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母校の制服と地理とナンバープレート

仕事帰りの電車。
たまたま母校の制服を着ている女の子を見かけた。
あれは高校生だな。
※ミンチョンは中高一貫校卒業

その女子高生の近くの席が空いたので座る。
女子高生たちは地理の話をしていた。
「眠くて寝ちゃうんだよね。折角先生がおもしろそうな覚え方教えてくれてるのに、復習しようと聞いたら、みんな寝てたって言って覚えられないの。」

私は地理が得意だった。
先生の教え方が独特で、常に色鉛筆を使っていた。おそらくビジュアルで覚えるのが私には向いていたのだろう。断捨離時に地理のノートは捨てれず、まだ部屋にある。
語呂合わせも1つだけ覚えている。
安保理の拒否権を持っている国、5カ国。
イギリス、ロシア、フランス、アメリカ、中国
各国の漢字を当てはめて覚える。
「英露仏米中:エロ仏、ご飯中。」
仏教の学校がこんなことを言ってはいけないが……と先生が前置きをしたのまで覚えている。
この先生と同じ先生の話してるのかな?

話は変わり、別の先生の話をし始める母校のJK。
固有名詞が聞こえてきた。
「“生物のY先生”ね。優しいけど(時間割変更で) 3時間連続はキツイよね〜」
知っている名前だった。
中3の時に新任でやって来た先生だ。
私は生物をY先生に教えてもらってない。
しかしY先生は高等部テニス部の顧問をしていて、 中3で女子キャプテンをしていた私と接点があった。

そんなことを思い返していると、あぁーーー!と叫びそうな出来事を思い出した。

中学3年生の記憶がフラッシュバックした。

日曜日午前、クラブの練習があった私を父が迎えに来た。
テニスコートから見える駐車場。父の車を私は見つけた。午後から用事があったんだっけ。

着替えて父の車へ行こうとすると、父は車から降りて、玄関にいた。そして急に質問される。
『ミンチョン、あそこの車、どの先生の車だ?』
「え??あーY先生の車だよ。」
『すぐ呼んできて!先生の車ぶつけてしまった!
見た感じ大破ではなさそうだが、心底ビックリした。父の運転はピカイチだからだ。

「あの、私の父がY先生の車ぶつけたと言ってます!」
何て嫌な報告だ。これから気まずくなるではないか。もちろんY先生は驚きとショックが混じった表情をしている。

父・Y先生・私は駐車場へ急いだ。
車をよくよく見る。私がパッと見てもどこにぶつけたかわからなかった。
父は言う。
『駐車するためにバックしてたら、先生の車に近づいているのに気づかず、ぶつけてしまいました。修理代は払わせていただきますので、請求していただけますと……』
中学生の私は気づく。父、カッコつけてないか
娘の前とはいえ、もっとペコペコ謝ってよ……。

Y先生は破損箇所を見る。
ちょうどナンバープレートのところだった。
昔はスピードメーターに引っかかり、ナンバープレートが写真に撮られても映らないようにカバーが売っていた。透けているんだけど、色がついている。
※今はこれをつけてはいけないです。
それが割れているだけだった。

Y先生はそこが割れているだけだから取っちゃえば良いだけですね。と笑って答えていた。
中学生の私は思った。これで先生はスピードを飛ばすことができない。学校の先生だし、スピード飛ばしちゃダメだもんね、なんて考えていた。
この事件以降もY先生は、普通に接してくれた。

15ぐらい離れている母校の後輩と私の共通点と、古い記憶が交錯した帰り道だった。
この後母と妹に話すと、驚きもせず普通に覚えていた。

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