WhyよりWhatを問うべき理由
コーチングアカデミーとして、
約100名のプロコーチを輩出している
Mindset Coaching Academy。
ほとんどの卒業生が卒業時に、
安くないFeeでクライアントを
持つことに成功しています。
それを実現している要素の一つが、
「Weekly Coaching Knowledge」という
アカデミーのコンテンツ。
アカデミー期間のほぼ毎週、
学校長の李から問われる
マインドのカラクリに関する
思考訓練にアカデミー生は取り組みます。
この思考訓練の中で、
コーチとしてデビューすれば、
クライアントに起きえるマインドを
うまく機能させるためのケースに対して、
どう向き合うのかの具体論を手にします。
例えば、
こんな問いに向き合います。
頻出パターンの一つである
「ゴールが見つからないというクライアント」
への向き合い方。
Facebookグループで投稿されるスレッドに、
一人ひとりが自分の頭で思考し、
回答をコメントしていくことで、
実際にクライアントに向き合った際に、
クライアントのマインドが機能するように
導けるようになっていきます。
そして、回答が出そろった頃に、
校長の李から解答の動画が共有されます。
アカデミー生は自己の思考と李の解答の
思考の差分を掴み、実際のセッションに
応用していくということを、
半年間、繰り返し、力をつけていきます。
このWeekly Coaching Knowledgeの
仕組みだけでも、Facebookグループと動画だけで、
思考基準を上げ続けるという教育DXの
秘伝のタレの一つなのですが、
この記事では、
実際にアカデミー内で共有している
Weekly Coaching Knowledgeの
動画コンテンツの中から、
現役プロコーチの方はもちろんのこと、
まだコーチングを学んだことがない
企業幹部、マネジャーの方や、
採用担当者の方にも1on1や面談時に
すぐ使っていただけるコンテンツを
共有させていただいちゃいますね!
公開させていただく内容は、
「whyよりwhatでなければならない理由」
1on1や面談をする機会のある
ビジネスパーソンの方や
現役プロコーチの方にも学びがあるはずです。
このコンテンツでは、
Whyを聞いてしまうことが何がまずいのか。
Whatを聞くことでどんなメリットがあるのか。
明日からの問いがすぐ変わるはずです。
ではでは、
さっそく公開しちゃいますね!
実際のアカデミーではこんな投稿で
まずは問いに向き合います。
読んでくださっているみなさんも、
ぜひ少しご自身の頭でも考えていただけると、
思考訓練になるはずです!
それでは解答を見る準備は、
よろしいでしょうか?
下記に動画の内容を書き起こしましたので、
ぜひお楽しみください!
上映スタート!!
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コーチが質問するときは、
とにかくWhatを使うというのは
散々言っている。
ただ、
「そもそもなぜ聞き手(我々人間)は、
なに(what)を聞くのではなくて、
なぜ(why)を聞いてしまうのか」
ということをロジカルに考えたほうが良い。
多くの人は口癖で、
すぐ「なぜ?」と聞いてしまう。
上司と部下もそう。
Whatで問いを受けてみると分かるが、
「何?」と聞かれた方が
一発で自分の深いところにアクセスできる。
ただそれを感覚的に分かっているだけでなく、
どういう認知科学的なからくりがあるのかを
理解しておいてもらえると、
コーチングスキルが深まる。
皆さんはプロだから、
なぜそのフレームを使わないといけないのかを
理論的にしっかりと伝えておきます。
そして、
システム1(直観)
の思考がほぼ無意識的に
「Why」と問うてしまうのを
「What」に切り替えないといけない。
例えばインタビューするときに、
よくあるのが、
「そのときあなたは
なぜ、そういうことをしたんですか?」
という質問。
起業家などへのインタビューでもそう。
下手な出版社のインタビューの人たちは
そこで「引き出した。」
という感じを錯覚する。
ただ本当は、
「どういう流れで
○○することになったんですか?」
と聞いたほうが良い。
相手は迷わずに
核心に近づく答えが出せる。
そもそもだが、
「なぜ?」という質問が
