冥土のみやげにMinneapolis 2
小さいリンゴたち
「ミネアポリス」って声に出して言ってみてください。「ネアポ」のところにアクセントを置いて発音していませんか?なんとなく。
日本にいる間はずっと、別に困っていなかったのです。Minneapolisって、本当はどう発音するのか知らなくても。
ですが、アメリカに行くと通じないのなんの。カタカナで「ミネアポリス」って言っても全然分かってもらえません。何か伝えたくても、そんな基本の「キ」みたいなところでつまずいてしまって結構へこみました。
では「mini apples」。この英語を声に出して読んでみてください。できたら英語っぽく。「Minneapolis」と言いたいときは、たぶんこんな感じで通じます。「ミネアポリスのダウンタウンに行くには、どうしたらよいですか?」と聞きたかったら「小さいリンゴたちのダウンタウンに行くには、~?」って聞けば、きっと大丈夫です。ちょっと怪しいかもしれませんが、少なくともカタカナで「ミネアポリス」って言うよりは数倍マシなはずです。
一度目のMinneapolis旅の途中で、ぶらぶらとスーパーマーケットのおみやげTシャツみたいな売場を見ていたんですね。そうしたら、このTシャツを見つけました。
ニュートンが万有引力の法則を見つけたときみたいな気分でした。
それからあとは、臆することなく「mini apples」と口にすることで、いろいろな場面を切り抜けました。(ってほどたいそうな話ではないのですが)
実をいうと、Minneapolisが通じなかったことよりも、何がショックだったか?というと、「プリンス」が通じなかったことです。日本で話しているときは、「PULINSU」って発音してるじゃないですか。
でもPRINCEというつづりをよくよく見てみると、まず「P」の後に母音がないので、最初は声にならない子音だけの「P」。次に「R」ですが。常々思っていたことがあって、日本の小学校でローマ字を教えるからいけない気もするのですが、らりるれろ、ってRよりLの方がいいと思いませんか?考えてみると英語の「R」って、限りなく母音に近いですよね。母音って何?って聞かれたら、a,i,u,e,o,rって答えてもいいくらい。だから「RI」のところも「リ」って言うよりは「イ」なのかな、と。で、あとは「ン」はそのままでよしとして、「CE」のところも、「SU」って言わずに、子音だけで「S」。
これを理詰めでやろうとすると、大好きな人の名前を呼ぶだけなのに、うまく言える気がしなくて躊躇してしまいます。
MSP国際空港に着いて、いざ!参らん!とばかりに、さっそうとレンタカーのカウンターに行きました。国際免許証とパスポートを見せたら、日本の免許証も見せるように言われて、その辺りは会話もスムーズ。日本の免許証を眺めながら、レンタカーオフィスの人が「あ、知ってるよ、この平成〇〇年、とか書いてあるの。日本ってエンペラーが代わると、ここのところも変わるんだろ?」とか英語で言われても、ちゃんと分かる。「そうなのよー、よくご存じですね!」的に返答までしたり。
「ところで、日本から何しに来たんだい?」わたしは、得意気に答えました。「プリンスのイベントがあるから、そのためにミネアポリスに来たのよ。」って。
ここでつまずいたわけですよ。「ミネアポリス」と「プリンス」が通じなくて。
最終的には、「PRINCE」って紙に書いて伝えました。そうしたら、「Oh!Prince!」って。
わたしこんなに長年、大好きな人の名前もろくに言えてなかったのか?と呆然としました。
Princeの曲に、その名も「My name is PRINCE」というのがあります。
このフレーズをそのまま連呼している歌詞なのですけど、それを脳内再生して思い出しながら、四の五の考えずに、感じたままに「PRINCE」って言えばいいかな。
実はまだ、あんまりうまく言えないんです。わりと勢いが大事なのかな。