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忍者ラブレター

時は室町。
親友の悩みを聞いた俺は思わず大きな声を出した。
「何?姫のことが気になってるって!?」
『ちょ……声が大きいよ!』

俺は頭を抱えた。
なぜよりによって、今晩攻め入ろうとしている殿の娘なのだ………。

親友曰く、お互い素性を隠して話をしているうちに恋に落ちたとのことだ。どうしたらいいことやら。


「お前、今から恋文を書け。それを攻め入る前に、姫の部屋に入れておくんだよ。お前はいつも会う場所に行っておけ。姫が来れば2人で逃げろ。来なければ……打ち首…かな?」
半分冗談だが半分本気で言った。できたら親友にこれで考え直してほしい。そう思っている自分がいた。

『分かった!何としても姫に想いを伝えるんだ!』
あぁ、親友の火をつけてしまったようだ。

攻め入る1時間前。俺は屋敷に忍び込んだ。
姫と親友の恋が上手くいきますように…。
親友の恋文を結んだ手裏剣を力いっぱい投げた。

おしまい

「忍者 ラブレター」だとこれが真っ先に思いつきました。
きっと姫と照れ屋忍者くんの恋は上手くいったことでしょう。

中学時代の先生がボランティアで外国に行った時のことを話してくれました。
その国の人は、「日本には今も忍者がいるんでしょ!」と聞いてきたそうです。
先生は、昔はいたけど今はいないよ、と答えると、「日本人はそのことを隠してるんだ〜!」と信じてくれなかったと言っていました。

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