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夢の続きに立っていた
デジャヴというのを初めて体験した。あるんだな本当に。デジャヴって。
正確に言うと夢の続きに立っていた。
先日「GIFT」というイベントに参加した。
大人は一切お金を介さずに自分ができることをギフトする。逆に子どもは自分が作ったものやできることに値段をつけてお金のやりとりをする。大人はお金の概念を捨てて、子どもはお金について考える。
「何かいいなー面白そうだなー」と思ってステージに歌で出ることにした。この日は15時から仕事だったのだけど、出勤に間に合うように時間を調整してもらった。
「ギフトって何だろうな」ってずっと考えていた。それを自分が理解してないと歌えない気がして。私が勝手に歌の師匠だと思っている西表島の冝間正二郎おじぃから「歌は峰ちゃんからの皆さんへのプレゼント。アンタは少々音痴になる時もあるけど、歌は峰ちゃんからの皆さんへのプレゼント。少々音痴でも気にせずに、しみったれずに明るく、歌を大好きな気持ちで歌いなさい」と言われたことがある。最初は単純にそれで!と思ったけれど本当にそれでいいのだろうか?
いつもはだいたい何を歌うのかすぐに決まるけど、何だかフワフワして決まらない。こんなことは初めてでどうしようかと思っていた。
そうして迎えた当日にこんなことを思った。
いよいよ今日です。
ずっとギフトとはなんだろうか?と考えていました。
今朝ふと、ギフトとは自分自身なのではないか?と思った。
ギフトとは自分自身であり、この世での体験やそれに伴う感情。
そんなことを思いました。
そして、ギフトはもらうより、ギフトを贈る方が楽しくて幸せ。
贈る相手が好きなものを思い浮かべて、喜んでくれるかな?等、密かにドキドキして、その先にある喜び合う姿をイメージしてる。
自分にできることでギフトを贈る。
それがこの上ないギフト。
そう思った。やっとこの域に到達できたか! という感慨に浸りながら家を出て、六甲道であっきーさんの車で会場までピックアップしてくれた。
会場に到着後は演奏用機材をある程度セッティングしてから会場を回った。
子どもたちの出店が可愛かった。
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紙コップのけん玉とシャカシャカキャンディを販売してた小学生くらいの女の子が「最初はもっと安かってんけど、他のところ見たらみんなけっこう高く売ってたからコレでいけるな!と思って」と言っていた。ちゃんと市場をリサーチして、自分の売り物の価格を考えている。何も教えてないのに自然にやっている。いいなぁ。
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私は出番の前にヘアメイクをしてもらった。それもギフト。
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私がヘアメイクをしている最中に、メイクしてくれたNaoさんの娘さんのうたちゃんが泣き出した。「うたのところに誰も来てくれない! 何にも売れない!」「こんなの嫌だ!」と泣いている。Naoさんになだめに行ってもらった方がいいのではないか? と迷ったけれど、うたちゃんが今感じてる感情もきっと必要な何かなんだろうと思って何も言わずに見守ることにした。
ヘアメイクが終わって、待ってくれたうたちゃんのポストカードを買った。うたちゃんは笑顔を見せてくれた。
私の出番の時間。会場は御影公会堂のホール。当たり前だが大きい。
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準備していると友人がひとり来てくれた。イベント参加者のあっきーさんも自分のブースを抜けて来てくれた。しかし席はガラガラ。うたちゃんは2階席でまたもや泣いていた。その姿を見ながら「うたちゃん。私も心細くて泣きたいし不安だよ」と思っていた。
ガラーンとした大きな舞台で始まったステージ。それでも聴きに来てくれた友人が居ることを励みに、歌うことが私のギフトなんだと奮い立たせて歌った。
それでも心は揺れる。来てくれた友人は歌う私を初めて観る。せっかく来てくれたのにこんなガラガラな中で観てもらうのが申し訳ない気持ちにもなって何度となく不安になった。弾き慣れてない曲は間違えてしまった。
「それでも笑顔で歌おう!」 と、松本大洋の「花男」の名場面である誰もいないグランドで花男が想像する「聞けっ! 五万の大歓声!」を思い出してホールの2階にも人がいっぱい入っているイメージをした。「聞け! 五万の大歓声!」と言っても、たくさんの人に聴いてもらいたいのではない。私の歌に込めた気持ちはこのくらいの人に届いてほしいと願った。
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ギターも歌もなかなかうまくはならないけれど、歌うことは好きだけど、聴いてもらう人を楽しませるほどの力が無いことは自分が1番よくわかっていて、才能も無いかも知れないことも感じている。だけど、それでもやりたい。その気持ちを信じようと歌っていたら、ふと思い出した。どんとが出て来た夢を。
私がまだギターを買ってない頃に見た夢。洞窟の中で何故か歌わないといけないシチュエーションになって嫌がる私に「小さくても思いを込めて歌えば届くから歌ってごらん」と、どんとは言った。
そして別の夢の中で、私が体育館みたいな舞台に上がらないといけないシチュエーションになって嫌がっていたら「真面目なのもいいけどユーモアも大切だよ」と、どんとは言った。どちらの夢も、どんとのアドバイスを聞いて目が覚めた。
夢の中に出て来た体育館みたいなステージはここだったのか! 「こんな中で歌っても誰も聴いてくれないし誰も観てくれない」という不安や恐れで動けなかった私は、あの夢の続きでステージに立つ選択ができたんだ! と気づいた。それがものすごく嬉しかった。そしたら急に笑いが込み上げてきた。お客さんが増えた訳じゃないし、客観的に見たら客席はガラガラのままで、何も変わらないのだけど私の次元が変わった。
夢の中でどんとが告げた言葉をやっと受け入れて理解できた。どんともそんな私を観て喜んで応援してくれてる気がする。
ステージの後に短大時代の友達が花を手渡してくれた。うたちゃんも来てくれた。うたちゃんに「私もうたちゃんみたいに心細くて泣きたくなったよ。でも笑って歌ったら友達が来てくれたよ」ってお話ししたら、うたちゃんは笑顔で手に握りしめた売り上げ金を見せてくれた。知らない間にたくさん売れたみたい。
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心細くて不安になっても笑顔になれてよかった。きっとそれがギフトなんだね。
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