9月17日IBDインタビューまとめ
2022年9月17日公開のIBDインタビュー動画のまとめです。
1時間と長尺だったため、できるだけ簡潔にまとめながら翻訳しています。
いつもは全て無料で公開していますが、今回は動画の本題以外の部分を有料に設定しました。
記事後半はマーケットスミスを使ったスクリーニング方法の解説とQ&Aで少しマニアックです。
記事作成にあたり1万字以上と時間がかかっておりこの記事に関してはご理解頂けると嬉しいです🙇🏻
以下、ミネルヴィニ先生は🧙🏻♂️、司会の方は🎤で表記しています。
9月17日インタビューまとめ
🎤今回インタビューをさせて頂くスコットです。宜しくおねがいします。
今日のアジェンダはミネルヴィニ先生が今のマーケットをどのように見ているのかお聞きできればと思います。
特に昨日のような動きをしたあとは気になっている人が多いはずです。
次にマーケットスミスを使ってのレラティブストレングス・スクリーニング、そしてトレンドテンプレートについて。
最後に時間があれば少しQ&Aもできればと思います。
本題:現在の市場のレビュー
まずは現在のマーケットのチャートを用意しました。
昨日の動きも反映されています。
🧙🏻♂️現在のマーケットに関して言えば、我々が弱気相場にいるのは明白だろう。
私は1990年から91年にかけてのチャートを比較対象として参考にしている。
それと1962年のチャートも。
2022年はこの2つの間に収まるのではないかと思っている。
まぁどちらかと言えば62年に近いかな。
もちろん歴史は必ずしも完全に一致して繰り返すわけではないけどね。
いまこの91年と2022年のチャートを見るとかなり似ているね。
安値からのラリーだったり、200日移動平均線にタッチしてからのプルバックだったり。
違いと言えば91年はここから上昇を続けたけどね。
当時は中東戦争とかが関係していた。
91年は振り返って見るとわかるが10月にすでに底入れしている。
いつも言っているように底入れはプロセスだ。
個別銘柄は必ずしも指数が底入れしたと同時にセットアップを構築するわけではない。
指数の底入れよりも早い段階で底入れする銘柄もあるね。
1990年は私がたくさん買っていたUSサージカルやアムジェンなどのメディカル株、バイオメディカル株の多くが10月よりも前にセットアップを構築していた。
IBDも「カップウィズハンドルの増殖」と一面で報じていたが、マイクロソフトやコストコなどもこのリストにあった。
当時はマイクロソフトなんかは今と比べて全然有名な銘柄ではなかったよ。
まぁとにかく比較に話を戻すと、、、
1962年(青色の線)を見ると安値を付けてからそこを割らずにチャート右側で時間をかけて再度安値を試す展開となっている。
62年も91年と似ていて右側で急上昇しているね。
62年はキューバ危機もあったし、91年よりも右側で押したし少し怖かったのは確かだね。
スライドがあるかわからないけど、季節性を見るといま私達は一年のうち一番弱い期間にいる。(9月6日〜9月25日の期間)
だからいまプルバックするのは理にかなってはいる。ここから安値を試す展開になるのかは誰にもわからないけどね。
プレジデンシャルサイクルは10月の底を示唆している。
🎤季節性に関して言えばS&P500は10月が悪い月と思われがちだけど9月から始まっていますね。
🧙🏻♂️今はやる気を出してマーケットスミスを使いリサーチを徹底する時期だね。
私は昔、紙を使ってリサーチしていたからいまはツールも豊富だしね。
(話をもどして)いま理解すべきことはチャート右側を構築するには時間がかかることがあること。
90年のように短期間のこともあれば、より時間がかかることもある。
これはどれだけリセッションが深刻なものになるかによる。
インフレが止まらず利上げも長期間にわたってする必要があるのであればシナリオは変わってくる。
そうなると直近安値を試す展開で耐えれず安値切り下げになって1970年のチャートが近くなってくる。
まぁ今の時点ではこのシナリオではないけどね。
今はネガティブセンチメントがすでに蔓延している。
1940年以降、四半期で15%以上下落したあとに続く四半期で続落したのは深刻なリセッションのあった2008年のみだ。
だからもしそのような深刻なリセッションがないのであれば、ここから最悪のシナリオとしても10%の下落が現実的だね。
🎤ありがとうございます。先生がIBDの当時の広告(カップウィズハンドルの増殖の件)について言及されたのでお聞きしたいのですが、これはマイクロソフトのチャートだけど、先生がおっしゃっていたカップウィズハンドルはこの赤い矢印で示した部分ですね?(90年〜91年にかけての部分)
🧙🏻♂️そうだね。見て分かるようにカップの右側を構築してそこから上昇していっている。
当時のマイクロソフトはすでに強いアップトレンドにいて、市場の下落に押される形でこのカップウィズハンドルが形成された。
この同じ時期にフィリップモリスだったり多くの銘柄がセットアップを構築していた。
🧙🏻♂️これはアムジェンのチャートだけど見て分かるように強いアップトレンド。
当時新高値をとっていたときに私は買っていたね。
🎤なるほど。ありがとうございます。
この図が先生がおっしゃっていたプレジデンシャルサイクルですね?
