女性の生き方を考えるはなし
山本周五郎さんの小説に『笄(こうがい)堀』があります。石田三成の大軍が、忍城(埼玉県行田市)を攻める話でございます。この話はのちに『のぼうの城』の小説、映画としても有名になったのでございます。
『笄(こうがい)堀』では、城主の妻、真名女(まなじょ)が城を守ったということでございます。山本周五郎という作家らしいではございませんか。
城主は歴戦で勇士と共に留守をしている忍城は、わずか三百の兵です。城を守るのは、城主の妻の自分だけ。残っている兵士は実戦に乏しい、しかも老兵だけな