Isiliel、そして月城ひまりという存在
1.出会い
最近Isilielというグループ(とはいってもソロプロジェクトなので一人だが)にハマっている。このグループはいわゆるブラックメタルとアイドルの融合みたいな感じである。
元々自分はメタル、その中でもブラックメタルがすごく好きで、大学生の頃は、MAYHEMやEMPEROR、DARKTHRONEやIMMORTALなどの他、HATE FORESTやColdworld,XATHUTHARなどディープなものも含め様々なアーティストを聞いていた。日本のブラックメタルも興味がないわけではなかったが、ほとんどが海外のバンドの模倣であったり、あんまりブラックメタルっぽくなかったり、そもそもプリミティブブラックやデプレッシブブラックをやってるグループが少なかったりで、好きになったグループはほとんどなかった。
大学卒業後、社会人になってからはブラックメタルをほとんど聞く機会がなかったが、昇任試験の勉強や資格試験の勉強時の気分がダウナーな時に時々聞くくらいであった。
ブラックメタルは、自らの憎しみや苦しみを負のエネルギーで相殺する音楽
この本質はいつまでたっても変わらないと思う。
さらに最近のことだが、仕事が本当に限界に来ていて、職場で仕事した後に家に持ち帰って数時間必死こいて作業していた時期が数か月続いた。そんな時YouTubePremium加入と同時についてくるYouTubeMusicで、作業時に音楽を聴いていた。これは好きなアーティストを探せるだけでなく、このサービスのAI機能により、おすすめの音楽を勝手に流してくれる機能もあるのである。その時にブラックメタルを聴きあさり、Sighなどの日本のアーティストを聴き、色んなグループを巡り巡っていた時、一つのグループが目に留まった。それがIsilielの月城ひまりが元々活動していた「Necronomidol」である。
結成は2014年と随分古い。以下wikipediaの引用である。
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プロデューサーのリッキー・ウィルソンにより2014年に結成されたユニット。コンセプトはJホラー、ブラックメタルを中心とする「暗黒系アイドル」。グループ名はアメリカの恐怖・幻想作家H・P・ラヴクラフトの作品に登場する魔導書「ネクロノミコン」から取られている。
楽曲はブラックメタルやポストブラック、ダークウェーブ、NWOBHMを中心とする。
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過去にもアイドルとメタルの融合を掲げているグループは沢山いたし、そもそも「BABYMETAL」がすごく有名である。いくつかそういうグループの楽曲を聞いて、結構いいなと思ったこともある。だがブラックメタルを掲げているグループは本当に稀有である。ブラックメタルはメタルの中でもかなりマイナーなジャンルだし、あんまり大衆受けしないしライブも盛り上がるというよりは儀式みたいな感じになったりするのでアイドルとの親和性はあんまりないかもしれない。だが、このグループはかなり本格的なブラックメタルなサウンドだったし、単にプリミティブなだけでなくシンセやポストブラック、シュゲイザーみたいな要素もあり、アルバムごとに様々な音楽性を持っていて唯一性とレベルの高さを兼ね備えていた。
いくつかアルバムの曲を聞き流しているうち、引き込まれていった・・・が、ハマるまではいかなかった。その理由は歌声、である。いくら本格的なサウンドとはいえ、アイドルっぽい歌声であるところはあんまり変わっていないので、その部分が自分には受け入れがたかった。好きな人には本当に申し訳ないが、自分は歌声が苦手で深く入り込めないジャンルがいくつかある。アイドルもその一つである。アイマスやラブライブもアイドルではあるが二次元と三次元という違いとかもあるし、同一ではないと考える。
※でもRITUALとかはすき
聞いてみて、メンバーの声の中で、一人特徴的なボーカルがあって、それが月城ひまりであることを知るのは随分あとのことだが、色々と惜しいなと思っていた。そして、YoutubeMusicは関連する音楽として「Isiliel」を選択し、自動再生した。その曲名は「Genesis」。
イントロのリフを聞いた瞬間から衝撃が走ったーーー。えっナニコレめっちゃカッコいいの来たなと感じた。そのあとのAメロに行くまでの流れも荒々しくも煽情的で、そしてボーカルに入った瞬間、「すごくかっけえええええええええええええええ!」ってなった。
このボーカルはすごく特徴的な声をしていると思った。演劇やミュージカルの役者のようであり、なんというかすごく朗々と歌い上げるため滅茶苦茶声が通るのである。声に威厳と荘厳さが感じられて、人を選ぶかもしれないが一度聴いたら忘れられないーーそんな驚きがあった。
