙:「ムン氏は、自由主義・実利主義者として知られている。北朝鮮を脱した難民の長男として生まれたムン氏は、韓国の現代史において重要な役割を果たしてきた人物であると言える。」

ロイター通信:「彼はリベラル派の人権派弁護士であり、ライバルである北朝鮮には、対話による穏健政策を提唱している。」

イギリスBBC:「北朝鮮にたいしては、必要な政治的圧力や経済制裁は維持しつつも、南北の平和に向けて、北側との対話を促進させる意向である。」

アメリカCNN:「ムン氏は、かつて二つの韓国の関係改善に多大な成功をおさめた『太陽(温情)政策』を強く支持している。これをうけて、(トランプ政権のアメリカに対し、武力行使を示唆してきた)北朝鮮は、ムン氏の勝利にあたって、すでに態度を軟化し始めているとも言われている。」

とりあえずは、さいさきの良いスタートなんじゃないですか?むろん、政治と言うのは、選挙に勝った後にどうやっていくかが問題なので、すべてこれからですが。

日本では海外ニュースが歪曲されている

で、ついでに、直近の日本の報道もいくつか目を通してみました。

日本のメディア(一部ですが)は、ムン氏を評して、「左派」「従北」、あるいは「反日」とか。

...は? 一体だれの話をしてるんでしょうか、日本のマスコミは。

日本国民の多くが現地のニュースや英語の報道を読まない(というか読めない)からといってナメているんでしょうか。

あるいは、そもそもメディアに従事する人々や、まと外れな解説をしているいわゆる「専門家」たちはみんな、現地の言葉(この場合は韓国語)や、グローバル・メディアでは必須である英語をまったく理解していないんでしょうか。

ましてや、「反日」とか。自意識過剰もそこまでいくとヤバいです。

それって、たまたま忙しくて眼中に入っていなかったがゆえに、うっかり挨拶するのを忘れただけの友人を相手取って、「あいつは俺のことを憎んでいる!」と騒ぎ立てる、ちょっとイタい人と変わりません。(そして、そういうイタい人は、かならず友達を失います)

もうね、ほんとに情けないんですよ、日本のマスメディア。

おのれの無知・無教養を棚に上げといて、欠落した倫理観と低いプロフェッショナリズムで適当にまとめた報道をするの、いい加減にやめてもらえませんか。

国際社会と日本のあいだのギャップが、どんどん広がっているような気がしてなりません。