風邪引きの修学旅行
ここ最近鼻がムズムズして仕方ない。
くしゃみもいつもよりも多い。
のどは痛いが、熱はないし食欲はあるから
花粉症か軽い風邪だろう。
困った。来週は店のイベントがある。
来週の休みは遊びにだって行くのだ。
そろそろ準備とかしないといけないのに体が本調子ではないとは……
またか。嫌だぞあの体験は。
私は高校生の時を思い出した。
私は中高一貫校に通っていた。
当時は中高6年間で1回の修学旅行。
中学の時に修学旅行はなかった。
その代わり高校1年生の時にまとめて長期間、
5泊6日北海道に行くことになっていた。
前もってみんなで北海道のことを予習。
自由行動の場所を決めたりもした。
前日に忘れ物がないかチェックし、
いつも通りに布団に入った。
修学旅行当日の朝。
私は風邪を引いていた。
いつもよりも早くに目覚めた。
のどが痛い、耳も痛い。どうしたものか。
もう1回寝たら治るかもと2度寝してみた。
が、効果はなく、母に報告した。
「えー、風邪ひいたぁー?」
ある意味、期待通りの返事。
母はすぐ父を起こし、担任の先生に連絡した。
父は家にある薬を用意し、(父は医者だった)
「これ、食後に飲むこと。」
と薬を渡された。
この機会を逃したら2度と修学旅行に行けない。
中学生の時から楽しみにしていたのに休んでたまるか。その想い一心で集合場所へと向かった。
到着して担任の先生からひとこと。
「一旦北海道に行ったら、帰りたいって言っても
途中で帰れないからね。だから無理しちゃダメだよ。」
その注意事項は準備の段階でも聞いていた。
そんな運悪く体調崩す人なんていないでしょー
とバカにしていた自分を恨んだ。
始まってみれば楽しいもので。
休むことなく参加した。
網走刑務所とか乗馬体験とかアイヌ民族の話とか
全部大いに楽しんだ。
バスガイドさんのクイズなどにも
積極的に答えていた。
しかし、ついにダウンしてしまう。
最終日の前の晩、私は40℃の熱を出した。
同室の友人が私の体温の熱気を感じたらしい。
「ん?離れてるのに熱を感じる!」
と担任の先生を呼んでくれた。
熱を測ると40℃……
保健室の先生の部屋に連れて行かれた。
担任の先生に促されて薬を飲む。
飲み込む時にのどが痛い、耳も痛い。
熱が下がる気配がしない。
明日で帰れるのに…
担任の先生が
「今日まで全部に参加して偉かったよ。
バスの間も盛り上げてさ。」と言った。
そう、全部楽しかった。
でもそれは担任の先生がいろんな人に働きかけて
私が負担にならないようにサポートしていてくれたからだ。もちろん知っていた。
自分自身でもセーブしたつもりだった。
それなのに思いっきりダウンした。
すごく楽しい。
あぁ、しんどい。
北海道さいこー!
迷惑かけちゃったなぁー。
いろんな感情が駆け巡る。
高熱も相まって私は泣いてしまっていた。
担任の先生は体をさすりながら励ましてくれた。
最終日の朝。グループで自由行動の予定だった。
しかし私は保健の先生に連れられて病院へ。
点滴を打つことになった。
まさか、北海道に来てまで
点滴を打つことになるとはなぁ。
点滴が終わる頃にはこんな風に冷静に考えれるようにまでなっていた。
途中からグループに合流し、自由行動の続き。
そして帰路につく。
無事最後まで修学旅行を乗り切った。
中高6年間の唯一のイベントに風邪を引いていたなんてと思うけど、強烈な思い出になったに違いない。
………だが!
もう2度とあんな体験はしたくない!
おいしいもの食べて、薬飲んで
早く寝て、1日でも早く治さないと!!
と思う今日この頃でございます。
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