【走れ、お前!!!】
天気がいい。春が目の前に来ているようだ。
久しぶりに内定先に出社する。
内定者は6人いるのだがこの日出社を命じられたのはぼくともう一人の男2人だ。
この時点で今日は何で呼ばれたのかがわかる。
20卒に出されていた課題についてだろう。
おそらく怒られる。
怒られはしなくてもまあ何かしら言われるのは間違いない。おそらくマイナス面で。
家を出る時点でもうすでにブルーだった。
会社に着くともう一人の内定者は座っていた。
ぼくも社員さんに挨拶を済ませた後、席に座り一応聞いた。
「今日何するか知ってる?」
「わからない」
すぐに上司が入ってきた。
挨拶をした後2人の前に一枚の紙が置かれた。
今回の課題の自己評価だ。
そしてもう何枚か紙が置かれる。
今回提出した課題のコピーだ。
自己評価が終わった後にお互い発表して上司からフィードバックされる。
お互い発表し終えてフィードバックをもらう。
ぼくの評価は55点中33点。
少しは評価してもいいと思っていた。
内定者は6人いる中、この課題を進めたのはほとんどぼくだから。
この6人の中には地方の子もいるし全員でやるのはさすがに無理。
だからやるしかなかった。
ただ出社が命じられていてから嫌な予感はずっとあった。
フィードバックが始まる前、
上司から発せられたのはこの一言だった。
「正直どうだったの?」
もう一人の子がすぐに答える。
「正直この課題に取り組んでいたのはほぼ2人で、忙しいのはわかるけど正直他の子は何やっているんだろうと思います。」
ぼくもそう思った日は何度もあった。
でもおそらくこれを言ったところで意味はない。
上司もこんな言い訳は望んでいない。
ぼくは何も言わなかった。
上司が言った言葉はこうだ。
「一言で言うと残念。」
「これだけ時間がかかってこのレベル。」
「本気だった?」
「どんな気持ちでやっていたのかはわからないけど少し甘すぎない?」
「入社してから大丈夫?今ならまだ間に合うよ」
「このまま課題終わりでもいいけどどうする笑」
これ以上は覚えていない。
悔しかった。でもそれ以上にどうしたらいいかわからないというのが大半を占めていた。
もうこの部屋を出たい。
これ以上話を聞いても何も頭に入ってこない。
上司が話しても何のリアクションも取れなかった。
もう一度聞かれた。
「課題どうする?」
もう一人の奴はすぐに答えた。
「もう一度やります!」
でもぼくは答えられなかった。
やり直したい気持ちはある。
でも、わからない。これ以上の作り方を。
課題が出されたときは本気度もあった。この課題次第で会社も変えられるし、やるからにはいいのを作りたかった。
でも気持ちはあってもそれを形にできない。
正直自分の中では特別ダメだったわけではないと思ってる。
でも普通じゃ駄目なのだ。
確かに求められているものは万人受けするようなものじゃないとはわかっていた。
サイトや本なんかでも調べもした。
でも日にちが経つにつれていいものを作ろうという意識から課題を早く出さなきゃという気持ちに変わっていた。
ぼくは結局その時に課題をやり直すかしっかり返事をしなかった。
ミーティングルームを出ておそらくもう一人の男はぼくと飲みに行くつもりだっただろう。
いつも課題の話し合いの後はそうだったから。
でもその日ぼくはすぐに帰ってしまった。
話し合いもせずに。
誰かとこのことについてお酒を飲みながら話したいとも思ったが一人で考えたい思いの方が強かった。
お酒好きのこのぼくが。
この悔しさが他の内定者にも全くの他人にわかるわけがないと思った。
課題を進めたのはほとんどぼくで
上司の言っていることはほとんどぼくが言わているようなものだから。
帰りの電車とにかくぼーっとした。
誰かに今日の話をしたい気持ちもあったけどやっぱり話をしても自分がみじめになるだけ。
とりあえず電車で寝ようと思ったけど寝ようとしたら頭がクラっとしてなぜか寝れなかった。
体調が悪いわけではない。もうただぼーっとする。
最寄り駅に着いた。
雲っている。夜なのに全然寒くない。
この天気が逆に嫌だ。
自分の気持ちと天気が逆な感じがしたから。
家に帰ってとりあえず寝る。
今日は親が旅行に行っていて家は一人。
一人でよかった。
寝る前に一応普段聞けばやる気の出る音楽を聴いた。もしかしたらやる気が出るかもしれないから。
でもやる気は出ない。
目をつむったらすぐに寝れた。
起きたらやる気が出ているかもしれない。
いつもは寝たら気持ちがリセットされるから。
1時間ほど寝れた。
ぼーっとはしていない。もう落ち込んではない。結構リセットされている。
それからはとにかくいろいろ考えた。
課題が出されたばかりの頃、この課題をほかの内定者に共有してみんなでやろうという話をした。
だが実際取り組んでいたのは2人。
取り組まない他のメンバーにいら立っていたのは事実。
でも本当にあいつらが悪いのか。
自分の課題の伝え方、巻き込み方はどうだったのか。
直接上司から課題を聞いたのはぼくら二人だけなのだから熱量に差があるのは当然。
そこの熱量は埋められたか。
いや埋められていない。
そのことに2月序盤には気づいていながら結局埋められず終い。
自分に責任は大いにある。
自分にもっと力があればこんなボロボロに言われることはなかった。
他人じゃない。まぎれもなく自分が悪い。
考えれば考えるほど自分が情けなくなる。
そもそもなんでこの会社に入ったのか。
ここが厳しい環境なのはわかっていた。
これから第二成長期に入って今は中途採用にかなり力を入れている。
だから新卒の数は少ない。わかっていた。
大手に入る選択だってあったはず。
でもそうしなかったのは年功序列の世界では自分の目的は果たされないから。
そのために環境に甘えずやるしかない環境に身を置くこと。
これが一番目的を果たすのが早いと考えたわけだ。
考えていくと少しずついつもの自分が戻ってくる。
もう大丈夫。俺ならできる。
思い出せばすごいいろいろ言われたな。
すごい言われようだ。
思い出すだけで笑ってしまう。
言いたいことボコボコ言いやがって。
帰る前に落ち込んでいるぼくを見て上司が言ったことを思い出した。
「お前はほんとお調子者だな笑。」
少し気持ちを盛り上げる意味で言ったのだろうがその時は全然リアクションが取れなかった。
けど今ならいける。
「お調子者なので前はへらへらしながらできるって言いましたけど今回はガチでできますよ」
と
いろいろ考えを整理した後上司に連絡した。
「もう一度課題をやらせていただきます」
※今回の記事は上司の愚痴を書きたかったわけではありません。
今回のミーティングで上司の自分達への期待も伝わりました。数少ない新卒に自分を採用してくれたことに感謝しています。密かに自分に厳しくしてくれる人も求めてたし。
この記事は自分が最近小説にハマっていて自分も小説風に書いてみたくなり書いてみました。病んでいるわけでもありません。笑
それではおやすミネ~。
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