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アフォーダンス理論
さて、今回はアフォーダンス理論についてです。
現代で、アフォーダンス理論というと、
「過去の経験によってそれに対する行動や考え方が結びつけられること」
と理解している人が多いのではないでしょうか。
マーケティング的には、
「結びつけられたイメージや考え方などをアフォーダンスと定義する」
とされていたりして、つまりはシグネチャー的視点で
「固定観念」
「すでに持っているイメージ」
「経験上みたらこう、とわかるもの」
みたいな意味合いで使われる場合もよくあります。
つまり、以前体験したことを元に初めて見たモノの使い方をある程度予測できて使える!というような捉え方をされています。
アフォーダンス理論は、現在では特にデザインの世界で重視されています。
しかし実は、アフォーダンス理論と呼ばれるものには2つあるんです。
アメリカの心理学者であるジェームス・ジェローム・ギブソンが提唱したもの、
そしてアメリカのドナルド・アーサー・ノーマンが提唱したもの。
先ほどのデザインの文脈で広く使われているのはノーマンが提唱した理論のほうだといわれます。
ギブソンの「アフォーダンス理論」は950年後半に認知心理学分野とされ
「情報は環境に存在する」「人や動物はこれにより意味や価値を見出すもの」といわれました。
ちなみに、アフォーダンスは英語の「アフォード(afford)」が、「与える」や「提供する」という意味から、ギブソンの作った造語なんだそうです。
例えば、扉にドアノブがついていれば、人は「その扉を開ける」ということがわかりますよね。そして開けることができます。
人が、ドアを開けることによりドアは開けるものという役割を持つのではなく、
そもそもドアの開け閉めできるという性質が、「人がドアを開けるという行動を引き出す」というもの。
〈アフォーダンス〉は環境に無数に存在し、「家」があれば「住むことができる、「服」があれば「着ることができる」という〈アフォーダンス〉によって、人が行動を起こしていることになります。
しかし、現在でよく言われている〈アフォーダンス〉の意味合いは少し違ってきています。
これは、1988年にアメリカの認知科学者であるドナルド・アーサー・ノーマンが
提唱したものとされていて
「人が過去の経験などをもとに行動や意味につながっている」という意味合いで使われることが増えました。
たとえば、トイレの「青」と「赤」の表示で「男性用」と「女性用」とわかる、というものやお湯の蛇口などもそうですよね。
2つの理論はとてもよく似ていますが少し違う意味を持ちます。
つまり、後半のものは「知覚のアフォーダンス」と言われ、ノーマンは、後にこの「知覚のアフォーダンス」を「シグニファイア」という名で呼ぶことにしました。
「適切なシグナル(サイン)が見た人の行動を促す」という意味が、最近では有名になっています。
このように、ほんの少しアンテナを張ると世界は面白いもので溢れています。