他が為に絵を描く?
はいおはこんにちばんは。
これって死語でしょうかね。
それはさておき、タイトルの通りです。
だれかのために絵を描くことってありますか?
オイラはここ数年で、よく同人誌即売会などのイベント、舞台の観劇、人と遊ぶ、色んなところへ出向くようになりました。同志の色んなひとと、あちらこちらで会います。
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その際に、もうね、めちゃくちゃ絵を配っちゃうんです。
配る配る。同じ人でも、会う度に絵を描いて渡しちゃってる。
「壁がれおさんの絵で埋まってますー」とかめっちゃ言われる。マジごめんなさい。
それだけじゃなく、ツイッター上でも同じことをする。なんか急に描いてリプライしたりする。ひとはテロリストと呼ぶ。
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なぜオイラは絵を配りまくってしまうのか?
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オイラにとって「そのひとのためだけに絵を描き、原画を贈る」という行為は、最大級の愛情表現なんですよ。
手紙を書くとか、言葉で伝えるとか、そういうのの延長線上で最終形態。
ていうかね、好きでもなんでもないひとのためになんて、描けないっすよ。
何しろオイラの絵は「無意識・純粋」がモットーですから、いわば小さい子どもみたいなもんなんです。
子どもって素直に「好きなものは好き」「嫌いなものは嫌い」ですよね。そんな感じなの。
「好き」のためなら何したって苦じゃないけれど、「好きじゃない」ことは絶対にできない。むり。
ちなみにですが、絵を描かないからって好きじゃないわけではないです。理由は後述いたします。
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そもそも、何度か書いていますがオイラは弩級のアホであり、おまけに脳を使って考えることもわりと放棄しています。
つまり、おっそろしいほどにコミュ障で語彙力なしの口下手なんです。
オイラが絵を描いてあげてるひとは何人かいますが、基本的にオイラはめちゃくちゃそのひとたちのことが好きなんです。大好きです。一方的に。
これはどうでもいい付加に過ぎないんですが、オイラの絵は水彩画で、言うなれば、世界にそれだけの一点物。
それをそのひとのためだけに筆を動かし、そのひとに丸ごとあげちゃう。世界に1枚の、そのひとのためだけに描かれた原画です。
こういう絵は、オイラは写真にも残しません。記憶力がパーなので、描いたオイラだって、何をどう描いて塗ったかなんて、すぐ忘れます。
贈ったそのひとだけがそれを見るんです。
それってすごくない?!
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世界にひとつしかないものをあげたくなっちゃうくらい、あなたのことが好きなんですよ?!
でもね~、オイラがその気持ちを言葉にすると、なんかどうしようもなく拙くて野暮ったくなってしまうんですよ。
オイラがアホなのが99.9割いけないんですが。
そもそも言語って、完璧に使いこなせるひとが少ないほどに莫大だけれど、それでもまだまだ数が少ないなと思うんです。
だってひとの感情って、枝分かれというよりはじわっと絵の具が滲むところとか、雲の形がだんだんと変わったり、青い空から夕焼け色に沈んでゆくところとか、たったひとつだって同じものが存在しえなくてデジタルで表せないような、微妙なニュアンスの瞬間を感じることだと思うんです。
不定形で唯一無二の瞬間の気持ちを100%の純度で表現し伝えるだなんて、語群のパターンが何千億あったって足りやしないと思うんだ。
外国人だったらハグとかキスとかしてたかもしれないけど、ちがう、なんかちがうんだよお~。
オイラの思ってる、感じてる、あなたに抱く気持ちはちがうんだ~。
オイラからあなたへ伝えたいこの感情を表せる言葉が、地球のどこかにはあるのかもしれないし、まだないかもしれない、或いは昔はあったけど忘れられたのかもわからない。
大好きだよってどうしても伝えたいんだ!
そんな気持ちを、小さなこの紙に描き出す。
言葉に表せない微妙な感情を、絵に込めて、見ただけでそれを感じ取ってもらえるように!
あなたの好きなキャラクターを、あなたの好きな色を、あなたの好きなものを、あなたのことだけを考えて描きます。
いや、嘘、もしかしたらオイラの「好き」だけが先走った絵になってることもあるかもしれない。
喜んでくれるかな。喜んでほしいな。伝わるかな。届くかな。
たぶんオイラが勝手に好きなだけだから、この行為はエゴなのだ。だって邪魔だし捨てるに捨てられないし、好きでもないやつに、会う度ヘンテコな落書き押し付けられてさ。
ほんとはけっこう怖かったりもする。内心、いらねーよまたゴミ寄越しやがってこいつ毎回うぜーな、とか思われてないかって、めっちゃ怯えてたりするよ。
だから、オイラに絵を押し付けられたことのあるひとに知ってほしいな……って思って書きました。
オイラはべつに、オイラの絵もらったら嬉しいでしょー? ほらほらあげるよ! って気持ちであげてるんじゃないんです。
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あなたが好きなだけなんだ。
先に挙げた通り、オイラは論理的な思考を完全放棄してステ振りしていますが、そうしてここまで生きてきた結果、己の直感力と感受性にはちょっとばかし信頼を置いています。
哀しいかな、オイラのことを好きじゃなさそう(なんとも思ってないのはまだいいけど、嫌われてたりとか)なのが、なんとなくわかっちゃうことがある。すげーーーーかなしいね。
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たとえそれでもさ~、やっぱり好きなんだよ。
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あなたのこと好きだからオイラのことも好きになってよ! じゃないもん。あなたの目に映るオイラが嫌なやつでも、オイラの心に映るあなたが素敵なのはどうしようもないんだもん。
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でもそういうひとには、さすがに手渡しとかする勇気はない。そこまで心臓に毛は生えてません、意外と……。しくしく。ほんとはもっともっといるんだ、一方的に好きで、事あるごとに絵をあげたいひと。でも喜んでくれる自信がなくて、嫌われてるかもなって思っちゃって、できずにいる。だから「絵を貰ったことないから嫌われてるのか……」なんて、どうかどうか思わないでくださいね。勝手にまごついてるだけなの。好きです。
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最初のnoteにも書いたんですが、オイラが絵を描くのって「脳内のイメージを整理して、脳から退かす」ことなんですけど、つまり、オイラが他人のために絵を描いちゃう イコール、「そのひとのために絵を描かなければならないくらい、気持ちが溢れ出てる」って状態。
なのです。
ゆるしてください……。
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またいつか、あなたのために絵を描くので、そのときはどうか受け取ってくださいな。