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素材とモノづくりと伝え方

はじめに

本書は、「武蔵野美術大学 大学院造形構想研究科 クリエイティブリーダシップコース クリエイティブリーダシップ特論 第十一回(7/27)芦沢啓治さん」の講義レポートである。

講師:芦沢 啓治(あしざわ こうじ)
1973年生まれ。1996年に横浜国立大学 建築学科 卒業後、建築設計事務所architecture WORKSHOPでキャリアをスタートさせ、super robotでの2年間にわたる家具制作を経て、2005年に芦沢啓治建築設計事務所を設立。現在までに、カリモク、IKEAなどとの協業やパナソニック ホームズとのパイロット建築プロジェクトへの参画の他、オーストラリアのPeter Stutchbury Architectureとの協働によるWall Houseが「AIA’s 2010 National Architecture Awards」を受賞するなど、建築/リノベーション/家具/照明などジャンルを問わず活躍している。

素材の最大公約数を求めて

素材を深堀り、唯一無二を世に送り出している建築家・芦沢啓治氏。素材の持つ特性や表現力をそのまま生かすため、マテリアルに向き合い、対話する中で生み出す作品はシンプルであり優雅さも感じる。「石巻工房」は、メイド・イン・ローカルを掲げ、日本文化を現代に昇華させている。日本人はブランドをつくることが苦手で、高品質、真摯なモノづくりに強みを持つ。しかし、良い物を作っても、その魅力を磨き上げ、それをしっかりとストーリーを持たせて伝えなければ、その良い物が届くことはない。それをブランディングやマーケティングと呼ぶこともあるが、世間との関係性をデザインすることで、存在を世に示すことだってできる。これからのモノづくりとそそ周辺にまつわるストーリーを改めて考えさせられる回となった。


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