聞き手から自然に出てくるのには
理由がある。
その理由は、
「脳は空白を嫌うから。」
それが認知科学のからくり。
BeforeとAfterが大きい状況に
向き合ったときに
なぜ、その当時その人が
その行動をとったのかが、
わからないから、
そのBeforeとAfterの空白に対して、
「なぜ、なんですか?」
という聞き方をしてしまう。
だから、Before、Afterが
大きい一つのイベントとして、
「起業したのはなぜですか?」
とよく聞かれるし、
逆にいうと「What」軸で
「なにがあなたを起業に
そそのかしたんですか?」
という聞き方はあまりされない。
聞き手側が分からないから
自然と出てきてしまう
「なぜ?」という問いは、
答える側にとって、
非常に問いの解像度が荒すぎる。
聞かれた側の論理からすると、
質問者の空白が
どこに生まれたのかわからない。
だから実際は、
「何を聞かれたかがよくわからない。」
「なぜ?」って問われたから
「なぜかっていうと、、、」
とただ答えるという感じになる。
「なぜ?」と聞かれた時、
この聞き手はどれくらい答えに
興味があって聞いてくれるかは
実際のところ、いまいちわからない。
「李さん、なぜ会社作ったんですか?」
と聞かれても、
ラポール(信頼関係)がなければそもそも、
「なんでお前に言わないといけないの?」
という話にもなる。
まず、ラポールがないと防御本能がくる。
基本的に人間というものは、
自分の内なる「reason why」を、
いちいち人に言うように設定されていない。
Whyという質問そのものは、
聞き手の脳が空白を嫌ったから生まれている
無意識的な動作でしかなく、
本当の意味でどこまでの好奇心があって、
そして、その「なぜ?」に答えたかによって
答える側はどんなメリットがあるのか
わかりづらいし、真実を答えづらい。
どちらかというと
流れを聞いてもらったほうが良い。
流れとは、どういうプロセスで
そういうことになったのか、ということ。
「そもそもどういう流れで
自分が今日に至ったか。」
そのスコープを説明していいんだとなると、
答えないといけない範囲と
質問者の好奇心レベルが
どれくらい大きいのかも伝わる。
これが「そもそも質問」になるということ。
「あ、これはそもそものこと
について聞かれているな」
というのが非言語で伝わる。
Whatを聞けば
Definitionにもたどり着きやすいし、
本当にそもそもの話ということは、
内的な話と外的な話がキスしたところにある。
■中動態という概念について
「中動態」という概念があるが、
コーチになるみなさんには
特にこれを知っておいて欲しい。
「世の中は能動態と受動態というのがあり、
二項対立が常」と考えがちだが、
これは間違いであるということ。
なんでも「自分の意思でやった。」
というのが「能動態」という考え方で、
一方、他者に強制されてやったというのが
「受動態」という考え方。
そして、個人の意思である
「能動態」を引き出すために、
権威(親、先生、上司、配偶者など)
に強制された行動にも関わらず、
じつはその強制を守らずにしていたことを
抽出していければ根源欲求である
「Want to」が見えてくるという話。
実際に人間が生きて死ぬまでの過程にある
Driving force(自身を突き動かす根源の欲求)は、
「能動態」で始まると思うのだけど、
実際はそれに加えて、
環境要因、いわゆる
「時代」や「タイミング」がある。
とにかく
「中動態」とは、
「能動態と受動態で二項対立を
つくるのは乱暴な考え方で、
どっちかに白黒つけろということはない。
という考え方。」
白黒はっきりしない。
大体、頭が良いというのは白も黒もない、
ということがわかるということ。
「ほぼすべての事象は、
なるようにしてそうなった。」
以上という結論。
(お釈迦様のような話。
ただ、「中動態」は
古代ギリシャからきている)。
だから、
解像度が荒い質問である
「なぜそうしたんですか?」
と聞かれるより、
「何があなたを駆り立てて
そうさせたんですか?」
と聞かれると、
Want to(「能動態」)もでやすく、
外部環境(「受動態」)もでやすい。
といったように答えやすい。
結構、「たまたま」というのは人生あって、
ほとんどの場合に、
そこに才能の掛け算があってやれている話。
