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忘れ物の対応、2類4層で考える

例会のQで忘れ物に対して
どのように対応しているか?

と質問を受けました。

正直、僕は対応が上手なほうでは、ありません。

でも、だからこそ、うまくいかなかったことも含め、
お話できるのではないかと思います。

皆さんは 忘れ物に対してどのように対応されているでしょうか?

僕は
基本的には貸し出せばいい。

というように思っていますし
それは結構大切な視点かと思います。

忘れたから、放っておく。
やらせないとなると、忘れてくれば、やらなくていい。

という
ある意味誤学習にもなってしまいます。

体育なんかでは、よくある話ですよね。

では、貸し出せばいいのか?

というと、それもそんな単純な問題ではなく、

何でもすぐに貸し出してしまうと、

忘れても貸してもらえるという誤学習に繋がってしまいます。

また、貸し出しができないものも結構あります。
これも、体育ではよくある話ですよね。

そういったことも考えて
今回まとめてみようと思いました。

忘れ物の対応には、2類4層の対応があると思っています。

まず、荒く分けて
2類。

集団(全体)への対応

個別への対応

です。

次の項から詳しく見ていきたいと思います。


【忘れ物への対応 全体への対応】

今日は全体への対応に絞って
お話ししたいと思います。

全体への対応は、
2層に分けて考える必要があります。

それは、

⑴忘れさせない予防の対応

⑵忘れてしまった後の事後対応

です。

今日は⑴に絞ってお話します。

僕は全体での予防支援で最も大切なのは

連絡帳(学校によっては、タブレットのところもあるのでしょうか?)

しっかりと伝えるということだと思います。

ここからは僕の失敗談になりますが

月曜日に
給食エプロンやナフキン
体操服などの

忘れものが僕のクラスでは、凄く多くありました。

原因は、僕にあり、
僕が連絡帳に書かせてなかったからです。

時間割に体育の授業があるんだから
持ってくるだろうとか

給食は 当番に当たってるんだから
持ってくるだろうとか
ナフキンは、当たり前だろうとか。

教師の当たり前と
子どもの当たり前にはギャップがあるんです。

だから、

連絡帳にしっかりと明記する。

それをできれば

システムにまでしておくといいのだろうなと思います。

書くのが大変なら
クラスだけの暗号でもいいかと思います。

も/エプ、ナフ、マス、体ふく

なんて書かせていました。
そのうえで、入れたら、そこにチェックをするなどまでさせると、ちゃんとやってくる子の忘れ物は確実に減るはずです。

で、

これも僕の失敗談なのですが、
低学年で、連絡帳を書く係を一人一役で設定していたのですが、
この子が書き忘れてしまうと、
誰も気づかないということがありました。

連絡帳は、極めて大切な連絡手段なので、子どもに任せるには慎重になったほうがよかったのかもしれません。
特に低学年では。

その代わりと言っては、なんですが、
朝の会の時間に、連絡帳で質問がないかを受けていました。

明日の時間割で書き忘れたものがあれば、それを確認するという時間です。

これもちょっとしたシステムなのかと思います。

方法は工夫でいくらでもあるものてです。

こういったことをしなくても、
または別の方法やシステムで

しっかりと伝えるべきを伝えることができている先生はたくさんいらっしゃると思います。

僕の場合、こういった工夫がやはり必要でした。

忘れ物を嘆く前に、
教師が予防策としてできることは、色々とあるように感じています。

皆さんはどう思われますか?

……………

全体への指導 2つ目

それは忘れた時の対応です。

忘れ物をした時の対応という言うと

どうしても個別の対応のように思ってしまいますが 、

これは全体指導という観点が必要です。

かつて僕は
忘れ物したら

貸し出しグッズを用意して

とにかく貸してあげればいいと思っていました。

今も基本的にはそのスタンスです。

ただ気をつけなければいけないことがあると思っています。

自分の失敗経験からなのですが

忘れ物をしても

貸してあげればいいというようにしているといつまでたっても

忘れ物がなくなることがないのです。

それどころか、
借りるのが当たり前のようになってしまいます。

応用行動分析で考えてみると

忘れ物をする

貸してもらえる

普通に学習ができた

という流れだと

忘れ物が強化されてしまうということにもなりかねないわけです。

ただ、

忘れ物をしてしまった時点で

すでに事後対応になってるので

この時に

忘れ物したことを叱っても

どうしよう ありません。

では、どう対応すべきなのか?

