好きnote1 「どんと」
とにかく好きなものをひたすら愛を持って書いていきたい。変態的な部分が出ても気にせず、ただただ愛のままにワガママに書いてゆきたい。そんなワガママnoteをひたすら書こうと思います。もし好きなものが一致した場合は、ただただ嬉しい。そんなnote。
その第1回目。
どんと。
どんと焼きとか、どんと祭とかあるみたいだけど、それじゃないミュージシャンのどんと。
この方です。
ローザ・ルクセンブルグ、ボ・ガンボス というバンドのボーカリストだった方。
2000年にハワイでお亡くなりになり、今年で20年。今も様々なミュージシャンの方に影響を与える存在。
私はリアルタイムのどんとを知らない。ボ・ガンボス は同級生で好きな人がいて、ライブに行った話は聞いたことがあるけど、「何か陽気な人たちだなぁ〜」としか思わなかった。
それがある時、突然に好きになってしまった。ラブストーリーは突然に。あの日、あの時、あの場所であの歌に巡り合わなかったら。
それはこんな出会い。2004年8月5日京都のお寺で「どんと院祭り」というのがあるよと手渡されたフライヤー。見ると知り合いのミュージシャンや作家さんが出店してて、暇やし友達に会いに行こうと、仕事帰りに自転車を漕いで聞いたことないお寺を地図を見ながら探した。
狐に化かされたみたいに、道に迷ってなかなか辿り着かない。余裕ある時間に出たのにライブ始まってしまう。ロングスカート履いて砂利道を自転車漕いだら激しくコケた。ストッキングが破けて膝頭から血がダラダラ。お気に入りのスカートが軽く破けた。
うなだれながら立ち上がり、諦めて帰るか迷った時にどこからともなく音楽が聞こえてきた。「あれか!」膝から血は流れているが、ここまで来たら行ってみたい。このまま帰ってなるものか!という好奇心と謎の意地も発動し音楽が聞こえる方へ。
お寺の門をくぐると友人のミュージシャンがいて、膝から血が出てるのにビックリしながら「中でライブやってるよ」と教えてくれた。
そこで歌われていたのは、どんとのソロ時代の名曲「おめでとう」。
この時すでにどんとは亡くなっていたので、どんとの友人ミュージシャンである松井ろくろうさんが歌い、ベースはどんとの奥様の小嶋さちほさんが弾いていた。
「おめでとう」を聴いた時、よくわからないが、ものすごく涙が溢れ出た。自分の感傷と関係なく、よくわからないままに歌を聴いて溢れるように涙を流したのは初めてで、自分でビックリした。
そしてよくわからないけど「生きててよかった!」「生まれてきてよかった!」という気持ちが溢れてきた。
未だにあの時を超える音楽体験は無いのだけど、その体験が本当に不思議で、またどうしてもあの感覚を味わいたいと、その時強く思った。膝の痛みをすっかり忘れるくらい。
そこから、どんとや、ボ・ガンボス の曲を聴くようになって、とうとう自分でも歌いたくなってギターを買った。それがちょうど10年前。
そして今年の1月27日に東京で、「どんと魂の成人式。虹の法要大パーティ」というイベントがあり行って来た。そこにはどんとの奥様の小嶋さちほさん、ボ・ガンボス のメンバーだった永井さん、どんとの息子さんのラキタくん、ドラマーのPeace-Kさんがいた。そんなメンバーがどんとの歌を歌ったり、どんとの思い出を語ったりするライブの後、オープンマイクで私は「おめでとう」を歌った。
膝頭から血を流してヨレヨレと自転車を押しながら、あの時、あの寺に行かなければ、こんな未来は待ってなかった。出会いとは不思議である。しかも本人はいなくても出会ってしまった。歌の世界の中の、どんとの魂に出会って、魔法にかけられたみたいに。
どんとを好きになって本当によかった。
「好き」は魔法だ。
そんな「好き」の魔法をただただ書いていきたい。
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