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映画『ミアとホワイトライオン 奇跡の1300日』ライオンと人間は、友情を築けるのだろうか?という挑戦

ライオン・ウィスパラーという異名をもつ男がいる。南アフリカでライオン保護区を運営しているケビン・リチャードソンさんは、成長したライオンとスキンシップができる稀な人間だ。

ケビンがライオンアドバイザーとして参加した映画『ミアとホワイトライオン 奇跡の1300日』では、人間の少女とライオンの心の交流をCGなしで描くという挑戦をしている。

そのためには、子役の少女が3年間のあいだ定期的にライオンとスキンシップして、お互いの友情と信頼を築いていく必要があった。その部分で、ケビンがアドバイザーとなり俳優たちを指導していくのだ。

映画の中では、3歳になったオスのライオンと、14歳の少女ミアとのスキンシップの場面も映像化されている。正直、見ながら「ドキッ」としてしまった。

この役に挑戦した少女と、それを許してくれた彼女の両親の決断がなければ、この映画は完成していない。もちろん、CGなしのライオンとのシーンを可能にしたケビンのノウハウなしでも。

文字通り、体当たりの演技を見せたミア役ダニア・デ・ヴィラーズは、このまま女優として活動していくかまだ分からないが、一生の財産となる経験をしたんじゃないかな。
ライオンと友情を築けるなんてちょっとうらやましい。だけど、「やってみますか?」と聞かれて「はい!」とすぐ即答できるほどの勇気はない。
だから、ダニアの両親も良く出演を承諾したなぁと驚くほど、ライオンと少女のリアルな映像が映し出されていた。

映画鑑賞後には、「子どもたちに見てもらいたいなぁ」と思えるいい映画だった。そして、自分の飼っていた猫のことを思い出して、「あのこはペットとして飼われて幸せだったのかな」などと人間とペットの関係性を考えてみたりもした。

武器をもっていれば、人間は今のところ弱肉強食の上位に位置しているかもしれない。だけど、武器なしの一対一の関係性のときは、必ずしも最強ではないということを、忘れてはいけないんだ。

ライオンの赤ちゃんが、ものすごく愛らしかったからこそ、そう思った。

映画『ミアとホワイトライオン 奇跡の1300日』
2021年2月26日より劇場公開

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