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紙パックミネラルウォーターは日本の標準となり得るのか

製品情報はミネラルウォーター大全詳細版にて

株式会社ハバリーズと言う会社が、
紙パック製のミネラルウォーターを販売し始めた。

これまでに日本で紙パック製品が無かったかと言うと、
実はいくつか存在した事があったし、
現行製品がある事も私は知っている。

しかし、330mlと言う持ち運びがしやすいサイズでの展開は、
この製品が初めてと言う事で、
パイオニアと言っても間違いでは無いと思う。
私は応援したい。

ただ、手放しで紙パックが絶対だ 素晴らしい!と言えるかどうか、
正直私は疑問である。
ここで考えてみよう。
紙パックのミネラルウォーターは主流になり得るのか?と言う事を。

私はいくつかの点が問題になり、
まだまだ難しいと考えている。

1つ目:変形・破損し易い
紙パックは柔らかいからとても変形し易い。
ペットボトルもペコペコの薄い製品が多くなってきていて、
売り場で凹みや変形が確認できるものがあって、
少なくとも私が好きになれないから、
他の消費者が気にする事もあるだろうと思う。

2つ目:自動販売機での展開が難しい
ミネラルウォーターはスーパー・コンビニ以外を考えると、
自動販売機での販売量がとても多い。
自動販売機で売れない事が一般化への足かせになる気がする。
ただ、牛乳やジュースなど紙パック製品の自動販売機もあるから、
絶対無理と言う訳では無い。
専用自動販売機も含め、今後の展開に期待したい。

3つ目:賞味期限が短い
見た所製造から1年である。
ペットボトルは平均して2年以上であるから、
その点ではかなり不利だと言える。
ただ、賞味期限を過ぎてすぐに飲めなくなるかと言うと、
そうでは無いのだが、
数字にとらわれる人も結構多いから、やはり不利だろう。
特に災害用の備蓄水には向かない。

4つ目:紙だから本当にエコなのか?
森林保全に貢献する為、
責任ある材料調達の確保が出来ていると認められた、
FCS認証を取得しているからと言って、
リサイクル率が低ければただのゴミになるだけである。
プラスチックごみの問題が世界的になって、
ペットボトルへの風当たりが厳しくなったと言われるが、
ペットボトルは結構リサイクル率が高いのだ。
しかもゴミを出す時の分別も既に日本国民には根付いている。
ペットボトルよりも環境に良いと言う事を、
完璧に説明できないと、今後の展開は苦しくなるだろう。

5つ目:中小企業が紙パックへの移行について行けるか
大企業は紙パック製造設備を整えられるだろう。
ただ、今までペットボトルで製造していた中小企業が、
エコだからと言って紙パックで直ぐに製造できるかと言えば、
無理だと言ってもいいと思う。
補助金が出たとしてもだ。
ただ製造するだけではなく、パッケージの問題も出て来るし、
色々な問題点が出て来る事は間違いない。

エコだからと言って外国から紙パックのミネラルウォーターを輸入し、
日本で販売するのは意味が分からない。
今回株式会社ハバリーズが販売し始めたのは、
佐賀県鹿島市産の水を使った国産製品だから応援できるのだ。
他にもいくつか気になる点はあるのだが、
今回はこの辺で書くのをやめておく。


ミネラルウォーターが好きで、全国各地を回り購入し飲んでいます。その数既に2400種以上。他にも小さな神社・史跡・無人駅・ご当地もの好きです。