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【壊れるという選択肢】

私の中で育ったモンスターは、傷つき続けた私を守るために生まれたのかもしれない。
でも、そのモンスターは時に自分を壊し、大切な人々を遠ざけた。

20歳で出会った夫だけが、私を支え続けてくれた。
彼は私に初めて「存在価値」を与えてくれた人だった。

だが、私はその価値を信じることができなかった。
どれだけ愛されても、「自分なんて」という思考が私を蝕んでいく。


人間は壊れることで、ある種の「自由」を得られるのかもしれない。

私の心の中で生まれた複数の人格は、それぞれが自分を守るために存在しているように思えた。

でも、その「守り」が現実社会では破壊的な行動として表れることが多かった。

それらはすべて、私の中で溜まった無力感や恐怖の叫びだったのだろう。

しかし、大人になってもその癖は抜けなかった。
自分の意志とは裏腹に、別の誰かのような行動をしてしまう。
そのたびに後悔し、自分を責める日々が続いた。

どんな時でも一番の見方で理解者で見放さずにこんな私を6年も支え続けてくれた、今では夫。
そんな彼を私は、心の底から愛していた。


ただ、完全に依存をしていた。

養育者達にどうなってもいい、あんなの死んだ方がいいって言われたまま、大人になってもその言葉達が私の脳内を巡り続けていた。

どれだけ信じたくても、自分が生きてる意味を信じる事が出来なかった。

私を信じ続け、尽くしてくれる夫を信じる事が出来なかった。

異常な程の承認欲求と自己否定の繰り返しだった。

夫と過ごした6年間、私は夫の心や物を沢山破壊し、普通じゃありえない事を繰り返していた。


私の意識では、
"絶対に"
ダメだとわかっていながらも我に帰った時、反省なんて言葉では表せない程の絶望感に襲われる。


もうこんなことしないと本気で誓って努力しても、私の本心は、薄れた記憶の中の意識と異なる行動により、また嘘となる。

愛する夫を引き止められる魅力が私にはなく、ずっと寄り添っていてくれてた彼に、結果として、必要のない束縛をし続けている自分がいた。


とても無力だった。



人生最大の窮地に立たされ、自暴自棄になりながらも考え続けた。

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