降級したあなたへ
麻雀プロのメインの活動はプロリーグです。
これはもしかしたらそうではない人もいるかもしれませんが、ほとんどの麻雀プロがそうだと思います。
以前の記事でも「麻雀プロとはなんですか?」という質問の答えは、各々の麻雀プロの中に正解があるものだと書いた通り、全ての麻雀プロには当て嵌まらないかもしれません。
しかしながら麻雀プロである以上、競技で腕を競い合い結果を出すというのが本分だという見解はおおよそ間違ってはいないでしょう。
麻雀プロはどんどん増えていて、僕が所属している日本プロ麻雀連盟では現在A1リーグからE3リーグまで13段階ものリーグがあります。
A1とA2は1年で10節以上。Bリーグ以下は半年で5節の対局を行います。
プロリーグに参加している選手は全員、A1リーグを目指して対局しています。
そしていずれは鳳凰位決定戦に出場し、鳳凰位になりたいと思っているのです。
だからみんな最短の道のりを逆算してみたり、目標達成期間を過ぎてしまい萎えたりしています。
基本的に半年に1度しか変動しないこのリーグ戦で、昇級はおろか残留すらできず、降級してしまったらどうなると思いますか?
簡単に説明しますね。
控えめに言って、死にたくなります。
だってそうでしょう。
いつかは自分もAリーグという夢の舞台で戦えると信じて、リーグ戦だけでなく日常さえも麻雀という競技を中心にして生きていたりするわけです。
最短でも3年以上かかるなとか、5年以内にAリーガーになれたらいいなとか、そういうことをほぼ全員が本気で考えているわけです。
目指すは昇級、最低でも残留したいと思って戦うんですよ。
降級なんて意識しなきゃいけない位置にはいたくないし、降級なんてしてしまったものならAリーガーまでの逆算が大きく狂ってしまうわけです。
何のために生きてるんだろうって、普通に思う瞬間ありますよ。
初めて降級を経験したのはプロ7年目のB2リーグでした。
打ちひしがれましたね。
まじかよと。
俺は調子が良ければ1年でA2リーグに上がれる可能性がある位置にいたのに、またあの魔境のようなC1リーグに落ちるのかと。
めっちゃ頑張ってレベル上げしてこれでラスボスのダンジョンもいけるだろうと思って復活の呪文をメモって、次の日学校から帰ってきてさっそく復活の呪文入れたら1文字間違ってて昨日の3時間にも及ぶレベル上げが全てパー。
みたいなドラクエ2で味わったあの時の焦燥感が半年バージョンでやってくるようなものなのです。
これ若者には全然伝わらないんだろうなぁ。
スマホ機種変して超課金したソシャゲ引き継げなかった時の焦燥感でいいよ、若者への例えは!それです!
で、それから何年もプロ活動を続けている現在の僕は、今期C3リーグを降級して来期からD1リーグになります。
昇級も降級も何度も経験しました。
降級してもなんだか平気なような気さえもするほどに、それにも慣れてしまいました。
そんな自分にまた自己嫌悪しては、自らを鼓舞して奮い立たせるという作業を何年も繰り返しています。
降級したらまずするべきこと
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