レコードプレイヤAT727

最初は「レコードプレイヤAT727ベルト代替品案」だったが本家のリニューアル発売などこの2年でこの商品に色々なことが起きて楽しかったので追記。
▼ベルトドライブの覚書
audio-technica AT727 Sound Burger(1982)
伸びて切れたゴムが参考にならずネットでも調べたがわからなかった。
小角ベルト
オリジナル実測:幅1mm半分折58mm内径35mm
大角ベルト
オリジナル実測:幅1mm/半分折149mm/内径94mm
大小ともに経年変化で伸びていると思われる。
実測、特に内径は丸くならないので参考程度。

★ベルト交換を検討する前に。
回転数が明らかに合っていない場合。
まずケース底辺の穴から直接可変抵抗2箇所(33/45用)を調整。
それでも利かない範囲はベルトの交換を検討した。

ターンテーブルの反対側、フェルトの足2箇所のネジ(外れずに弛めるだけの場合もある)と奥まって止めてある3箇所のネジ(外れる)を外す。
双方プラスネジだがフェルト側より3箇所の方が短い。そしてネジ穴とドライバが一般家庭用セット物ドライバと少し合わず滑ることがあるのでネジの頭を壊さないよう注意すること。
裏蓋を開けても別れた上と下は細い配線ケーブルでつながっている。
その配線がかなり短いので開ける方向にも注意してそっと外すこと。

裏蓋を開いて各プーリーを綿棒等でアルコール洗浄。
油脂やこびり付いたゴムなど汚れを取る。
溶けたゴムがこびり付いている場合がある。その際はEリングを外してプーリーも外して目視。少量でも回転数や音揺れに大きな影響がでるので徹底して除去すること。
金属の回転部品は真鍮など金属で精巧につくられているので削るのは避けた方が無難。海外でこの商品のターンテーブルのシャフトの刺さる部分を少々削ったことで回転が不安定になった話を読んだ。

またゴムベルトは経年変化で伸びると回転数が下がる。
また交換したサイズが小さすぎでも回転数が下がることがある。
モータ(ミツミY3)のトルクが小さいためブレーキがかかりやすいのではと想像する。
現在入手できるゴムベルトは種類が限られている。
輪ゴムや種類豊富な丸ベルトも試したが安定しない。
2種は2022年1月時点で購入可能なものから選んだ。

回転数はaudio-technicaのストロボコープAT6180aで調整。
蛍光灯下のみで使える。LEDライトでは不可。
テクニカのストロボライトセットは高価でこれだけのために手が出ない。
その際はターンテーブルにレコードを乗せ再生させた上で調整すること。
トルクが弱いのでレコードの有無で変わる可能性を考えた。
スマホアプリでも回転数調整ができるらしい。同じ理由であえて重いスマホを載せて調整するのは避けた。
後日、スマホアプリを使ったら正確さが気に入ったので両方使用する。
今や台所にしか蛍光灯がなく移動や調整のための設置が大変なのだ。

▼交換針について
オリジナル:audio-technica ATN-103(生産中止)
現行VM700/600/500シリーズの交換針が使用可能
接合丸針VMN10CBが一番安価。

針交換は充分に注意すること。
本体を裏向けにして7インチ用ゴムアダプターでアームをしっかり支え固定して行うこと。プラスティックのヘッドシェルではなくカートリッジ本体をしっかり持って交換針の取り外しと取り付けを行うこと。
カートリッジとヘッドシェルは接着剤とネジで固定されているだけ。
ヘッドシェルの指かけを持って力任せにやるとシェルにネジが着いたままカートリッジの針も抜けずネジごと外れてリード線を引きちぎったことがある。交換針はカートリッジにきちんとはめられるのでしっかり装着すること。中途半端だと音が小さくなる。

▼その他
海外のコミュニテイで音ブレを電子部品総入れ替えなど高度なトライ&エラーしているのを読んだ。大きな効果が出ていない。
どれだけ手を加えてもあまり古い機械に期待しないほうがよいと考えた。
半固定抵抗が壊れていたので交換した。おそらく回し過ぎが原因。
前オーナーが前述のプーリーのゴムこびりつきに気づかずに早すぎる回転を調整しようと無理に左へ回したためと想像。
オリジナル部品に53の表記。社名品名が不明なため45RPM側を
HDK 半固定抵抗(可変抵抗) 5KΩで代替。
これで調整が可能となった。
試聴上回転が不安なのはプーリーにオイルを塗ったり前述のこびりつきを徹底することで少し良くなったと思う。
もう少し状態のいい商品であればもっと安定しているように感じる。
元々の性能がワウフラッタ0.2%以下。
ちなみに現行モデルも0.25%。

以上の記事をだいたい2年ほど前にアップしたが以下は2023年夏の追記。
パンデミックを良いことに引きこもって修理に勤しんでいる間になんと本家audio-technicaから2022年モデルとしてサウンドバーガーが限定リニューアル再発売された。
発売数ヶ月前にaudio-technicaインスタ公式に今サウンドバーガーがあったらどんな機能がほしい?的前フリはあったがまさか本当になるなんて。そして2023年にはカラバリを増やして一般発売。
一台購入してみたが充電バッテリーが軽く感じる。ブルートゥースも採用され現代の使い勝手にもピッタリ。
だがLine出力はピンケーブル端子からミニジャックへ変更、ボリュームもスピーカーやアンプ側に委ねたのか削除。カートリッジもプアになったと感じる。しかし安価で汎用性の高い針が使えるのはカジュアルな聴き方として非常に正解かもしれない。色々改造する猛者が現れてほしい。
持ち運び用を前提に作られているのだからポーチなんかもメーカー側が作って欲しい。パワースイッチも電子式は簡単に作動するので持ち運びにも適さないのでメインパワーSWを別に設けるか機械式のSWに戻してほしい。
アーム固定ネジが刺さったままバッグの中でターンテーブルががバッテリー空になるまで回り続けるなんていやだからね。
将来的にはカートリッジがテクニカのVMシリーズと交換できたり78回転!に対応したら楽しいなぁ。ベルトドライブだから回転数の微調整の簡易化も便利かも。着せ替えとは言わないけれど自分で手が加えられるような仕様になっても楽しいな。大昔テクニカフクイにお邪魔した時には想像もしなかった。まさかこんな素敵な未来が待っていたなんてね。
ほんと楽しい。サンキューありがとうオーディオテクニカ。


いいなと思ったら応援しよう!