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マインドフルネス実践者必見!マインドフルネスと感情のEssential Paradox
MiLIの木蔵(ぼくら)シャフェ君子です。
いろいろあった今年、皆様笑顔で12月を迎えられいることを願いつつ、今回はMiLI通信で11月に発信し、ご好評いただいた内容に一部手を加えてお届けします。
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以前のnote「喪失と嘆きのE I(エモーショナルインテリジェンス)」を受けて、マインドフルに向き合うのが苦しすぎるほどの辛さや悲しみ、例えば人の病や死にどう対処すれば良いか、数名の方から相通じるご質問をお寄せいただきました。
リアルな状況に関わる、マインドフルネスと感情の本質について考察する、非常に大切なご質問と考え、取り上げさせていただきました。
私の師は皆、「マインドフルネスは困難にあるときにこそ役立つ」と教えてくれました。(その中のお一人チャディ・メン・タン師の講演及び書き起こしはこちら)
私自身の経験からも、どん底にあった時に、光を見出すきっかけをもたらしたのが、マインドフルネスとコンパッションでした。
同時に、今回のご質問者のように「マインドフルに向き合うには辛過ぎる」というのも十分理解できます。
これはどのように考えればよいのでしょうか?
【マインドフルネスの「そもそも」→Essential Paradox】
Essential Paradox(重要なパラドクス:神経学者リチャード・デビッドソンによる表現)とは「何かを抑圧したり変えようとすると、抵抗が強まり逆にしつこく留まり続ける。それに反して、変えようとする気持ちを手放すと、それは自ら変わっていく」というものです。
思考や感情にもこのパラドクスは当てはまり、変えようとするほど抵抗して残り続けるのです。
実際は、私を含めほとんどの方が、何かを変えよう・改善しようとしてマインドフルネスを始める場合がほとんどです。なのに、変えようとすることを手放さなくては、変わらない、まさにパラドクスです。
そこで、マインドフルネスでは、何かを変えたり獲得することではなく、瞬間瞬間で大切なことを意図し続けることが強調されます。
ですから、「今辛い感情に向き合うだけの心的リソースがない」、と感じるなら、それを大切にして、心身のエネルギーを取り戻すことを大切に意図することが、マインドフルネス的アプローチではないでしょうか。
【大きな悲しみ・喪失の3つの対処ポイント】
それを踏まえて、ご質問にあったような大きな辛さや悲しみにいったいどう対処すれば良いのか?
何を大切にして意図を持つのか?
次の3つのポイントをまとめてみました。
1) その長引く感情自体は「弱さや何かしらの問題」ではありません。
大切な家族を失うといった大きな悲しみは、何年・何十年経っても溢れてくるときがあります。それは、弱いからとかマインドフルネスができていないから、ということでは決してなく、愛ある人間として、当然のことなのです。早くこの辛い感情を無くしてしまいたい、と焦りを感じるのも同じ人間として当然です。ご質問者のお辛い気持ちは愛ある人間、幸せを望む人間として、正直な自然なことだとまずお伝えします。
2)辛さとともに生きるご自分をぜひ大切に扱って差し上げてください。
もし感情に向き合うことがしんどければ、「私にとって今必要なのは何?」「私に今何をしてあげればいいか?」など率直に尋ねてみることも、気づきにつながりますーーご友人やご家族に対して向ける優しさを、ご自分にも向けつつ、感情自体を否定せずにご自分のニーズに耳を澄ませる。これもまたマインドフルネスとコンパッションに溢れる行為です。
3)援助を求めることも、マインドフルでコンパッションに満ちたこと。
自分一人で向き合うのは難しいけど、聞いてもらえたら心が軽くなると思われる場合は、受け止めてくれる人や専門家と対話してみましょうーーありのままに正直に話せる方との対話は、一人だと向き合うのがしんどいことをそのまま「しんどい」と言える場を与えてくれます。何かを変えようとするのでなく、そのしんどさを含めてオープンに認める時、心は力を得るものです。
以上から、マインドフルネスとは必ずしも坐って瞑想することではなく、また常に冷静に客観的であることとも異なることがお分かりいただけるでしょうか?
いや、更に言うなら、感情という経験の中で揺らぎながらも正直になること、それ自体が瞑想となることがマインドフルネスだと、ジョン・カバット・ジン博士はおっしゃっていました。まだまだ私自身できているわけではないのですが。(すみません、余計混乱させてしまったかもですが、マインドフルネスに関する本質的な部分なのです。)
【マインドフルネスとコンパッションにおいて、利己=利他】
そして、上記の3つのポイントは、人によっては「そんなに利己的になっても良いのか?」と思われるかもしれません。
そこでお伝えしたいのは、まずご自分自身が自分にとって心のエネルギーを取り戻す安全な存在となれれば、他者に対しても心のエネルギーを与えられる安全な存在になれる、ということです。
他者に貢献するためにも、必要なスキル・対処法である、とご理解ください。
MiLI通信でご質問いただいた皆様、ありがとうございました。
マインドフルネス実践者であれば、一生付き合うこととなるこのEssential Paradoxと、ご自分なりの意図を持ち続ける上での対処ポイント、皆様にもご参考になれば幸いです。
今回も長文お付き合いいただき心より御礼申し上げます!
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