ショートショート とある朝
ピピピ…
スヌーズ機能で何度も睡眠時間を延長させる。
あぁ、起きないといけないけど。
5〜6回目のスヌーズ、もう少し……。
「そろそろ起きないとだよ」
“ある人”に声をかけられた。
家にはいるはずのない人だ。
しかし私は慌てずにその声に返事する。
わかってるんだけど…。
重たい体に力を込めて起き上がる。
本当だ、早く準備をしなきゃ。
準備をしながらぼーっと声の主を思い出す。
亡くなった父の声だ。
おばけ?私の夢?幻??
別にどれでも構わない。無事に起きれたんだから。
たまにこんな感じで会えるのも悪くない。
とある朝。は今朝の話。
父が亡くなって3ヶ月ほどで父の声を忘れ、私はショックを受けた。
15年以上経って今朝の声の主が父のだとなぜわかったのかは謎である。しかし父だという根拠のない確信があった。
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