【世界遺産検定マイスターへの道 #8】危機遺産を知ろう
はじめに
マイスター試験対策の続きをやっていきます。
問1対策でキーワードまとめを実施中です。
今回は以下のキーワードをまとめていこうと思います。
問. 次の語句を簡潔に説明しなさい。(解答は本記事の最後に記載)
・危機遺産
・危機遺産リストへの登録基準
※最終的には以前のnoteで列挙したキーワードすべてをまとめた表を作成する予定です。
●危機遺産
危機遺産になりそうだった遺産(ヴェネツィア)
先月世界遺産リストから抹消された遺産(リヴァプール)
危機遺産と聞いてどう思われるでしょうか。
そのまま捉えると、危機に瀕している遺産であると解釈できます。
そのような世界遺産は、「危機にさらされている世界遺産リスト(危機遺産リスト)」に登録されてしまいます。
では、世界遺産が直面する危機にはどんなものがあるのでしょうか。
歴史的建造物や遺跡における風化、自然遺産における自然環境の変化、あるいは総じて時間経過による状況変化など様々です。
人為的なものでは、戦争や紛争による遺跡や環境の破壊も危機遺産になってしまう要因たりうるでしょう。
世界遺産は登録されたら終わりではなく、むしろそこからがスタートです。
顕著な普遍的価値のある遺産をどのように保全していくか、これが大切なのですね。
危機遺産リストというものの存在意義も、この世界遺産保全の考え方があってこそです。
危機に瀕していることを公表することで、世界各国からの協力を仰ぎ、危機からの脱却を目指すのがリスト化の目的です。
●危機遺産リストへの登録基準
世界遺産リストへの登録基準は、過去の記事でご紹介しました。
▶︎文化遺産
▶︎自然遺産
危機遺産についても、登録基準が存在します。
文化遺産/自然遺産、明確な危機/潜在的な危機、それぞれの組み合わせについて、以下の表の数だけ登録基準が存在します。
①文化遺産/明確な危機
ざっくり、「損壊」と「喪失」の2つに分けられます。
・建造物が壊れる、文化遺産を取り巻く自然環境、空間が壊れる
・真正性や文化的な価値がなくなる
という理解でよいのではないでしょうか。
②自然遺産/明確な危機
「環境汚染」「人間の侵入」「密漁」などが該当します。
③文化遺産/潜在的な危機
地域事業や市街化の「計画」、保全政策の「欠如」、武力紛争の「恐れ」などが該当します。
潜在的な危機ですので、計画や恐れ(可能性)といったものが基準として定められています。
④自然遺産/潜在的な危機
管理計画の欠如、武力紛争の恐れ、開発事業などが要因になります。
文化遺産のケースと似ていますね。
●さいごに
問. 次の語句を簡潔に説明しなさい。
・危機遺産
世界遺産リストに登録されている遺産が、明確な危機、あるいは潜在的な危機にさらされているために、危機遺産リストに登録されている遺産のこと。
・危機遺産リストへの登録基準
作業指針の中で定められており、文化遺産、自然遺産それぞれに対して明白な危機、潜在的な危機としてわけられた基準のこと。
ここまで読んでくださりありがとうございました。
今回は危機遺産についてまとめてみました。
今回はここまでです!
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