🧙🏻♂️はい。念の為に言っておくけどこの予想を元にしてトレード判断をすることは決してないよ。
ただ認識として季節性やこのような傾向というのは把握はしている。
🎤先生はもし今回が2008年のような深刻なリセッションになるのであればもう一度レッグダウンのあった70年代のようになる可能性があると先程おっしゃっていましたがその点詳しくお聞かせください。
🧙🏻♂️はい。その前に73年と今が違う理由は当時は政治的な圧力が今よりも強かったこと。
FEDは利上げしないし、積極的な姿勢でもなかった。
いまは真逆でFEDの動きは早いしとても積極的になっている。
これは株式にとっては逆風に思えるかもしれないが、FEDが強く動くほど市場は最終的に好感すると思う。
ここからの大暴落を示唆する人もいるが、70年の教訓から学んだことは多いし今の時点ではこのようなシナリオに転換する考えはない。
🎤なるほど。こちらは昨日の動きも反映した最新のナスダックのチャートですがプットコールレシオについて言及されていましたね。
🧙🏻♂️Investors Intelligence NumbersやAAII(American Association of Individual Investors)を見ると最低の数字が出ている。
これらほとんどの指標が弱気センチメントを示している。
誰もが安値を割ると叫べば、さらなるダウンサイドのリスクはあるかもしれないがこういうときこそ先導株を探すんだ。
市場はすでに多くのダメージを負っている。つまり織り込んでいるということだ。
最近のサイクルでは私の50/80ルールがとてもよく当てはまっている。
ブルーチップ銘柄、たとえばペイパルだったりフェイスブックだったりでさへ40%-60%も下落している。
弱気になるのもいいが、すでに多くのダメージは与えられている事実は忘れてはならない。
🎤たしかに指数が市場が受けているダメージを隠しているように見えますね。
🧙🏻♂️そうだね。水面下では多くのダメージが発生した。
指数が高値を更新しているとき、200日移動平均線を超える銘柄の割合は40%を切っていた。
指数の動きとは対象的に、水面下ではずっと前から下落は起きていたということ。
つまりこの弱気相場はいま始まったことではない。今が弱気相場の始まりというよりは終わりに近いという方が正しいね。
マーケットスミスでのスクリーニング
🎤ありがとうございます。では次に先生のスクリーニングの1つであるレラティブストレングス(以下、RS)についてお伺いします。
まずはなぜRSの新高値リストが重要なのかお聞かせください。
🧙🏻♂️特に弱気相場や市場にプレッシャーがかかっているとき、相場全体は一般的に下落する。
こういうときにこそ先導株は突出してくるし、見つけるのがより簡単になる。
なぜならその他多くの下落している銘柄に比べて対象的な動きをするから。
ダイバージェンスだ。
私のスクリーニングに興味がある人が多いのでまず言っておきたいのは
「スクリーニングはシンプルなほど良い」
ということ。
売上やマージンなど全ての基準を詰め込んでスクリーニングしていると1つの基準に合致しないだけで良い銘柄を排除してしまうリスクがある。
私のスクリーニングはまずはそこまで厳しく制限せずにスクリーニングし、そこから手動でファンダメンタルズなど古いやり方で一つずつ検証していっている。
こうすることで良い銘柄を排除するリスクを下げている。
もし君がバリュー投資家であればレラティブストレングス(以下:RS)のリストは見ないかもしれない。
この動画を見ている人は私やオニールの手法を参考にしていると思う。
私はRSのフィルターをまずはかけアップトレンドにある銘柄を絞り出す。
そしてソートする。
ソートはシンプルな機能だけどとても強力だよ。
コンポジットレーティング(Comp Rating)でソートをしたらCANSLIMの基準を満たした全ての銘柄がリストとして見れる。
オニールの手法でやりたければこれでいい。
私の手法はオニールと似ているが少し違っていて、例えばアーニングスがなくてもセットアップを構築した銘柄であれば特に制限を設けることなくトレード対象とする。
私はRSでソートし、この時点で一番強い銘柄から見ていく。
もちろんSMRレーティングや52週高値などのソートも良い。ソートは強力なツールだけどみんなそこまで駆使しないよね。
バイオテックなどはアーニングスがないので数字は出てこないがこれも条件が整っていればトレードする。
🎤なるほど。例えばこのRhythm Pharmaceuticalsはバイオテックなので矢印で示したようにアーニングスがないですね。ミネ先生はこの銘柄をトレードするかもしれないが、オニールだとそうではないかもしれませんね。
🧙🏻♂️自分のトレード対象を広げれば良いパフォーマンスを見せている銘柄全てが対象となる。
さらにそうすることで市場のどのエリアがリーダーシップを発揮しているのかが自ずと見えてくる。
そこから絞り込んでいけば良い。
重要なことは最高の銘柄を見つけることであり、私のようにスクリーニングすることでそれを見逃すリスクを減らせる。
だからマーケットスミスは30年間も使っている最高のツールだね。
もしマーケットスミスがなければ昔みたいに一枚一枚紙でやるしかないね(笑)
🎤RSの新高値リストについてのお話をしたので、次は「RSラインBlue Dot」についてお伺いします。
RSラインBlue Dotリストは2つの条件があります。
1つはRSが新高値をとっていること。
もう1つはダブルボトムやカップウィズハンドルなどの形が形成されていること。
なのでこのリストに入るにはより厳しいフィルターをくぐり抜ける必要がありますね。
マーケットスミスではこの左側のタブでこのリストが見れるようになっています。
🧙🏻♂️このリストは特にマーケットスミスを使い始めた人にとって良い機能だね。スクリーニングして精査することを変わりにやってくれるから。
私は40年間トレードをしていて30年以上はマーケットスミスを使っている。
スクリーニングする方法はいまはより効率的になったものの当時から変わっていない。
スクリーニングは複雑化しないほうが良い。
これはアマチュアであってもプロであってもそうだ。
このリストはアマチュアの方にとってどの方向を向けば良いのかナビゲートしてくれる。
サンセットを見るためにずっと東を見ていても意味がないよね(笑)
🎤そうですね(笑)
次にでは「RSライン新高値5%以内」のスクリーニングについて見てみましょう。
これも強い銘柄をあぶり出すのに有効なものですね。
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