助手席の異世界転生 #毎週ショートショート
母は偉大シリーズしてたら忘れてしまいました。。
1日遅れですが、更新します。
『うぉい!あいつ割り込みやがって!お前クラクション鳴らせよ、それでもオレの娘か?』
現在、助手席の異世界転生現象が起きている。
ずっとペーパードライバーだった私。
母が体調を崩したのをきっかけに、少しずつ運転すると決意した。
少し緊張を和らげよう。
そう思って私は助手席にクマのぬいぐるみを置き、シートベルトをさせた。
すると、くまのぬいぐるみに10年前亡くなった父の魂が宿ったらしい。
父の運転は上手かった。
苦手な山道でのエンジンブレーキのタイミングは的確に教えてもらい、少し自信がついた。
が、父は下手な人には厳しく…。
『おいおい!まただ!あいつ!!クラクション鳴らしたろ!』と“クマ”は助手席から手を伸ばし始めた。
「お父さん、今それやったらあおり運転で訴えられるよ!」
『あおってんじゃねぇよ!指導してやるんだよ!』
訴えられるのはこの“クマ”じゃなく、私なのだ。
私はクマの手を抑え込む。
この攻防のおかげもあり、私の運転はすぐ上達した。
ちょうどこのテーマが発表された時、「アシが大事だ」と考えさせられました。
そしてあおり運転が問題になった時に、妹と
「父が今生きてたら捕まってたね。」
なんて話をしてました。
父はムチャな運転を見ると黙ってられない様子で、よくクラクションを鳴らしまくってました。
「もう、やめてよ!」と母と私は恥ずかしかったのを覚えてます。
幅寄せとかそんなことはしなかったですが、クラクションを鳴らしまくることで、逆にあおり運転の被害を受ける可能性もあります。
来年は10回以内でもいいから、運転をしていきたいです。そして心に余裕を持って運転したいものです。