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旅先で「おねだん以上に得るものはあるのか」を探求した話。

先日書いたこの投稿が好評なので、3日目4日目の旅程を書いてみます。

3日目は鳥栖のビジネスホテルに泊まり、国立博物館やうなぎの寝床、REPUBLICによる久留米絣のリサーチレポートが展示されていた広川町役場を駆け足で巡り、大宰府のBATH HOUSE DAZAIFU へ。

ディレクションが入ると見え方が変わる好例。

素晴らしいレポートで、見本として置いてある冊子も欲しくなるデザイン。なのに売ってない…!
行政が絡むプロジェクトだから?無料で観れたことはありがたいが、この感謝の気持をどこでPAYすれば…と若干戸惑ってしまった。


相変わらずキャプション仕事が細かい、うなぎの寝床さん。
九州国立博物館では、土器の美しさに圧倒された。

それにしても、今回の旅行を企画するにあたり、一番困ったのが宿だった。
お盆真っ只中且つ急な思いつきだったので、温泉旅館やちょっと気の利いたスモールホテルは満室だったり価格が高かったり。
私的には蒸気屋に泊まることが一番の目的だったので、唯一予約の取れた日を主軸に計画していった。
我が家の構成は夫婦+小学生1人。添い寝扱いはもう難しく、ベッド(or布団)は3つ必要。こうなると一気に選択肢が狭まってくる。
日本の宿はなぜ2人までの客室構成が多いのだろう。今の今までファミリー層は無視され続けてきたのだろうか。
平成までは「家族旅行は旅館の和室」という思考停止状態が続いてたんだろうが、もうそうはいかない。平均的な家族構成もライフスタイルも目まぐるしく変わっている。大きな投資が必要な業界なので、なかなか変わるには時間がかかりそうだけど、なんかうまいことブレイクスルーしてほしい。
ちなみに、鳥栖のビジホはダブルベッドとシングル2段ベッドの組み合わせになっていた。


前段が長くなってしまったが、3日目の自分的メインはBATH HOUSEだ。
東京のswimsuit department の姉妹店で、地域柄九州の古物が多いとのこと。

ここで経験したかったのは、「予約制のお店での体験」だ。
よっぽどのことがない限り、予約制のお店を予約して伺うことはない。という方が多いと思うが私もその一人。
なにか買わないといけないよな~とか、どこまで滞在していいんだろう?逆に気まずかったらすぐに帰っていいのか?とか気になることが多すぎて…。
でも、昨年京都のHSという住所非公開且つ完全予約制のお店に伺って、予約制のハードルが下がった。
じっくり話をしながら商品を見て、選ぶのが純粋に楽しかったのだ。
他のお客さんがいないので、ちょっと突っ込んだ話もしようと思えば出来る。
お店の方も、「面倒なトラップ」をくぐり抜けて来た客ということで、いらっしゃいませの時点で既にオープンマインドだった。

ただ、サンプルが1店だと正確性がないので、今回ずっと行ってみたかったswimsuit(BATH HOUSE)を予約したというわけ。

結論から言うと、BATH HOUSEでもいい体験ができた。
来店日程を決めるDMのやり取りにタイムラグが有りハラハラしたが、無事伺えることとなり、これまたオープンマインドで迎え入れてくださった。
お店も、「欲しいものがなかったらどうしよう」的な不安はすぐに払拭される品揃え。

夫と子供は無関心で、入口の燕の巣を観察していた。
小鹿田焼オンパレード。私は右の壷を購入。

swimsuitもBATHHOUSEも予約無しで行ける日も設定されているので、あっさりコミュニケーションで行きたい人は開放日を選んでいけばいい。
ただ、予約して伺った時のあのゆったりした時間の流れは開放日にはなかなか体験出来ないのかもしれない。
ちなみに、買ったものはまぁまぁの値段だったが、あの(自分たちのためだけの)時間込みだと思うと余裕で安いと思える。

自分がお店を営むとすれば、自社商品を売るだろうから、自社商品をつくる業務も並行して続けていくことになる。
自分の働き方にフィットするのは予約制だろう。
受け入れ側としてどういうことを大切にしていけばお客さんの満足に繋がるのか、それが毎回となるように精度を高めるにはどうすればいいかうっすらとわかってきた。
とはいえ、まだサンプル数2だ。
今後もいろいろな予約制のお店を訪問したい。

そしていよいよ最終日。
この日は親のわがままにさんざん付き合ってもらった息子が主役の日。
朝からキッザニアの列に並ぶ。

数日前までリサーチ無しで挑もうとしていたキッザニア。
たまたまポロッと友人に話をしたら「あそこほど綿密な計画が必要な遊び場無いで!」と警告を受けたので、移動の車中で必死にキッザニア体験記のブログを読み漁る。
細かいオペレーションは本題と関係ないのでひかえるが、確かに友人の言う通り、親のお膳立てありきで事が進んでいく施設のようだ。

それにしてもキッザビアの仕組みを知れば知るほど、と感心通り越して感動を覚える。
キッザニアについて知識がない方はビジネスモデルだけでも是非調べてみてほしい。
簡単に書くと、キッザニアは企業スポンサーが施設内のブースを提供し、子供たちはその企業が提供する職業を体験できる施設。
つまりキッザニアは、企業からも利用者からもダブルで収益を得ることが出来、スポンサー企業はキッザニアへの出資を通してブランドの認知度向上や社会貢献が出来るということ。
そして子どもたちは「ごっこ遊び」を超えたリアルな体験を通して働くことをポジティブに学んでいくことが出来るのだ。


基地局を街のどこにどんな風に建てるか計画を立てる仕事。マニアックだけど大事!

三方よしもええとこ

うっかりこれらの情報を頭に入れぬまま行っていたら、こどもは適度には楽しめただろうが親(自分)の印象はよくない上に無駄に疲れて終わっただろう。
入場料はおっと思う金額だったが、いろんな意味で親も学べたし十分に元は取れたと思える体験だった。

3日目4日目は多くの諭吉が私の元を旅立っていったが、その分得るものはたくさんあった。
遠い昔になるが、新婚旅行で1泊10万の旅館に泊まった時も近い気持ちになったことを覚えている。

「ここまでなら払える」を超えた先に、もしかしたら自分が知りたい世界が広がってるのかもしれない。
また、自分の限度を上げさせてくれる熱量の高い買い物体験とは何なのかをもっと突き詰めたい、そう思った旅であった。

改めて、前編はこちら。

岩崎のおしらせ

✓ 風景をつくっていく野良着SAGYOというブランドやってます。

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