【第27回】ブロンドorブルネット 海外ドラマの真のヒロインはどっち?
【海外ドラマファンのためのマガジン第27回】
海外ドラマに登場する美しい女優たちが演じるヒロイン。キャラクター設定の際に、髪の色を何色にするかは、重要な問題です。
例えば、ドラマの中で勉強ができる子のキャラクターは、アジア系の女優が演じることが多く、たいてい黒髪でメガネをしています。
これからの時代、そういうステレオタイプなイメージはどんどん崩されていくと思われますし、破壊していって欲しいです。
でも、ドラマを見る際に、たくさんいる登場人物を覚えるという意味では、ある程度、一般的なイメージに沿った配役がされていくのは、仕方がないかなとも思います。
特に青春物のドラマでは、主人公の女子はたいてい金髪(ブロンド)で、モテモテなんですが問題を抱えているというタイプが多いです。
そして、その親友はブルネットで背が低いかわいい子で、気が強くてトラブルメーカーというイメージ。
代表的な青春ドラマのヒロインを上げてみましょう。
『ビバリーヒルズ高校白書』
【ブロンド】ケリー・テイラー(ジェニー・ガース)
【ブルネット】ブレンダ・ウォルシュ(シャナン・ドハーティ)
『The O.C.』
【ブロンド】マリッサ・クーパー(ミーシャ・バートン)
【ブルネット】サマー・ロバーツ(レイチェル・ビンソン)
『ゴシップガール』
【ブロンド】セリーナ・ヴァンダーウッドセン(ブレイク・ライブリー)
【ブルネット】ブレア・ウォルドーフ(レイトン・ミースター)
この3大青春ドラマを見ても、先ほど言ったブロンドとブルネットのイメージは、そのままに描かれています。
どちらもヒロインなのですが、どちらかというとブロンドの美女ぶりに目がいき、ブルネットの方の印象はどうしても弱まります。
でも、ドラマを見続けていくと、ブルネットのヒロインの「わたしだって頑張ってる」という感じに視聴者の共感が沸き、だんだんと感情移入をしはじめます。
ブルネットのヒロイン、『ビバヒル』のブレンダ、『OC』のサマー、『ゴシップガール』のブレアは、当初お騒がせ度合がかなり高いのですが、シーズンが進んで行くうちに女性として成長してきて、どんどん魅力的になり幸福になっていきます。(ブレンダは降板が早いので微妙ですが)
一方ブロンド組の『ビバヒル』のケリー、『OC』のマリッサ、『ゴシップガール』のセリーナは、最後まで問題を抱えている悲劇性を強調され、美人には不幸が似合うといった状況に追い込まれる印象です。あまり成長度合いを感じないというイメージ。
ブロンドには悲劇という特別感がお似合いで、ブルネットは、隣のかわいい女の子という印象づけがされているようにも思います。
それがアメリカのステレオタイプな、女子のイメージなのでしょう。
どちらも王道のヒロインなのですが、そろそろ、イメージを脱却したキャラクターが、作られてもいい頃なのかもしれませんね。