インディアンのおばあさんたちが 語り継ぐ伝説

素敵な古い伝説をご紹介します。

古い伝説にこうあります。

ある日、森で大きな火事がありました。

とても激しい火だったので、動物たちはみんな恐れて
四方八方へ逃げて行ってしまいました。

あるとき、ジャガーが頭の上をハチドリが飛んでいるのを見つけました。
しかし、ハチドリは火のほうへ飛んでいきました。

しばらくして、ジャガーは、またそのハチドリが、
今度はジャガーの進行方向と同じ方向に飛んでいくのを見ました。

ジャガーはこの行き来を観察し、この鳥の行動がとても奇妙に思えたので、その鳥に聞いてみることにしました。

【ハチドリ、何をしてるんだい？】と彼は尋ねました。

【湖まで飛んでいって、くちばしで水を飲んで、それを火に投げて消しているんです 】と答えました。

ジャガーは笑いました。

【お前、正気か？その小さなくちばしだけでこの大きな火を
消せると本気で思っているのか？】

【いえ、無理だとわかっています。】とハチドリは言いました。

【でも、森は私の家です。
森は私を養ってくれるし、私と私の家族に避難場所を提供してくれます。　　　　　　
それはとてもありがたいことです。

そして、私は花に受粉することで、森の成長を助けています。
私は森の一部であり、森は私の一部なのです。

火を消すことはできないけれど、
自分の役割を果たさなければならないのです。】

そのとき、ハチドリの話を聞いていた森の精霊たちは、
この小鳥の森への献身的な姿に心を動かされたのだそうです。

そして、奇跡的に豪雨を降らせ、大火災を終わらせたのです。

インディアンのおばあさんたちは、
この話を孫に語り、最後にこう言ったそうです。

【あなたの人生に奇跡を呼び寄せたいですか？
　それなら、自分の役割を果たしなさい。】

そして、この話の教訓です。

【私たちの誰もが、
　自分一人の力で何かを変えることはできません。
　
　しかし、私たちはこの世界の一部であり、
　自分の役割を果たさなければなりません。
　
　もし私たちが献身的にそれを行えば、
　奇跡を起こすことができます。
　
　もし私たちが一緒にやれば、
　そのような奇跡が起こる可能性は限りなく高くなります。
　
　私たちは共に多くのことを成し遂げます。】