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何でも売れる時代・何でも売れない時代

 どうもホウイチです。

 飲食店経営を10年以上して変わってきたことがあるんですけど、最近やたらと飲食店経営について質問されたり、話す場を提供されたりと経営についてお話しする機会が増えてきました。

 求められることは素直に嬉しいですし、感謝しています。

 「10年経営ってあっという間ですし、すごく特別な経営方法で展開してきたとかじゃなくて当たり前の事を当たり前にしてきただけなんですけどね」

 ってお話をだいたい最初にするんですけど、話してみると意外と当たり前じゃなかったってお話を今日はしたいと思います。

何を売ったらいいと思いますか?

 結構聞かれる質問なんですけど、僕が起業したときにこんな質問を誰かにしようと考えた事もなかったですし、自分のお店なんだから自分で考えたり、スタッフと考えたりして料理が決まったら売り方を考えるのが普通って思っていたんで意外な質問です。


なんて答えるかって言うと決まってこう答えます。
「逆に何を売れますか?」
現状で店を経営している人に応えるのと今から起業する人でニュアンスは変わるかもしれないですけど、この質問を返すと“即答できる人”と“答えがでない人”と“なんでもできます”って3パターンぐらい返ってきます。

 どの回答した人が成功する人だと思います?

 全ての人が成功する可能性はあると思うんですけど、1人だけ極めて成功の可能性が低い人がいると思います。

 それが、“なんでもできます”って答えた人です。

順番に見ていくと、まず“即答できる人”
 この人は即答できるのはその料理に自信を持っているかその料理以外作れない人です。自信過剰は成功率がかなり下がると思うんですけど、自信がある料理を持っているのは心強いです。たとえ他の料理が苦手でも、自信の一品を追求するだけですぐ繁盛店はできるでしょう。

 次が、“答えが出ない人”
 この人は料理に自信をもっていないか、本当に料理が出来ないかですよね。こういう人は経営者向きかなって思うんですけど意外と話を進めると自信がある料理を持ってたりもします。
 料理が出来なくても、既製品を使うこともできますし、料理人を雇うこともできます。
 そもそも料理ができないのに飲食店起業したいって変わり者でしょ。そんな変わり者は結構成功するって僕は思いますけどね。

 最後が“なんでもできます”って人
 これはかなり危険だと思います。まず、なんでもできるわけがない。いやなんでもできる天性の料理人の方もいますし、努力してなんでもできるようになった人もいるんですけど、そんな人は人に相談なんてしないでとっとと店を出していると思うんですよね。
 ここで言う“なんでもできます”って回答するような人は大抵“なんでもできない人”の確率が極めて高いって話です。

 この“なんでもできます”っていう人についてはまた別の機会で詳しく話したいと思いますので今回は省略。

 要するに結局は何を売っても成功するし何を売っても成功しないという事です。

一皿2,000円の高級パスタに、一皿1,000円の普通のパスタが勝てた理由

 僕が最初立ち上げた店舗はパスタとピザメインのダイニングレストランでした。作れる料理がパスタとピザぐらいしかなかったからです。
 僕が作るパスタより美味しいパスタは本格的なイタリアンのお店ではメチャメチャ提供されています。けどなんで僕のパスタをみんなが食べに来てくれたかと言うと提供の仕方と味付けです。
 一皿2,000円の高級パスタを食べる頻度ってどれくらいでしょうか。良くて月一回、または記念日に一回とか頻度は少ないですよね。
 都会など人口が多い所ではそれでもやっていけますけど地方だとなかなか難しい。(地方でも高級店で成功する方法はあります)

 地方で1,000円のパスタ。いたって普通ですけど僕が習ったのはイタリアにも修行に行っていたほどのシェフ。それを親しみやすい味付けに少し変更するだけで“親しみやすいのにメチャ美味いパスタ”が出来るわけです。
 という事は値段が普通なら通う頻度は自然とあがります。別に高級パスタじゃないので素材にこだわる必要もないわけです。

 結局どうなったかというと僕より全然美味しいイタリアンの店はなくなってしまいました。僕より美味しいのに成功できなかった。
 これが何を売っても成功するし、何を売っても成功できないってことです。要するに売り方と経営の仕方です。

 売る商品が一つしかないなら徹底してその料理を追求するか売り方を考えるだけで成功する確率は飛躍的に増加すると思います。

 中途半端に出来ない料理に挑戦して美味しくなかったり、無駄な在庫を抱えて廃棄したりするぐらいならしないほうがいい。
 何のためのお店なのか自分で理解していたら何のメニューが必要なのかは自然と理解できるでしょうし、既製品も捨てたもんじゃないと思います。
 そもそも、メニュー数を増やそうと試行錯誤して開業が遅れるぐらいなら出来る一品でとっとと勝負(開業)した方がいい。

 なんだか本当に当たり前の考え方を言っているだけなんですけど、これから飲食店を起業しようと考えている人の後押しになればと思います。

 最後までご覧になっていただきありがとうございます。

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野田峰一/毎日が始まり
1人で開業して、ずっと独身生活を送ってきたので全て1人でできると思っていました。しかし、従業員、嫁に支えられ、今では子供にも支えられている気がします。1人の力には限りがある。1人でも応援してくれる人がいればずっと頑張れるんだと自覚しました。よかったらサポートしてもらえませんか。