頑張れるうちに頑張りたい

就職して音楽を再開したのは「病まないようにするため」だった。
週に1日残業しない日を使って練習に行っていた。それができなくなったので、週末活動している団体に入った。
それでも結局病んでしまったので転職をした。
心身ともに余裕が生まれた。

余裕が生まれると欲が出てくるもので、あれもこれもやってみたいと思うようになった。
そんな中で、様々なご縁のあった昨年。色々な人と話して、自分の中の世界が少し広がった。

学生時代一緒に部活をしていた友人が全国大会レベルのバンドに所属した。
話を聞いて、少し羨ましくなった。
去年までの自分にはできなかったけれど、今の自分ならできるんじゃないかと思った。

学生時代に拾いきれなかったものを拾いたくなった。

いわゆる強豪校にいたわけですが、挫折と劣等感にまみれた4年間で、一応全国大会に出たことはあるけれど、話し合いの場で耳の痛くなるほど聞いた「教育的配慮」でしかなかった。本当は削れるなら削ったほうがいい、周りのお情けだけで舞台に立っていた。

ちゃんとメンバーの一員として、舞台に立った。そういう実感が欲しかった。

趣味の場も仕事の場も自分の1.5〜2倍程度の年齢の方々だらけで、やたらと人生を考えるようになった。今の私はそんな周りのおじさん達よりも思考回路がおじいちゃんだと思う。
私の楽器は重いし肺活量もそこそこ必要なので、あと何年吹けるんだろう、と考えることが多くなった。(なお、そのことをおじさまにお話ししたところ体力つけなさい!とのお叱りを受けました……笑)

今の私ならできるんじゃないか。今なら頑張れるんじゃないか。頑張れる時に頑張りたい。
そう思った。
ちょうど区切りのタイミングがあったので、今まで入っていた楽団を退団した。ネガティブな理由も数えきれないくらいあるけど、そんなポジティブな理由を言葉にできるようになっていた。

もちろん他のやりたいことができなくなるのもわかっている。
去年初めて参加して、人見知りすぎていつも同じ楽器の数人としか話せなかったマーチングバンド。メンバーの方々と何回か共演(及び酒を酌み交わす)中でその時よりも仲良くなれたから、参加したら去年よりももっと楽しい時間を過ごすことができると思うけれど、ちょうどピークが重なるので、しばらくは出られないだろう。
他にも去年誘ってもらった演奏行事に同じように参加することができるか、という点で迷いはあった。

今の私が1番やりたいことはどれだろう、迷ったけれど、やっぱり頑張りたいと思った。

あの頃と違って、もしそれで挫折しても、選択肢は沢山ある。それは決して逃げではなく、ただ楽しむことを求めることだとも思う。
新たな一歩。もうすぐはじまる。

当面の目標は「自分のことを下手くそと言わない」です。ついつい言っちゃうので……。