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っぱカミキリムシよ。
カミキリムシ、かっけぇ~~~~~~~~。
なんならカブトムシより好き。クワガタとかどうでもいい。時代はカミキリムシよ。
今年の夏だけでカミキリムシには4回も遭遇した。その内2回はムッスメたちと虫取りに行った時に捕獲したんだけど、何故か二匹とも地面をトコトコ歩いてた。散歩流行ってんのかな、カミキリムシ界隈。
そんなカミキリムシの何が良いって、まずはパッと見た時の華やかさ。ゴマダラカミキリなんて遠目に見ても「おっ?」っとなる。黒を基調に白い斑点を散らした背中。反して腹部は夏の空を吸い込んだように青い。いいねぇ~。青っていうのが特別感ある。他に青い虫なんてシオカラトンボくらいしか思いつかない。ルリボシカミキリはもっと青いけどレアすぎるからピンと来ないし。
そうそう、触角が長いのも良いよね。身体の大きさに対して明らかにデカすぎる触角。大剣背負ってるみたいでカッコいい。触角と武器とちんちんはデカければデカほど良いとされている。これは学界でも証明されてるはず。
そして何と言ってもカミキリムシの魅力は目。悪のロボットのような、はたまたダークヒーローのような鋭さを称えた目付き。
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バッタなんぞよりもよっぽど仮面ライダーっぽさがある。カッコいい。いつまでも眺めていられ……いややっぱちょっと怖いな。夢に出そう。あんまりアップで見るのやめるわ。
うーん、そう考えるとカブトムシは意外とキュートな顔面してるな。
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ベビーフェイスから繰り出される圧倒的なパワー。やだ、これがギャップ萌えってやつ? 私ちょっとカブトムシさんのこと誤解してたかも。良ければ今夜二人きりでお食事でもどうですか……?
ちょっと待って。そこで七色の輝きを放っているのはタマムシ? え、クワガタムシさんなんですか!?
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お名前は? ニジイロクワガタ? 素敵、名前の通りの妖艶な輝き。こんな輝きは見たことない…これに比べれるとゴマダラカミキリさんの体色はカスや。
やだもー、カブトムシさんもクワガタムシさんも思ってたより素敵。一体誰と付き合えばいいのかしら? 迷っちゃ~う♡
そんなお悩みを抱えてるアナタにおすすめのゲームがこちら!「カブトクワガタ」!
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はいここまで全部前座! カミキリムシとか知らん! 今日はこのゲームを紹介するぞ!
本作は二十年ほど前に爆流行りした「甲虫王者ムシキング」のプロデューサーと、天下のコロコロコミックが手を組んで送り出した昆虫RPG。ニンテンドースイッチのダウンロード専用ソフトとして今年の3月にリリースされた「低予算ゲーム」である。なんかもうこの時点で雲行きが怪しい。
~あらすじ~
主人公はカブトムシやクワガタムシが大好きなガキ少年。ある日、登校途中に公園の木に止まっていたオオクワガタを発見。学校なんぞそっちのけで捕まえようとしたのだが、なんとその木は巨大昆虫と人間が共存する異世界に繋がるワープホールだった。
異世界ではこのところ、突然凶暴化した虫たちが暴れ回って人間に危害を加えていた。ガキ少年は「虫使い」となって、世界を救うために虫たちと戦うことになるのだった。
既にツッコミどころが多いのだけれど、まだまだここからである。なんとこのゲームはフルボイスなのだが、その全てが合成音声。一部ではゆっくり劇場と呼ばれているらしい。
しかもセリフだけでなく説明文も全て読み上げるし、そもそもテキストやセリフも「翻訳ソフトでも使ったんか?」という微妙な日本語がたまに出てくる。
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そして肝心のゲームシステムだが、基本的な流れは2つ。
まず1つは「凶暴化した虫たちとの戦闘」
虫たちは「ご神木」と呼ばれるクソデカ樹木に集まる習性があり、プレイヤーは最初に配布されるコクワガタを駆使して虫たちと戦い、倒すことで仲間にしていく。まるでポケモンみたいだぁ。
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「ご神木」にはいくつか種類があるのだが、最初のご神木に現れるのは「カブトムシ」「ヒラタクワガタ」「ノコギリクワガタ」「コクワガタ」「オオクワガタ」「ミヤマクワガタ」の6種。
それぞれの種ごとに「つよき」「れいせい」「ちょうわ」の3つの性格が固定で設定されており、その相性を活用することで有利に試合を進めることができる。
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……のだが。ここでもツッコミどころが満載。
ご神木は古代の伝説にあるユグドラシルを思わせるほどにデカい。プレイヤーは地上から木を見上げる形で虫を探すのだが、発見するや否や枝の上に瞬間移動してバトルに移行する。どうやって登ったん?と言いたいところだが、これはゲームシステム上の都合だろうとぐっと堪えておく。俺は大人だからね。
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だけど周囲に一定数のギャラリーが集まってるのはどういうことなんですかね?
