【第33回】Netflix『ザ・クラウン』エミー賞作品賞全8作まるわかりガイド④
【海外ドラマファンのためのマガジン第33回】
「ザ・クラウン」シーズン3 Netflix
13ノミネート IMDB 8.7 Rotten Tomatoes 89%
英国女王エリザベス2世と王室一家の姿を、実際の出来事と共に描いていく画期的なドラマ。
シーズン3から、女王の中年期を描くため、王室一家のキャストが一新しました。
エリザベス女王役は、クレア・フォイからオリビア・コールマンに、
フィリップ王配役は、マット・スミスからトビアス・メンジーズに、
マーガレット王女役は、ヴァネッサ・カービーからヘレナ・ボナム=カーターにバトンタッチしています。
正直、クレア・フォイのエリザベス女王役にハマっていたので、変更されてしまうのは残念だなと思っていたのです。
女王の中年期といっても40代なのでメイクすればイケるんじゃないかなって。クレア・フォイの女王役、ほんとに素晴らしかった。
ところが、シーズン3は、そんな懸念も払しょくする素晴らしい出来栄えでした。
ハロルド・ウィルソンが首相に就任した1963年から、女王在位25周年となる1977年までを描いていきます。
孤独感や嫉妬心など、たとえ王室に生まれた特別な人間であっても、こういった負の感情を持ってしまうのもの。
逆に、王室に生まれたからこそ向き合わなくてはいけない、自由と自分の役割との間の葛藤を、丁寧に描いていく誠実なドラマなんです。
2019年の11月にNetflixで配信されましたが、1日でイッキミしてしまいました。全3シーズンとも、心にせまる号泣エピソードがあります。
シーズン3は、第3話と最終話の第10話がヤバかった😢
オリビア・コールマンは、素晴らしい女優ですが、ほんとうに期待以上の実力を見せつけてくれます。
ヘレナ・ボナム=カーターも、マーガレット王女のイメージとは違うかなと思っていましたが、最終話では彼女の演技に号泣させられました。
王室に生まれたからと言って、何の悩みもなくのうのうと暮らせるワケじゃない。どんな立場になっても苦悩は発生するという人間の性についても考えさせられます。
チャールズ皇太子の苦悩も、このドラマを見るまでは知ることがなかったです。といっても、決して王室賛歌ではなく、「そんなことを暴露してもいいの?」というほど個人的な問題にもツッコんで描いているところが、さすが海外ドラマの世界です。
ノミネート主要部門
作品賞
主演女優賞 オリビア・コールマン
助演女優賞 ヘレナ・ボナム=カーター
監督賞 第3話「悲劇の波紋」ベンジャミン・キャロン
監督賞 第10話「心の叫び」ジェシカ・ホッブス
脚本賞 第3話「悲劇の波紋」ピーター・モーガン