だから偉大な人は、
「いや、私は運だけでした。」
という結論になってしまうのだけど、
そういう強運体質や
スピリチュアルパワーだけではなくて、
自分もあるし、外圧もあるし、
という感覚が「中動態」である。
「どういう環境状況を
どういうふうに認識をとらえて
自分をあてたか。」
というなかでその人がやっとでてくる。
言葉には意味がなくて、
状況にしか意味がない、
という「状況意味論」である。
状況を聞くには、
「なぜ?」だと
極端な受動態としての
ストーリーを喋りやすい。
(とくにマインドが出来上がっていない人は。)
極端に自分というものが
出来上がっていると、
逆に能動態として喋ってしまう。
そうすると無自覚に、
環境因子があったことが
スコトーマになりやすいから、
スコトーマがある状態で
現状の外に押し出すのは
甘いと言わざるを得ない。
つまり、「なに?」ときくと、
自分の内と外の両方が出てくる。
「なにが?」ということを聞かれているから、
そのときの「その当時のストーリー」
ではなく、
現在のマインドでメタ認知したときの
「定義」として喋る
ということできあがる。
例えば、李のコーチングセッションで
と問うた時に、
そうなると自分の欲求がなさすぎるので
受動で終わったという感じ。
というと、
となると、
中学校という環境で
まずチャンスがきているし、
あとはその人が本当に欲求に
素直にいったっていうのがわかる。
突然、小学校のときに出せなかった行動力が
でているわけだから、
僕らはコーチは丁寧に
カリブレーション(観察)する。
「この人は実はこういうパターンの
行動をしているのか」とか、
エフィカシーが高い領域
(謎の自信がある領域)を
趣味をきっかけに質問しながら
洗い出していったりする。
マインドを丁寧に見ているコーチ
の立場からすれば、
「なに?」と聞くといいことしかない。
他方で、
「なぜ?」と聞くと
ストーリーを語ってしまう。
当時の知覚の第一ポジションに
(当時の自分の身体の中に入り込み
周りを見る視野)
入ってしまうだけだから、
答えが出てきても「受動態」か
「能動態」の極端な二元論になりやすいし、
聞き手が動物的な反応である
自分の空白を嫌うがために
好奇心で「なぜ?」と
聞いているだけである。
コーチであり、
マインドの使い方を修正させるために
聞くということである以上、
Whatで聞くしかありえないというのが
ここまでの結論です。
■まとめ
一番、最初の理解は、
Whyはストーリーであり、
WhatはDefinitionであるということが
掴めていればOKです。
もうちょっとプロレベルに変えると、
質問者と回答者というのが認知機能として
どういう動きになっていて、
概念として極端な二元論ではない、
中動態というのをしっかり理解すること。
それは、質問するときに
「よし、がんばろう、Whatだ!」
とやるのではなくて、
皆さんが日々生きていること、
今日やる行動に対して、
「何が自分のDriving Force
(自分を突き動かす根源的な欲求)なのか?」
ということを日々自分に
質問しているということ。
そこまで出来ると、
直観的に質問するときでも
「なに?」ということがでてくる。
コーチは日常から
ひたすら自分に「Why」ではなく
「What」を問い続けないといけない。
そして、結局のところは
その質問の自己適用の深さが
コーチングセッションに出てくる。
コーチングセッションだけで
あらわれるものではない
日々の鍛錬というか、
自分に対し、
自分を観察するということが非常に重要です。
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これにて、
このコンテンツは終了となります。
気づきや学びは、
いかがでしたでしょうか?!
明日から問いの精度が上がる
未来があれば嬉しいです。
Mindset Coaching Academyでは、
これからも認知科学に基づいた
マインドのカラクリの使い方を
支援できるプロコーチを輩出して参ります。
また今後の記事でも
マインドのカラクリに関する
学びをお届けできればと
思いますので楽しみにしていてください!
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