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好きnote 7 「映画:音楽」
映画「音楽」が好き過ぎる。
3月1日に元町映画館に観に行った。本当に観に行ってよかった。何なんだアレは。うまく言葉には表せない。何て言ったらいいんだろう。
3人組の不良がひょんなことから楽器を手にしてバンドを組んでフェスに出る。ひと言で言うと、そういう映画なんだけど、しかも、メンバーがめっちゃ頑張る訳でもないんだけど、何というか「熱」があるんだ。それはやっぱり制作側の熱が画面からはみ出すくらい溢れてるからなんだと思う。
製作期間7年以上
作画枚数40,000枚超え
71分すべて手描き
パンチがあり過ぎる。しかもこれが岩井澤健治監督のほぼ独力による個人制作なのだ。その妥協なき気迫の熱がスクリーンから溢れて、最後のフェスの演奏シーンは、本当にフェスに来たような気分になる。
そして何より好きなのは森田くん。
音楽好きなオタクの私には彼の気持ちがわかりすぎる。シンパシーを感じる。森田くんの声を担当した平岩紙さんが「もう一度森田くんを演じたいと思っているほど大切な作品」という気持ちもわかる。森田くん役はさぞかし面白くやりがいがあっただろうなぁ。
3月1日に観て、どうしてももう一度観たくて3月5日に2回目を観た。2回目もやっぱり面白くて、何度でも観たい。
なのに。なのに。映画館は今閉まっている。岩井澤監督が7年かけて、めちゃくちゃ苦労して、上映映画館が日に日に増えて、全国的にヒットしてきたこのタイミングで。自分のことでは無いけど悔しい。岩井澤監督の悔しさはそんなもんじゃないだろうけど…。
パンフレットの監督インタビューに、すごく好きな一節がある。
-7年半、心が折れそうになった時もあったかと思います。どんな思いで自分を奮い立たせていたんでしょうか。
「今、自分は"観たことがないもの"を作っているんだ」と信じるしかありませんでした。そこを疑ってしまったら、挑戦すらできなくなる。常識にとらわれすぎると、つまらないものになってしまいがちですし、挑戦してみないことには何も進まず、新たな可能性を広げることにもなりません。挑戦だらけの『音楽』は、何か変化を起こす可能性を秘めていると思っています。そして、アニメーションには、まだまだ掘り下げるべき表現が残っていると思います。僕が7年半の間に実感したのは、予算がなくても、お金と同等の時間をかければ、誰でも挑戦できるということ。突進した才能がなくても諦めずに続ける覚悟があれば大きなエネルギーになるということです。それが表現の幅を広げ、業界全体の活性化に繋がっていくと確信しています」
このインタビューを読んで本気ってこういうことだなと思った。
私はすぐに挫けがちで、本気だ!と思っていた事さえ、自分が傷つきたくなくて投げ出してしまったことが何度もある。自分が好きだったはずの事さえ、結果が出せず、ちょっと挫けて傷ついたらあっさり諦めてしまった。そして、そんな風に好きなはずのものを大事に出来ず、簡単に投げ出した自分に失望して落ち込んだ。楽を選んだ事は、無意識に自分を傷つけて暗い影を作る。
インタビューを読んで、私は結果やスピード、人の目を気にしてばかりいたんだなと思った。どうなるかなんてわからないけど、好きなものを諦めず好きでいる。好きなものを本気で好きでいる。
noteを始めようと思ったきっかけも、実はこの「音楽」のインタビューの言葉がきっかけでもある。文章を書くのが好き。それをSNSだけで終わらさずに、もっと本気で好きでいる。ただ書き続けていく。文章は決して上手くはない。だけど、好きという初期衝動だけで、いろんなことを書いてみたかった。
「音楽」を観られて本当によかった。
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