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夏がそうさせた

私の名前はMD。


6本の狂ったハガネの振動を生み出すことを得意とする音楽を愛してやまない大学6年生である。

私は今単発の派遣バイトをバックれ、厚木の田舎道を歩きながらこの文章を書いている。

なぜそのような非常識かつ迷惑な行為に及んだかというと今日が8月の最終日で、工場へ向かうバスから見たカントリーサイドの風景があまりに僕の心をくすぐったからだ。降り立ったこともないバス停で、私は最後の夏を探すために歩き始めた。遠目に見える野球場にノスタルジィを感じ、そこまで行けば今年の夏の終わりにふさわしい感傷を得られると思った。私は完全にジュブナイル気分だった。私は田舎の小さい野球場を目指し歩きながら、自己嫌悪に陥っていた。サボり癖がある同志ならわかっていただけるだろう、気の迷いで何かをサボった時、そこから得られる解放感やカタルシスはその行動に出た時がピークであり、その後の行動にはネバっとした罪悪感がついて回る。娑婆の空気はたまんねえとばかりに出てきた私はまさにその罪悪感に苛まれ、自分が大学6年生であることなどの人生への疑問を抱いていた、ああ消えて無くなりたい。こんなことになったのも全部8月が終わるせいだ。今日も何かのせいにして一生懸命生きようぜ同志諸君。

たどり着いた野球スタジアムは、あまりにも小さい物だったが、高校3年生の時に野球部の引退試合を見に行った時を思い出して感慨深かった。

あぁ、また無駄なことをしてしまった。
全部夏のせいにしてビール飲みたいな。

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