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『ディキンスン~若き女性詩人の憂鬱~』11月のおすすめドラマ

「今月はどんなドラマが登場するのかなぁ」と、調べるのが楽しみな企画、日本初登場する新作海外ドラマを紹介する記事は、今年の1月から毎月続けてきました。


海外ドラマboardさんでは、5作紹介させていただきました。↑
今回の【海外ドラマファンのマガジン】では、特におすすめのドラマ『ディキンスン~若き女性詩人の憂鬱~』についてご紹介します!

『ディキンスン~若き女性詩人の憂鬱~』シーズン3 AppleTV+

『ディキンスン~若き女性詩人の憂鬱~』は、19世紀の実在したアメリカの詩人エミリー・ディキンスンの半生を題材にした自伝ドラマです。

主人公のエミリー役は、ディズニープラスで配信予定の『ホークアイ』でケイト・ヴィショップを務めるヘイリー・スタインフェルドが演じています。

詩人とか19世紀、と言われてしまうと「共感できなそう」と思ってしまうかもしれません。
ところが、21世紀の現在でも、約200年前の19世紀でも、若者の悩みというのは同じなんです。

そのことに、わたしは驚きました。

親からのプレッシャー、実家からの独立、兄弟との関係性、恋の悩み、将来の悩み、などなど、現代社会と同じ問題が若いエミリーの前に立ちはだかってきます。

しかも、当時は完全なる男性社会なので、望む望まないに関係なく女性たちは、結婚して出産することを半ば強要されてしまいます。
そして、仕事をしたいと思っていても、能力があったとしても、女性の場合は、働くという選択肢がない状況でした。

エミリーは、マサチューセッツ州のアマースト大学の創設者を祖父に持つ家柄の娘ですが、それでも職業を持つことを家族に反対されてしまいます。

彼女には、とてつもない文才があり、特に詩の才能が素晴らしいのですが、世の中への贈り物になるはずのエミリーの才能は、家の中に閉じ込められたままです。

ヘイリーがこのドラマで演じるエミリー・ディキンスンは、現実と空想の間で生きる、少し風変わりな女性として描かれています。
彼女は、溢れ出てくる言葉を紙に書き留めながら、日々葛藤して生きています。

詩を発表すべきか、結婚すべきか、女性の友人との愛情が恋愛なのかどうか、父親の体調、母親からのプレッシャー、兄の精神状態、自分の精神状態……

エミリーが直面する問題は、後を立ちません。
少し深刻になってしまいそうなこれらの問題を、このドラマではビリー・アイリッシュなどの現代音楽を使用してポップにスタイリッシュに描写していきます。

エミリーが困った時に登場して対話する死神(ラッパーのウィズ・カリフア)も、とてもファッショナブルで、アーティスティックです。

まるで天才詩人の頭の中を映像化したような芸術的でリズム感のある映像で、エミリー・ディキンスンの生きた証を描いていきます。

日々悩み、問題と向き合うことって、生きているってことなんだな

とも思えました。

エミリーのことを知っている人も、知らない人も、最高に楽しめる若き詩人の悩みを、ぜひみなさんにも共有してもらいたいです。

AppleTV+で2021年11月5日から、毎週金曜日配信。全10話。

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       【海外ドラマファンのためのマガジン第124回】

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