会いたい。
白猫が逝ってしまって、もうじき1か月になる。
19年寄り添って来た黒猫は、一人っ子に、なってしまった。
いつも、ヘッドボードに寄りかかる位置を、2匹で奪い合っていた。
白猫が病気になってからは、黒猫が寄りかかっていると、張り手をかまして
白猫が常にヘッドボード側、かつ、私側を占拠し、私の手を握り、喉を鳴らしていた。
今は黒猫も、場所争いをすることもない。
白猫が逝ってしまい、わかったことがかなりあった。
まず、白猫は、こちらの心配をはるかに超えて、予想以上に、食べていた。
信じられないほど、餌が減らなくなった。
最初黒猫が、食べなくなったのかと思っていたけれど、黒猫の体型は変わらなかった。
あんなに強制給餌していたのに、僕はもう食べれません労ってくださいという顔をしつつも、深夜こっそり食べてたな・・・? あいつめ。
そしてトイレも、恐ろしいほど、汚れなくなった。
汚れの8割は、白猫由来だったと言っても良い。
4年間、毎日250mlの点滴をしていたのだから、考えてみたら当たり前なのだが。
子猫の時から連れション状態だったので、そのままトイレも共用のままだったから、どちらがどのくらいしているのか、留守が多い我が家は、どうしても把握しきれなかった。
そして恒例のオカルト。
時々、寝ようとすると、白猫の存在を感じる。
黒猫も、白猫がいた時のような、間隙をつくる。
寄りかかりたいはずなので、この寝方は結構不自然なのだ。
白猫が生きていた時は、こんな風に場所を譲ったりは、なくて。
こんな位置取りを黒猫がしていたら、毎晩白猫が黒猫をひっぱたくことも、なかっただろう。
宵っ張りの私に対し、白猫は、場所取りを兼ねて、いつも枕横で、待ってくれていた。
黒猫は私を迎えにきて、「そろそろ寝るお時間ですよ」とばかりに、私をベッドに引率する係。
黒猫の横の空間を見て、白猫の写真をスマホで眺め、そこにいるんだね、と感じる。
横になると、以前のように、私の腕にそっと、肉球を乗せる気配がする。
引き裂かれるような、切ない、寂しい、悲しい気持ちが私を襲った。
触れ合えないつらさを、白猫も恐らく今、感じてる。
結局また声を上げて泣いた。
姿が見えればいいのに。
今どんな顔をしているの。元気なの? 苦しさから解放されたの?
会いたい。
会いたい。
会いたい。
こうなる日が来るのはわかっていたけれど。だから闘病の4年間、抱きしめ続けたけれど。もう十分と思いつつも、間が空いたら結局こうなるのは、経験上わかっていたけれど、どうすることもできなくて。
外でも、白猫を感じることは、錯覚かは知らないけれど、できていて。
元気そうな表情は脳裏には浮かぶけれど、実際目に映るわけではなくて。
死ぬ直前みたいな、身体の冷たい感じだったりしたら。
やせ細った姿で、ぐったりしたつらさだったりしたら。
そばにいてあげられない、今の状態を思うと、悪いことも勝手に浮かんだりして。
某所に行った。
私の知る限り、最もスピリチュアルな場所。
白猫のことを祈りにきたわけではなかったけれど、結果気づいたら、そうしていた。
そうしたら、私の左肩に、白猫の存在を感じた。
見えないけれど、左の肩と首と頬が、寄り添って寝た時のように、本当に温かくなった。右側の頬とは全く違う。
亡くなってから、私なりに、コミュニケーションをずっと取ろうと格闘していたけれど
この時が、最もちゃんと、白猫と触れ合えた感じがした。
この温かさがあるのであれば、白猫は、今のところ大丈夫そうだ。
数分の後、余韻を残し、消えていった。
また触れ合いたいな。だめなのかな。成仏を妨げたり、するんだろうか。
私としては、つらい外の世界で100%、一緒にいてもらいたいのだけれど。
またたくさんおしゃべりして、私の左肩で私を助けてよ。膝の上でもいいけれど。
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