海外の生涯学習
(1)ユネスコが提唱するEFAの意義は何か
教育を受ける(学習する)という営みには普遍的な価値があり、先進国であろうと途上国であろうとどこに住んでいようと変わりないという思想に基づいている。
(2)ヨーロッパ連合の生涯学習政策の特徴は何か
ヨーロッパ連合は(EU)は、1995年の教育白書『教えることと学ぶこと―学習社会に向けて』を刊行して以来、着実に生涯学習政策を推進してきた。
『学習:秘められた宝』が提示した学習の4本柱を政策として具現化し、世界に先駆けて実施してきた。
知識基盤社会の進展というラディカルな社会的潮流によりグローバルな競争社会が醸成されつつある中で、持続的に自己を開発・充実させていかなければいけないため、知識基盤社会への対応がクローズアップされている。
2000年の「生涯学習メモランダム」による問題提起が出発点になっている。
このようにEUでは、統合に内在する論理を踏まえつつ、「知識基盤社会を生き抜く人材の育成」と「共生社会の実現」を目指して、数々の政策が採られてきた。一見すると、方向が矛盾するように見える2つの政策は、実はEU統合に内在する論理によって統合され、ダイナミックな形に姿を変えている。「知識基盤社会を生き抜く人材の育成」と「共生社会の実現」は、日本社会も直面している課題であり、EUの政策は、日本の取り組みにとって参考になるものである。
(3)アジアの生涯学習政策の特徴は何か
近年、アジアでも政府主導で生涯学習の推進に力が入れられている。東南アジアでは、現在、タイ、ベトナム、インドネシアを中心に、多くのコミュニティ学習センター(CLC)が接しされている。コミュニティ学習センターとは、日本の公民館に類似した、市町村以下の小さい規模の集落単位に設置された地域の社会教育施設である。こうした施設が、東南アジアを中心に世界的に広まってきている。
<参考文献>
笹井宏益・中村香『生涯学習のイノベーション』玉川大学出版部,2013