日本本土四極踏破

「日本本土四極踏破証明書」をご存知だろうか。
 その名の通り、日本本土の「最北端」「最東端」「最南端」「最西端」の四極を踏破した者だけに与えられる証明書である。小さな証明書を4つ集めて初めて一枚の大きな証明書になるという、言ってみれば“ドラゴンボール”のような営みを日本の国土相手に行うということだ。

 2017年夏、この四極踏破に挑んだのが、神奈川県に住むみによん氏だ。彼のブログでは、計画に始まり、DAY1からDAY11までのドキュメンタリーが描かれている。

 まず特筆すべき点は、自動車での移動以上に船での移動が多い点だ。自動車ごとフェリーに乗るのだが、11日のうち、船内泊が5回も含まれている。なにせ、神奈川からの出発である。東西南北どの端部に行くにも、自動車では本州を縦断しなければならない。みによん氏はまず、神奈川から東京に出て、フェリーで北九州へと向かう。船の全容や乗船手続き、船室の内景などがつぶさに記録されている。さらには船から見える大海原は絶景だ。

 最初に踏破するのは、最西端だ。日本本土の最西端は、長崎県佐世保市の神崎鼻にある。九州の東側、新門司港に到着するやいなや、自動車を走らせて九州を横断し、西の先へ。到着した神崎鼻公園では「日本本土最西端の碑」が待ち受けていた。

 続いて向かうは鹿児島県肝属郡にある最南端・佐多岬だ。同じ九州だが、薩摩半島から大隅半島へとフェリーで移動し、最南端を踏破したあと夜には大阪へと発つハードスケジュールだ。最南端の地ではアクシデントにも見舞われるものの、なんとか踏破。詳細はブログを是非読んでほしい。

 最北端はもちろん、北海道にある。またしてもフェリーで九州を出ると、大阪、舞鶴での乗り継ぎを経て、小樽へと向かう大移動だ。フェリー内の部屋にあるテレビでは、航路や現在地を確認することが出来る。乗り継ぎの地、舞鶴では空き時間を利用して出掛けた小旅行のカルガモが、なんとも微笑ましい。

 小樽から最北端への道のりは、最短ルートではなくなるべく海沿いを選んで走る。日本本土最北端の地は、北海道稚内市にある宗谷岬だ。鹿の待ち受けていたノシャップ岬を経て、宗谷岬で最北端を踏破。残すは最東端のみだ。同じく北海道に最終目標地点の最東端がある。

 最東端の北海道根室市にある納沙布岬へは、雨の北海道を走ってゆく。出発から9日目にして、みによん氏は「日本本土四極踏破」を達成した。帰路も含め、計11日の旅であった。

 ここで紹介した旅行記は、概要にすぎない。みによん氏自身が撮った写真とともに綴られる旅の記録を、ぜひ読んでみてはいかがだろうか。

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