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ワイン造りの冬

山野峡の魅力の一つに、四季がはっきり分かるところということがあげられる。3日あれば山の色はが変わるし、川の水の色も季節で変わる。ぶどう栽培は環境の影響を受けるので、気温、降水量、日照時間のバランスがすごく大切。

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ありのままでいたいというのは、人もぶどうも同じ。美味しいぶどうから美味しいワインとは思うがその通りにいくシーズンはないかもしれない。それは東日本大震災での辛い経験で記憶に刻まれた。どんなに頑張っても大自然の中で人の営みは一瞬で流され削り取られた。自然の中に自分たち人間は生かされているのだと実感した。

昨シーズンは収穫前の2週間も雨が降り続き、ぶどうが腐ってワインになるのか分からない状態にまでなった。

雨の中立ちすくむ僕に、隣の畑のおじいちゃんは

「これが百姓よ」

と声をかけてくれた。全てを受け入れ、その中から学べというメッセージだったのだと思った。

どうすればありのままの自分を表現できるのか。山野のぶどう達の味わいをワインにしていけるのか。冬の時期はそんなことを考えながら一つひとつ作業をしていく。

ぶどう樹の剪定

壊れた溝の補修

日当たりを考慮して枝の誘引を修正

施肥設計

施設の保全

など

春までの大切な休眠期。人もぶどうも自分を見つめ直す時間にしていきたい。

耕作放棄地冬

次回へつづく・・・



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