タオル忘れた事件
最近ふと思い出した出来事、
『タオル忘れた事件』
……もうこれで事件の内容がわかるかもしれないが、
侮ることなかれ。
と、少しハードルを上げた状態で始める(笑)。
高校生の夏休みに
オーストラリアへ2週間ホームステイした。
父が亡くなって1ヶ月しか経ってなかったので、
参加するか少し悩んでいた。
しかし、折角面接等に合格したのだし、
次の年行ける保証もない。
中学入学時から興味があったこの機会を諦めるべきでないと考え、参加することにした。
最近知ったことだが、母曰く、出発時、私は泣きそうな顔をしていたらしい。
“連れて帰らないといけないのか”とも思ったとか。
そんな顔したかな?と思っていたが、
おそらく父を亡くしたばかりで、母と妹を置いて
外国に行くことに対して、少し申し訳ない気持ちや心配な気持ちが入り混じってたんじゃないかなと思う。
事前にどんな家族の家に行くかは文字情報で知ることができた。
私がお世話になるのは、女の子4人と男の子1人とご両親の7人家族か。ペットが犬3匹・猫1匹・魚・
ひつじ?・たくさんのニワトリ…??
すごく大きなお家なのかな?
どんな子なんだろう、仲良くなれるかな、
っていうか、私の英語通じるかな?
いろんな期待と不安が入り混じった気持ちだった。
森林の中にぽつんと1軒のお家。
ホストファミリーはみんな優しく、私が時々電子辞書を使いながら英語を話すのも見守ってくれた。
学校は父が亡くなったばかりということをホストファミリーに伝えてたみたいで、
「お家に電話したくなったらいつでもしていいよ!」とまで言ってくれた。
優しいファミリーに囲まれて、私は思いっきり2週間を楽しんでいた。
かなり慣れた頃、私はお風呂に入っていた。
ちゃんとバスタブを洗って、さぁ出ようっと!
あ、あれ?
タオルが、なーーーーーい!
寝坊したり、ジュースこぼしたりという失態をしていたけど、一番やらかしてしまったことだった。
え、どうしよう、部屋まで取りに行く?
でも廊下通らないといけないよ?
さすがにホストファミリーの家とはいえ、
他人の家で素っ裸で廊下を走るのはヤバいやつだ。
私はヒーターをつけた。
夏休み中のホームステイ、
つまりオーストラリアは冬である。
寒い、寒い、このままじゃあ死んじゃうよ…
私は意を決して
Mom!!
と叫んだ。
同性なら「あらあら」で片付くだろう。
そう思った。
しかしMomはリビングにいないのか
聞こえていないのか、返事をしない。
何度も叫ぶ。でも返事なし。
えーーー、どうしよう!!
次に出た言葉は
Help!!
だった。
お風呂場の近くは、一番上のお姉ちゃん(10代)か
唯一の男の子(10代)の部屋だ。
恥ずかしい想いをするかもだけど、
風邪を引くよりマシだ!
へーるぷ!へるぷ!!へーーーるぷ!!
私は夜中叫びまくった。
すると、
“○○(私の名前),what's up?”
「○○、どうしたの?」一番上のお姉ちゃんだ!
私はすぐに
“I forgot towel in my room!!”
「タオルを部屋に忘れた!」と答えた。
素っ裸を見られたくなくて、予め電気を消していて真っ暗だったが、うまく英語は伝わったようで、
“OK, I'll take it!”
「わかった!取ってくるわね!」
という言葉が聞こえ、タオルが私の元にやってきた。私は今までにないくらいThank youを言いまくり、事なきを得た。
あーー、助かったー。
ちなみにMomはその頃、自室で眉のお手入れをしていたらしい。
その後、お風呂に入ってきまーすと言うと、
“Don't forget towel~!!”
「タオル忘れちゃダメよぉ〜!」
という声掛けがなされた(笑)
高校生で家族の元を離れて
異国の地へ2週間滞在したというのに、
印象深い思い出はこのことだったりする。
でもこういう思い出こそかけがえのない思い出に
なるのではないかな。
ホストファミリーのみんな、元気かな。
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