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おばあちゃんと甲子園

初盆のお参りの日。
ちょうど父の母校が甲子園に出場していた。

私の母校ではないけど、都道府県対抗だと、出身の県を応援したくなる。甲子園のおもしろい所だと思う。

祖母が「それなら一緒に見よう」とテレビをつけた。おばあちゃん・叔母・母・私と4人で見る。
父が生きてたらこんな風に見てただろうか。

おじいちゃんに阪神の試合をたくさん解説されたことで、おばあちゃんは野球のルールがわかるらしい。
私も観てるうちにわかるようになってたっけ。

試合は父の母校がエラーをいくつかしてしまい、点を取られてしまう場面がちらほらあった。
なぜか親のような目線になってくる。
「わーー、だめよ、しっかりキャッチするのよ!」
そう私は呟いていた。

すると、おばあちゃんはとんでもないことを口にする。

ほら、ボール落とせよ。落とせよぉ〜。

なんと相手チームのミスを願っているのだ。
しっかりキャッチすると、あぁ、落とさなんだよ……。と少し残念そう。
「おばあちゃん、それはダメだよ。」
突っ込んだけど、何度も願っているおばあちゃんに思わず笑ってしまった。

なんと試合は9回終了で同点、タイブレークとなった。11回で試合が決まり、残念ながら父の母校は負けてしまった。

途中ねったまくんじゃんけん(ABC放送のみ)で遊んだり、初盆のお参りに近所の人が来たりしながら見た甲子園。
こんなお盆も素敵だなと思えた。

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