大切なのは

忘れ物をした時の行動を
しっかりと教え
定着させることです。

これは全体に語って聞かせる必要があります。

人間なので、忘れ物はします。

その時に大切なのが

まさに、

ほうれんそう なのだよ。と。

①報告
②連絡(対応)
③相談

①先生〇〇を忘れました。(報告)

②このように対応します。
こうしますが、いいですか?(連絡)

これでいければ、オッケーです。

ただ、対応の仕方が分からない。

その場合、

③どうすればいいですか?(相談)

が必要になってきます。

このようなことをしっかりと言えるように、全体でことあるごとに確認するのが大切なのかと思います。

そして、
もう一つ配慮として必要なのは、

このほうれんそうのタイミングです。

いつでも、言ってこられたら、先生にとっても、迷惑ですよね。

今じゃないやろ!

ということが多々あります。

なので、合言葉は、

ほうれんそうのタイミング

忘れ物
ほうれんそうのタイミング

と子どもも、教師も覚えておくといいのかなと思います。

【忘れ物への対応  個別の対応】

ここからは

個別の対応についてお話をしようと思います。

ある程度
関係が深くなってくると

それなりに忘れ物をする子と

しない子の見極めができるようになってきます。

忘れ物を良くする子に対して

やはり 予防するような声かけの必要があるのです。

僕が大尊敬する

埼玉の中学校教諭
長谷川博之先生がおっしゃっている言葉で

ものすごく 印象に残っている言葉があります。

それは

ワーキングメモリーが低いお子さんが

家に帰ってから
何かをしようとするのは

そもそも 無理がある。
忘れるのは当たり前。

では、どうすべきか?

教師がその子の

外付けのハードディスクになってあげれば良い。

そんな風に おっしゃっていました。

なるほどな と思いました。

スペックが弱い パソコンだと

どうしてもすぐに容量がいっぱいになってしまい

処理ができなくなってしまいます。

だから、外付けのハードディスクになる。

忘れ物をしないように

教えてあげればいいのです。

具体的にどうすればいいのか?

それは

電話

です。

放課後もしくは 朝 電話をします。

例えば、

社会の教科書をずっと忘れていたなら

①放課後電話をする。
②社会の教科書探してごらんという。
③あったら、それをカバンの中に入れなさい。と言って入れさせる。
④カバンを玄関の前に置いておきなさい。

と伝える。

そこまでやるわけです。

やり過ぎなのでは?と思うかもしれませんが、それでも忘れる子もいます。

だからこそ、ここまでやって持ってきたら、
忘れなかったなー。
偉かったなー。
先生の、言う通りしたら忘れ物しなかったなー。
サイコ~やな。

と価値付けるのです。

ここまですれば、
忘れ物はかなりの確率で減らすことができます。

僕もなかなかここまでの対応はできていません。

たった一つ 電話をするだけで

これだけ 予防効果があり、

これにより、

何より子どもとの関係性が向上します。

何も手を打たずに、
翌日、忘れ物をした子に対して、厳しく叱責して

お互い嫌な気持ちになり、関係性が悪くなるのと、どちらが得かということだと思うのです。

………

これで最後の発信になります。

忘れ物への対応

最後は忘れた時の個別の対応です。

とはいえ、この方法は、予防としても使えます。

次に忘れ物をしないためには
どうすればいいか?

そして、明日大事なものを忘れないようにするには、どうすればいいのか?

それを

本人に聞いて考えさせるということです。

大切なのは
自分なりの
忘れない方法を考えるということです。

4日締め切りの
提出書類があるなら、

教室での締め切りを3日にしておきます。

2日の時点で全体に明日が締め切りです。、
と伝えておきます。

連絡帳にも、まだの人は書きなさいと書かせます。

それでも、3日に忘れてきます。

その時に、
明日どうしたら忘れないか
考えなさい。

と本人に考えさせるのです。

ここは、譲ってはいけないところかと思います。

本人なりに忘れない方法をしっかりと考えさせるのです。

そのうえで、
出てきた方法を試させる。

大切なのは忘れないためには自分はどうすればいいか?

というのは
自分なりの方法で考えることです。

しっかりと考えさせると
子供の中で色々出てきます。

カバンの見える位置に大きな紙を貼っておく。

自分の手に大きく マジックで書いておく。

など

子供にとって様々な方法が出てきます。

場合によっては、友達に連絡してもらったり、
先生に連絡してもらう方法もあるでしょう。

人に頼ってもいい。
とにかく、忘れないためには、どうしたらいいかを考えさせるのです。

人によって ワーキングメモリも違いますし

家庭の事情も違う

そのような中で

忘れ物をしないための

自分なりの方法を考える。

それが本当の教育 なのだと思いますし、

多様性に配慮した対応なのかと思います。

一連の発信。
どうだったでしょうか?

読んで下さった方は、リアクションをいただけると励みになります。

最後まで読んでいただき

ありがとうございます!!!


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