そこからアルバム「月虹創聖記」の曲を聴いてみたが、どれも良くてすっかりハマってしまった。毎日の家での仕事の時も必ず1回は再生していた。
かつてのNecronomidolの時に加えて、民族的な音楽要素やシティポップ的な要素も加わり、複雑だがそれらが上手く調和して聞きやすく深みのあるサウンドとなっていると思う。あとメタルっぽくない曲では「Alcest」みたいな雰囲気も感じられた。何度も何度も聞いているうち、いつか実際にライブを見たいーーーそんな気持ちが募っていった。行きたいけど予定が合わなくて中々行けなく、焦がれた感情が積み重なった。
2.初ライブ参戦
荻窪にある小さな小さなライブハウスでのライブだった。
自分がいつもいくグループのライブハウスよりさらに小さく、インディーズや地下アイドル感がすごいなと失礼ながら感じた。
だが、ライブが、パフォーマンスが始まるとそのようなチープさは微塵も感じられず、散々散々、YoutubeMusicで聞いたあの荘厳で朗々としたボーカルが響き渡り、圧倒されてしまった。
この時は初バンド体制、ということで、まだ会場の音響などもありサウンドにボーカルがかき消されてしまう場面もあったが、パフォーマンスは満足のいくものであった。
このIsilielを、そして月城ひまりという存在をもっと推す、いや推すといった感じではなく、心酔してしまった瞬間であった。
ライブでの興奮が冷めやらぬあと、事後物販とチェキ撮影が始まった。このあたりは地下アイドルっぽいなと思ったが、感謝の気持ちと応援のメッセージを直接伝えられる良い機会だと思い、チェキ撮影権を購入した。チェキはいつもどおり?キメ顔で取って我が家のどこかに保存したが、チェキを撮影したことより十分会話ができたことが嬉しかった。
このグループはもっと大きくなって世界へはばたき良い音楽を作り続けてほしいーーーそのためIsilielと月城ひまりのアカウントをフォローし、時間があるときはインプレッションを送付する日々がスタートした。
3.今後への期待
新曲もめちゃくちゃかっこいいな・・・。
このグループは海外人気があることもあってか、今WorldTourを行っている。サウンド的には絶対に海外受けするようなものなのでこの姿勢は正しいし、実際海外でのライブの方が盛り上がっているような気がする。
本当につい最近バンド体制での演奏スタイルを取っているが、この方向は大いに賛成である。アイドル的なダンスやパフォーマンスも映えるが、バンド演奏をバックに据えることで楽曲に迫力とさらなる奥行きが出ており、この体制のまま突っ切ってほしい。
月城ひまり自体は、SNSにコスプレフォトなども挙げているが、これはこれですごく似合っているので、こういった活動もこれまでどおり続けてほしさがある。アイドル的な売り方も悪くはないと思うが、今後10年・20年と活動を続けるなら、ブラックメタルアーティストとしての活動を強化してほしいと感じている。
まあ国内で次ライブやるのは10月らしいのだが、それまで待ち遠しくもあり、だけど次ライブをやるときにもっと多くの人にこのアーティストと楽曲を知ってほしい、という想いから今回のnoteを書くにあたった。
月城ひまりのアイドル的な部分がすごく好きなファンも多いと思うが、私は「Isiliel的ブラックメタル」とでも言うべき音楽やバンド的な部分にすごく惹かれている。
確かに一般的に連想するブラックメタルとこのグループがやるブラックメタルは違う。パフォーマンスなどについては悪魔崇拝的な要素はあまりないが、その根本にあるべき
既存の価値観への反抗と抵抗、暗く渦巻く感情
といったものは再現されている。元々ブラックメタルは、世界の根本にあるキリスト教的価値観への反抗から生まれているから、これもブラックメタルである。
最初に触れているが、過去のアーティストや正統派の音楽をやってるだけでは注目されないし、デッドコピーといわれかねない。今まで誰もやったことないところに敢えて切り込むことでブラックメタルの新たな可能性を感じている。
彼女の普段の発信内容からは「光と闇」の二面性を感じるし、果てしないbattleが始まるかもしれない(?)
長々と書いてしまったが、彼女の魅力を知るには、まずはYouTubeで音楽を聴いてほしいと思う。このアーティストからしか得られない不思議な魅力がある。音楽性は違うが、妖精帝國のような唯一性を感じている。
とりあえず10月のライブまで、楽曲の聞き込みと魅力の発信を続けようかな。これからが本当に楽しみなグループに出会えた。
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