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日本の医療ってすごいと思う
今月の初めに日本に帰省して、入院している両親を見舞った時につくづく感じたのは、日本の医療の素晴らしさです。
「医療」とひと口に言っても、それが医療システムを指すのか、医療業務に従事する人達なのか、はたまた技術・施設、ひいては内科か外科か、などによって違ってくるかと思います。
あと、歯科医療はまた別です。日本の歯科医療についてはいろいろと問題があるように思うので除外です。まぁ、これはそのうち書くとして今回は省きます。
一般論は禁物なので、あえて限定するなら、私の両親が入院している病院の4階(何科か忘れた)で従事しておられる方々、とくに、私の両親を担当して下さっている医師、看護師、介護士、理学療法士の方々です。
つーか、限定しすぎだし。
いっそ実名をあげて個人的にお礼した方が早いような気がしますが。
仕事へのコミットメントがすばらしい
認知症がやや進んでいた私の父が、肺炎で総合病院に担ぎ込まれたのは数年前です。今年の夏には、母が心不全を患い、日曜日に救急車で運ばれました。
両者とも、偶然同じ医師にかかったのですが、この先生が、救急医療に命を懸けているような人で、土日もたいてい出勤されているらしく、姉に言わせると、「病院に住んでるんじゃないかと思う」ぐらいだそうです。
いまは両親ともに、病室は違えど同じ病院にいるわけですが、看護師と介護士の方々の働きぶりには頭が下がります。ある意味、医者よりもコミットメントと忍耐を要する仕事なんじゃないかと思います。
無事にカテーテル治療を終えた母は、リハビリの真っ最中なのですが、この指導に当たって下さっているリハビリの先生がまた素晴らしい。
全くやる気をなくしている母を、見事なくらい上手に促して、毎日リハビリ室に向かわせて下さっています。理学療法士ってコミュニケーション能力も大事なんですね。
熱心に働いて下さっている彼らをみて、尊い仕事だなぁとつくづく思いました。
どこで老い、どこで死にたいか
私は幸いイギリスで病院のお世話になるような大病をしたことはないですが、将来、歳をとった時のことを思うと、「日本国籍を捨てた=日本の医療をうけられない」ことに若干の不安を覚えます。
日本の医療滞在ビザを取得して、なおかつ高い治療費を払う覚悟があるなら不可能ではないみたいです。でも、もともとは日本人なのに、外国人としての手続きを踏まねばなりません。
一方、もしイギリスで入院するようなことになったら、周りの患者はとうぜん現地の人々であり、病院食も現地の物です。その環境においても、私は結局「外人」にすぎません。
医師や看護師と英語でやりとりするのは、今は問題ないですが、歳をとったらどうなるかわかりません。第二言語のほうが先に衰えますから。
なので、「定年後は日本を脱出して海外移住」をもくろんでいるとか、もしくは、いま海外在住で、その国に帰化しようとしている人がもしいたら、考え直したほうがいいんじゃないでしょうか。
日本の医療に匹敵するものは、外国ではなかなか得られません。
もちろん、日本の医療が今後どうなるかはわかりません。
でも、望郷の念というのは突如芽生えるものですし、生まれた国で死ぬのが、一番幸せなんじゃないかと思う今日この頃です。