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こいつら本当に凶暴化した虫に困ってんのか? もはやバトルを娯楽として消化してやがるだろ。鉄骨渡りを眺める金持ちもビックリである。
肝心の戦闘はルーレットで敵より多い数字を引いたらダメージを与えることができるという方式なのだけれど、HPは5段階で表示されてるのに、実際のところは2回攻撃されたら負けである。なんで5つもゲージ作ったん? 景品表示法詐欺か?
そしてカブトムシもクワガタも関係なく全ての昆虫のモーションが共通なので、角を使って持ち上げたり顎で挟み込んだりなどと言う事は一切ない。基本的な攻撃方法はたいあたり一本。ここにもポケモンへの熱いリスペクトを感じる。
更にはフィニッシュ時、つまり二回目の攻撃時には性格に応じたエフェクトと効果音が発生するのだが、その効果音があまりにも汚い。例えばれいせいタイプなんかは、隣でスマホいじってたヨッメが「水っぽいウンチでもしたん?」と発言するほどの汚さだった。ブジュジュジュジュジュジュジュジュワーン!!!!!
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なんかもうここまででお腹いっぱいといった感が否めないが、まだ付き合ってもらう。ここからは2つ目の大きなシステム、「交配」について説明していこう。
本作の虫たちはそれぞれオスとメスが存在しており、同種類の雌雄を揃えることによって卵を産むことができる。産まれたる子供は与えるエサによっては親よりも強い個体になるため、このブリーディング要素はゲームクリアのためには必須と言っても良いだろう。
しかし問題がひとつ。交尾をさせると女性キャラが「オスとメスが、こうびしました」というテキストを読み上げ、あろうことか2匹が肌を重ね合う現場が大々的に映される。
そう。なんとこのゲーム、カブトムシやクワガタムシの公開セックスを視聴することができるのだ!!!!!!!!!!!!!!!
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そしてこれまでは触れずにいたが、このゲームはグラフィックだけはガチで、昆虫マニアの中にはそれを目当てに購入する人がいるほどだそうだ。
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そんなリアルな虫たちがキシキシ動いている映像は、飲酒していた初プレイ時こそ「おいヨッメ見ろ!!!!!! カブトムシが立ちバックしてるぞ!!!!!」と最低のセクハラをしながら爆笑する余裕もあったが、素面でプレイしてる時はなんとも言えない気まずさを覚えた。
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そしてグラフィックが良いのは成虫だけに限らない。そう、幼虫のグラフィックもガチなのだ。いくらカブトムシやクワガタが好きだと言っても、イモムシに酷似している幼虫を見るのは嫌だという人もいるだろう。しかしこのゲームはそんなのお構いなしとばかりに超絶美麗グラフィックで再現した幼虫を画面いっぱいの大きさで堂々と見せびらかしてくる。正直ちょっとキツい。
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しかもその幼虫が成長する過程でウンチをするのも絶妙にキモい。
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もりもりウンチをしながら大きくなっていく様はリアルではあるのだろうが、プレイしてる人間はそんなところにリアルさを求めてないと思う。ウンチ見て喜ぶ奴いるか? いや、いるかもしれんな。近年の多様化する性癖に対応していて偉い。
そんなこんなで低予算ぶりを発揮しているカブトクワガタ。伝説的作品ムシキングの続編を希望していた一部界隈の人たちからは大ヒンシュクらしいのだけれど、むしろ「低予算ゲーム」であることを加味しながら遊ぶと面白みが感じられる。ガバガバ戦闘システムも、逆に言えば難しいことを考えずにささっと手軽に遊べるので、手慰みにプレイするのには適していると言えよう。
何より、定番のカブトムシや少年時代に憧れたオオクワガタ、そして王者ヘラクレスオオカブトを戦わせることができるのは素直に楽しい。通常24種に加え、DLCもご用意されている。8/16日まではセールで割引されているので、虫が好きな人ならば買ってみてもいいのではなかろうか。
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まあ俺はこの日記書いたら満足してもうプレイしないだろうけどな。そもそもそんなに虫好きじゃないし。
おわり