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#10. やりたくない仕事をやりたいことに変える
このnoteは、未来を生きる子供たちに向けて
将来大人になったときに心の留めておきたい
「大切な考え方」
「困難への向き合い方」
などを伝えるために書いているものです。
詳しい経緯や背景は、こちらのプロフィール記事をご覧ください。
前回、自分のwant to、つまりは「やりたいこと」について、その概念や見つけ方について詳しく書きました。
なるべく簡潔に伝わりやすく書こうと思っているのですが、気づいたら4,000字を超えていて自分でも少し驚いてます。申し訳ない。
でも、私が書いていることは割と本質的(だと思っている)のと、世間一般の感覚とは少し違った内容なだけに、それを伝わるように書こうとするとどうしても長くなってしまうので仕方ない。
今回は前回書ききれなかった、want toの反対、have toの考え方についてを書いていきます。
「まずは自分のやりたいことを見つけよう。」
前回はそんな内容のことを書きましたが、とはいえ人生にはやりたいことだけやっていればいいと言うわけにはいきませんよね。
そのことは君たちもよくわかっているはず。
そこでこのhave to、つまりは「やらなければならないこと」に対する捉え方や向き合い方が重要になってくるので、ぜひ活用してください。
改めて説明するまでもないとは思いますが、念のため。
want toとは「やりたいこと」であり、その逆のhave toとは「やらなければならないこと」。
そして、「やりたいこと」というのは、その行為、行動そのものが時間を忘れるほどに楽しいと思えること。
対して「やらなければならないこと」というのは結果を求めてやっている行動すべてです。
今まで何度か話してきた内容ですが、大事な概念なので改めて身につけておいてください。
この「やらなければならないこと」に対して、心からの意欲や活力は生まれません。
それは体感的にもよくわかっていることでしょう。
やりたくないことに対して「よし、がんばろう!」と気合を入れて取り組むことはできるけど、それは意志力で立ち向かっているに過ぎないので、want toで取り組んでいることとは本質が全く異なります。
仮に同じことをwant toでやっている人に対しては、到底太刀打ちできるものにはなりません。
例えるならば、対人コミュニケーションが苦手な人が様々なコミュニケーション方法を学習、訓練して人と話すことが得意になったとしても、なんの努力もせず初対面の人にバンバン話しかけていて、自然と人脈を広げていくことを無自覚的にやっている人に対しては、コミュニケーションという分野において、到底敵うわけがないのと同じことです。
逆を言うと、だからこそwant toは自覚して磨けば君たちの最強の武器になってるのです。
さて、話を戻します。
「やらなければならないこと」は結果を求めてやる行動が全て当てはまります。
でも、考えてみてください。
君たちが大人になるにつれてやっていることのほとんどが、なんらかの結果を求めてやっていることではないですか?
給料をもらうためにやっている仕事、他者の承認を求めてやるSNS、勝利を求めてやっている競技、などなど考えればキリがないですね。
勝つために戦う競技もよくないことなの?と思うかもしれませんが、目的そのものが結果になってしまうことはいいことではありません。
とはいえ、昔の私も優勝という結果を求めて自動車メカニックの技術コンクールに臨んでいたことがありました。
当時はwant toやhave toの考え方なんて知らなかったので、結果を求めていた自覚はもちろんありましたが、自分が気づかないだけでその競技内容そのものが自分のwant toに強く紐づいていました。
だからこそ、日本1位、世界2位という結果になったのだなと今ならわかります。
自分に合った仕事でそれが発揮できた場があったのは本当にたまたまで、運がいいとしか言えないのですか、当時から結果は必ず後からついてくるという考えは根底にあったので、それは間違っていなかったと思います。
ただ、これが勝利ばかりを求めて取り組んでいたら、思うような結果は出ていなかったと思います。
少し考えればわかるように、例えばスポーツでも結果ばかりを求めて活動するチームと、競技そのものを楽しんで勝とうと活動しているチームでは後者の方が強いに決まっています。
この辺りの話はバレーボールマンガの『ハイキュー』でとても綺麗に描かれていますので、参考にしてみてください。
このマンガはバレーボールを題材にして、人の成長の本質を描いた素晴らしい作品だと私は思います。
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それがどれほど危険なことか
