![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/55628709/rectangle_large_type_2_50ac4f0c8df777812e2eae239686a15a.jpg?width=1200)
時間は誰にでも平等に流れていく『フレンズ:ザ・リユニオン』17年ぶりの同窓会
【海外ドラマファンのためのマガジン第94回】
本格的にマガジン再開します!リ・スタートにふさわしい海外ドラマはこれ!HBOMaxの『フレンズ:ザ・リユニオン』です。
1994年から2004年の10年間に渡り放送されてきた人気シットコム『フレンズ』の再会スペシャルが制作されるという話は、2019年頃から話題でした。
2020年5月にローンチしたHBOMaxの目玉作品として公開される予定でしたが、番組を収録しようとした2020年3月にコロナ過となり、収録ができない状態になってしまいます。
それから約1年後の2021年4月、オリジナル・キャスト6名が再集結して無事に収録が終了しました。
日本では、2021年5月31日(月)からHBOと提携しているU-NEXTで配信中です。
『フレンズ』といえば、レイチェル(ジェニファー・アニストン)、モニカ(コートニー・コックス)、フィービー(リサ・クドロー)の女性3人と、ロス(デヴィッド・シュワイマー)、チャンドラー(マシュー・ペリー)、ジョーイ(マット・ルブランク)の男性3名が織りなすユーモラスな関係性が魅力的なドラマです。
この番組が成功した一番の理由は、出演者6名の個性が見事に役柄にハマったことでしょう。特に、レイチェル役のジェニファー・アニストンは、この番組で世界的に有名な存在となり、そのキュートさ故に、男性たちのあこがれの的となっていました。
飛ぶ鳥を落とす勢いの俳優ブラッド・ピットと2000年に結婚したときには日本でも、「俺のレイチェルが~くやしい!」というつぶやきがあちこちから聞こえてきました。(Twitterはまだないので、本当の独り言です)
今回、『フレンズ:ザ・リユニオン』では、クリエイターのマルタ・カウフマンと、デヴィッド・クレーンの口から、この6名をキャスティングした理由が語られています。
改めて思うのですが、『フレンズ』という番組は、主演の6名全員が本当に個性的で魅力的でした。メインキャストが6名くらい出演する番組は他にもありますが、ここまで全員が主役級で、キャラクターが粒ぞろいのドラマを作ることはなかなか難しい。
通常だとジェニファー・アニストンのような美女が目立ってしまうと、他の女性キャラクターが劣って見えてしまうという現象があると思うのですが、『フレンズ』に限っては、モニカ役のコートニーも、フィービー役のリサも見劣りしないのですよね。
ふたりとも、女優としてその個性を活かした役柄に徹していることが成功の理由のひとつなのではと感じます。
特にコートニー・コックスは、当初マドンナ的な存在であるレイチェル役にと考えられていたのですが、自ら「自分はモニカに向いている」と制作陣に申し出てモニカ役に決まったのだそうです。
コートニーはすでに『ファミリー・タイズ』に出演していて有名な女優だったし、美女枠ではあるので、場合によってはコートニーとジェニファーの女優としてのマウントの取り合いになってしまう可能性もあったと思うんですよね。
同時期に放送されていた『ビバリーヒルズ高校白書』は、すでに有名だったシャナンド・ハーティと、新星のジェニー・ガースの仲がぎくしゃくして番組にも影響が出ていました。
そういう意味でも、モニカ役のコートニー・コックスの番組への貢献度はかなり大きいのではないでしょうか。結果的に、常識人のモニカは、ドラマの中の柱のような存在になっていきます。
フィービー役のリサ・クドローや、「面白い顔だなぁ」と衝撃を受けたデヴィッド・シュワイマーなど、出演者についてはもっと語りたいので、また『フレンズ』の記事を書く際にとっておくことにします。
最後に、『フレンズ:ザ・リユニオン』を見た感想を。
番組放送当時は20代~30代だった出演者が50代になって登場するのですが、相変わらず魅力的です。
でも、これは自分自信でも感じることですが、時間の流れには誰も逆らえないものです。
番組の中で、好きなシーンがあります。
ジェニファー・アニストンが、「わたしたち、成長してない(変わってない)よね」と言うと、マット・ルブランクが気まずそうに、「いやぁ、そうでもないよ」というようなニュアンスを伝えます。
ジェニファーは、「うるさい!」と言いつつも笑いながらマットにハグします。
ジェニファーとマットのこの会話にとても共感しました。17年という時間をどう捉えるかですが、長い時間であることは変わらない。だけど実感としては、あっという間の出来事のような気もする。
つまり、両方の気持ちが混ざった状態なのです。
時の長さは感じるけど、あっという間だった気もする。
長くて短いという両極端の感覚を同時に体感してしまうのです。
時間というのは不思議ですね。
17年ぶりに集結した6名は、時間を飛び越えて、あっという間にあの頃の感覚に戻っていました。番組を鑑賞したわたしも、懐かしさという心地よくて少し切ない空間に包まれていました。
続編ではなく、再び集結するという形で番組を作ったことは、大成功です。当時感じていたことなど、秘話を聞けるのも得した気分でした。
ただし、どんなドラマでもこの形でうまくいくとは限らない。
『フレンズ:ザ・リユニオン』が成功したのは、オリジナル・キャスト6名の関係性がドラマ内と同じように、本物のフレンズだったからに違いありません。
いいなと思ったら応援しよう!
![峯丸ともか(みねまるともか)](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/25030410/profile_647122ef52897e3cc4323e8f0652935d.jpg?width=600&crop=1:1,smart)