仕事でも趣味でも、例えばダイエットでも、なんらかの結果を求めた行動が日々の当たり前になってしまっているかもしれませんが、この状態が続くのは非常に危険です。
なにがそこまで危険かというと、やらされ感でやるhave toが当たり前になってしまうと、本音でやりたいと思うwant toに対して無自覚に抑圧的になってしまうからです。
つまり、始めはやらされ感で仕方なくやっていたとしても、それが日常になってしまうと次第にやらされ感を感じずにやるようになってしまうということ。
人間はどんな状況にも慣れることができる怖い生き物なので、have toまみれの状況にも慣れて不感的になってしまいます。
もちろん本人はそのことに自覚なんてありません。
毎日やりたくないことを頑張ってやっている!くらいにしか思っていない人が大半ではないかとすら感じます。
そうなってしまった大人に「あなたのやりたいことはなんですか?」と聞いても、返ってくるのは、何もないか、目先の快楽に関することばかりのはずです。
これは人の心として本当に危ない状態なので、気をつけてください。
もし、心当たりがあるのなら、文頭にリンクを貼り付けた「やりたいことの見つけ方」を詳しく書いた記事を見てほしいです。
そしてそれ以前に、こんな大人にならないためには、そのhave toとの向き合い方が重要になってきます。
やりたくないこととの向き合い方
have toばかりになるのは危険だと言っても、そう簡単にやめられないことも多いでしょう。
わかります。
そんな時は今やっているhave toとだ感じていることにまずは向き合ってみてください。
向き合うと言っても、とにかく真面目に取り組め。というわけではありません。
まずは立ち止まって、結果を求めて、又はやらされ感でやっている行動の中に自分のwant toに繋げられるものがないかを探すのです。
ここではとりあえず結果は気にせずに、行動そのものに着目してください。
自分がなにをどのようにやっているのか細分化してみると、意外にも「これって自分の得意分野だったのかも?」みたいなものが見つかるものです。
それが見つけられたら儲けもん。
そのwant toを自覚的に発揮しまくれば、やりたくないことからやりたいことにだんだん変わっていきます。
でも、いきなりwant toは見つからないかもしれませんね。
そんな時は、とりあえず「どうやったら面白くできるか?」を考えてください。
もちろん、ここでも結果は気にしてはいけない。
そこで、なにをどう面白くするかは君たち次第だけれども、直感的に面白そうかもと思ったことを実践してみるといいです。
そういう時の直感は割と正しいものだったりします。
この一連の捉え方で大事なことは、結果ではなく行動に着目することと、やらされ感ではなく自分から主体性を発揮する姿勢です。
結果を起点として逆算した行動がhave toなら、行動そのものを起点にすればいいという捉え方です。
だからまずは、すでにやっている行動そのものを掘り下げてみる。
そこで、自分の楽しいことに繋げるか、繋げられないなら作ってしまえばいいというだけのことです。
それに加えて、自分から主体性を発揮する姿勢があれば、やらされ感は自然となくなり、やりたいことに変わってくれるはずです。
人の心というのは他者から変えられることに対してはすごく抵抗しますが、自分こら変えることには喜びを感じるようにできています。
単純な話、主導権を握った感覚を頭で感じているかどうかということです。
そして、「行動に着目する」、「主体性を発揮する」この2点は相乗効果のようにどちらかを取り組めば自然ともう片方もいい方向に変化していきます。
ここまで向き合い方が変われば、やりたくないことなんてきっと大きく変えられることでしょう。
そして、その結果はどんな形でいつ現れるかは誰にもわかりませんが、必ず後からついてきます。
これは間違いありません。
人はたとえ同じ行動をしいたとしても、やらされ感でやっているか、自ら向き合って取り組んでいるかでは、パフォーマンスには雲泥の差が出てくるものです。
それは、今までやらされ感でやっていたとしても本人の捉え方一つで変えることができます。
私の仕事の部下でも、仕事の捉え方を変えてあげただけで、不満だらけだった仕事が同じ内容のはずなのに本人は楽しそうに、しかもいい成果を出すようになった変化の事例を数多く見てきました。
自分にとって望んだ結果がついてくるかどうかは信じて待つしかありません。
そして、私たちにできることはそれを信じて目の前のことに真摯に取り組むことだけです。
捉え方、考え方、向き合い方、表現はそれぞれですが、それひとつでhave toは変えることができる。
同じことをするなら楽しんだ方が強い。
それを面白くできるかは自分次第。
何事も楽しんだもん勝ち。
今日も楽しんでいこう。